きのうは、今シーズンの目標としていたTour de Big Bear HCを走って来ました。いや~、苦しかったです。トータルの走行距離は125mile(201km)だったのですが、約55mile(88km)地点で脚が攣り始め、その後の70mileは完全に攣り続ける脚との戦いでした。
私が走った125mileのカテゴリーは、132人が出走し、96人が完走。私は62位でした。タイムは、途中2回立ち寄ったSAGステーション(飲み物、食べ物を補給するテント)での休憩時間(合計10分くらいでしょうか)を含めて8時間6分。目標は7時間前後だったので、1時間程オーバーでしたが、完走出来て本当に嬉しかったです。
完走直後の私。
この時は立っているのも苦しかったですね。身体は汗から出た塩で真っ白。白いジャージを着ていて良かったです。
このレースは出走が7時と早く、会場のBig Bear Mountainはうちから2時間以上かかるので、金曜日の夜からAirbnbで予約したロッジに泊まることにしました。
これが一緒に止まった面々。
私の息子ではないかと言われているDavid、元トライアスロンのワールドチャンピオンの彼女、そして毎週400-500マイル走っている強者です。前夜は、去年も出場した2人(ワールドチャンピオンと強者)からコースの概要を聞き、戦略を練りました。そんな戦略なんて、脚が攣り始めた後は何の役にも立ちませんでしたが。
時間通りにスタートラインにラインアップ。
私が出場したカテゴリーの出走者は132人でしたが、その後に107マイル、70マイル、50マイル等のカテゴリーの出場者が待っていたので、スタートライン付近はごった返していました。このイベントの総出場者数は2,400-2,500人くらいだったそうなので、かなり大きなサイクリングイベントでした。
話に聞いていたところでは、最初の登りが始まる20mile地点(約32km地点)まではオフィシャルカーが先導してくれて、20mph(32km/h)くらいのイージーペースで行く、ということでした。でも、今年は何故か最初からペースが上がり、いきなり25mph以上のペースで進みます。完全なレースペースです。このペースで行くと、125mileは持たないと思ったので、先頭グループから離れ10人くらいのグループで協力しながら進みます。
そして、最初の登りです。この登りはOnyx Summit Climbと呼ばれる長~い登りです。
ただし、勾配はそれほどキツくないので、快適なペースで淡々と登ります。
この登りの後は、超長~い下り。しかも、それほど急ではないので、ブレーキをかけずにガンガンスピードが出せます。この下りが今回のライドの中で一番気持ち良かったですね。この頃は、「Big Bearでのサイクリングって、何て気持ちがいいんだろう。来てよかった。」などと思っていました。その後にやって来る地獄など予想もせずに(少しは頭によぎりましたが)。
下りきったところでUターンし、下って来た道を戻ります。そして、下って来た道をそれ、脇道に入って、登りが始まります。この頃、脚に異変を感じ始めます。左のふくらはぎが硬くなり、攣りそうな気配です。まだ55mile地点。全行程の半分も来ていません。このままのペースで行くと、脚が完全に攣るのは間違いないです。
泣く泣くそれまで一緒に走って来たグループから離れ、一人旅が始まります。この登りの後は、少し下った後、再び10mileの長い登りが始まります。脚が攣り始めるとペダリングを緩め、ちょっと攣りが治まるとまた少し頑張って漕ぐ、というのを繰り返します。そうこうしているうちに、私の名前を呼ぶ女性の声が後ろから聞こえます。一緒にロッジに泊まっていた元ワールドチャンピオンです。彼女は去年、7時間ちょっとで完走していたので、出走前は彼女と一緒に走ろうと思っていました。でも、5分程彼女と一緒に走ると、脚が強烈に攣り始めます。
ここで、彼女と一緒に走ることも断念せざるを得ませんでした。この時点で、「あーぁ、今回もツールド沖縄の二の舞か」と思いました。でも、タイムはどうでもいいからとにかく完走したいという思いが強く、とにかく行けるところまで頑張ろうと心に決めます。そして、なんとか騙し騙し長い登りを終え、SAGステーションに立ち寄ります。すると、先を行っていたグループが休憩しているではありませんか。みんなそれぞれ、辛い思いをしていたようです。
そして、短い休憩の後、長い下りを下り始めます。みんな体勢を低くして、45mph(70km/h)くらいのスピードでガンガン下ります。私は、ずっと低い姿勢を続けるのが辛くなり、体勢を起こします。すると、あっと言う間にみんなに置いて行かれ、下りの1/3はもう1人のライダーと二人だけで走ることになってしまいました。やはり、身体が硬いと良くないですねぇ。
そして、ほぼ下り終わった時点で、一緒に泊まったDavidともう1人の仲間が、路肩で止まっていました。「何をしているんだろう」と思いつつ、通り過ぎましたが、やっぱり引き返すことにしました。そして、「どうしたんだ?」と聞いたら、2人とも「このままライドをフィニッシュ出来ないと思うから、ここで棄権する」と言います。「えっ、何で? 行けるとこまで行こうぜ」と言いましたが、Davidは「高い標高のせいで、息がまともに出来ない。次の登りを登り切れないと思う」と言います。そしてもう1人は、「もう脚が攣って、これ以上登ることは不可能だ」と言います。
私は、「ゆっくりいいから、行けるところまで行こうよ」と言いましたが、彼らはどうしても棄権すると言います。仕方ありません。彼らと別れ、次の登りに入ります。もう本当に、攣り続ける脚との戦いです。でもだんだん、脚の攣りと付き合う方法を学んでいきました。脚が攣っても回転数をなるべく高くして、あまり脚に力を込めないように漕いでいると脚が戻って来ます。
このようにして、比較的長い登りを2つこなして、最後のSAGステーションに立ち寄り、少し長めの休憩を取ります。バナナやスイカ、そしてPickle Iceというピクルスのジュースを凍らせたものを2つほど食べ、塩分を補給します。今回は、日本製の2run(攣らん)とSalt Capsleを3つポケットに用意していましたが、これも全部飲んでしまっていました。とにかく脚の攣り対策のためには、塩分補給が必須だったので、Pickle Iceで塩分を採ることにしました。
この休憩で少し、脚と体力が復活しました。残りは20mile。でも、ゴールまでには、1つの比較的長い登りと、最後の最後で18%の急坂が待っています。この後の比較的長い登りは、途中までは順調でした。後ろから来た3人組の後ろに着かせてもらい、彼らと一緒に登って行きます。でも、もう少しで登りも終わりという所で、完全に両足が攣ってしまいました。でも何とか、脚が攣った状態でゆっくりとペダルを廻します。「ああ、もうダメだ」と思った時に頂上が見えて来ます。そして、何とか頂上まで辿り着き、比較的長い下りに入ります。この時点で、「これで何とか完走出来るぞ」と確信しました。でも、実はこの後、最後の地獄が待ち構えていました。
この長い下り坂を下り終わった時点で残り5mile。そして、だんだんゴール地点に近づいて来ます。そして残り2mile。「あれ、もうゴールはすぐそこだぞ。きつい登りなんて無かったじゃないか」と思っていると、ゴール方向から離れるべく、右折のサインが出て来ます。そして待ち構えていたのが、噂の急坂。確かに勾配は15%以上です。もうまっすぐなんて、とても登れません。ジグザク走行(何故か英語ではPaper Boyと呼びます)で、ゆっくりと登ります。でも、交通を遮断しているわけではないので、たまに前後から車が来ます。車が来た時は、真っ直ぐ行くしかありません。辛かったですが、不思議と脚は攣りませんでした。ゴールが近いということで、精神的に楽だったからかも知れません。
そして、無事ゴール。途中棄権した2人が、「まさか完走するとは思ってなかったよ」と言います。私自身も70mileくらいの地点では完走出来るとは思っていませんでした。
ジャージは白の部分が多いので、あまり目立ちませんが黒い部分には汗から出た塩の筋が出来ています。
次回挑戦する際は、もっと沢山2runやSalt Capsleを持って行かないとダメですね。まあ、とにかく完走出来てよかった。本当に苦しかったけど、何とも言えない達成感があります。来年また挑戦するかどうか? それは今は考えたくありませんが、もう1回くらい頑張るかも知れませんね。
さて、いい子に(?)お留守番していたHaru子。私が帰って来た気配を感じると、もう吠えまくり。
最近トレーニングのおかげであまり吠えなくなっていたのに、昨日はちょっと違いました。でも、私の帰りを心待ちにしていたということにして、許してやることにしましょう。
では。
私が走った125mileのカテゴリーは、132人が出走し、96人が完走。私は62位でした。タイムは、途中2回立ち寄ったSAGステーション(飲み物、食べ物を補給するテント)での休憩時間(合計10分くらいでしょうか)を含めて8時間6分。目標は7時間前後だったので、1時間程オーバーでしたが、完走出来て本当に嬉しかったです。
完走直後の私。
この時は立っているのも苦しかったですね。身体は汗から出た塩で真っ白。白いジャージを着ていて良かったです。
このレースは出走が7時と早く、会場のBig Bear Mountainはうちから2時間以上かかるので、金曜日の夜からAirbnbで予約したロッジに泊まることにしました。
これが一緒に止まった面々。
私の息子ではないかと言われているDavid、元トライアスロンのワールドチャンピオンの彼女、そして毎週400-500マイル走っている強者です。前夜は、去年も出場した2人(ワールドチャンピオンと強者)からコースの概要を聞き、戦略を練りました。そんな戦略なんて、脚が攣り始めた後は何の役にも立ちませんでしたが。
時間通りにスタートラインにラインアップ。
私が出場したカテゴリーの出走者は132人でしたが、その後に107マイル、70マイル、50マイル等のカテゴリーの出場者が待っていたので、スタートライン付近はごった返していました。このイベントの総出場者数は2,400-2,500人くらいだったそうなので、かなり大きなサイクリングイベントでした。
話に聞いていたところでは、最初の登りが始まる20mile地点(約32km地点)まではオフィシャルカーが先導してくれて、20mph(32km/h)くらいのイージーペースで行く、ということでした。でも、今年は何故か最初からペースが上がり、いきなり25mph以上のペースで進みます。完全なレースペースです。このペースで行くと、125mileは持たないと思ったので、先頭グループから離れ10人くらいのグループで協力しながら進みます。
そして、最初の登りです。この登りはOnyx Summit Climbと呼ばれる長~い登りです。
ただし、勾配はそれほどキツくないので、快適なペースで淡々と登ります。
この登りの後は、超長~い下り。しかも、それほど急ではないので、ブレーキをかけずにガンガンスピードが出せます。この下りが今回のライドの中で一番気持ち良かったですね。この頃は、「Big Bearでのサイクリングって、何て気持ちがいいんだろう。来てよかった。」などと思っていました。その後にやって来る地獄など予想もせずに(少しは頭によぎりましたが)。
下りきったところでUターンし、下って来た道を戻ります。そして、下って来た道をそれ、脇道に入って、登りが始まります。この頃、脚に異変を感じ始めます。左のふくらはぎが硬くなり、攣りそうな気配です。まだ55mile地点。全行程の半分も来ていません。このままのペースで行くと、脚が完全に攣るのは間違いないです。
泣く泣くそれまで一緒に走って来たグループから離れ、一人旅が始まります。この登りの後は、少し下った後、再び10mileの長い登りが始まります。脚が攣り始めるとペダリングを緩め、ちょっと攣りが治まるとまた少し頑張って漕ぐ、というのを繰り返します。そうこうしているうちに、私の名前を呼ぶ女性の声が後ろから聞こえます。一緒にロッジに泊まっていた元ワールドチャンピオンです。彼女は去年、7時間ちょっとで完走していたので、出走前は彼女と一緒に走ろうと思っていました。でも、5分程彼女と一緒に走ると、脚が強烈に攣り始めます。
ここで、彼女と一緒に走ることも断念せざるを得ませんでした。この時点で、「あーぁ、今回もツールド沖縄の二の舞か」と思いました。でも、タイムはどうでもいいからとにかく完走したいという思いが強く、とにかく行けるところまで頑張ろうと心に決めます。そして、なんとか騙し騙し長い登りを終え、SAGステーションに立ち寄ります。すると、先を行っていたグループが休憩しているではありませんか。みんなそれぞれ、辛い思いをしていたようです。
そして、短い休憩の後、長い下りを下り始めます。みんな体勢を低くして、45mph(70km/h)くらいのスピードでガンガン下ります。私は、ずっと低い姿勢を続けるのが辛くなり、体勢を起こします。すると、あっと言う間にみんなに置いて行かれ、下りの1/3はもう1人のライダーと二人だけで走ることになってしまいました。やはり、身体が硬いと良くないですねぇ。
そして、ほぼ下り終わった時点で、一緒に泊まったDavidともう1人の仲間が、路肩で止まっていました。「何をしているんだろう」と思いつつ、通り過ぎましたが、やっぱり引き返すことにしました。そして、「どうしたんだ?」と聞いたら、2人とも「このままライドをフィニッシュ出来ないと思うから、ここで棄権する」と言います。「えっ、何で? 行けるとこまで行こうぜ」と言いましたが、Davidは「高い標高のせいで、息がまともに出来ない。次の登りを登り切れないと思う」と言います。そしてもう1人は、「もう脚が攣って、これ以上登ることは不可能だ」と言います。
私は、「ゆっくりいいから、行けるところまで行こうよ」と言いましたが、彼らはどうしても棄権すると言います。仕方ありません。彼らと別れ、次の登りに入ります。もう本当に、攣り続ける脚との戦いです。でもだんだん、脚の攣りと付き合う方法を学んでいきました。脚が攣っても回転数をなるべく高くして、あまり脚に力を込めないように漕いでいると脚が戻って来ます。
このようにして、比較的長い登りを2つこなして、最後のSAGステーションに立ち寄り、少し長めの休憩を取ります。バナナやスイカ、そしてPickle Iceというピクルスのジュースを凍らせたものを2つほど食べ、塩分を補給します。今回は、日本製の2run(攣らん)とSalt Capsleを3つポケットに用意していましたが、これも全部飲んでしまっていました。とにかく脚の攣り対策のためには、塩分補給が必須だったので、Pickle Iceで塩分を採ることにしました。
この休憩で少し、脚と体力が復活しました。残りは20mile。でも、ゴールまでには、1つの比較的長い登りと、最後の最後で18%の急坂が待っています。この後の比較的長い登りは、途中までは順調でした。後ろから来た3人組の後ろに着かせてもらい、彼らと一緒に登って行きます。でも、もう少しで登りも終わりという所で、完全に両足が攣ってしまいました。でも何とか、脚が攣った状態でゆっくりとペダルを廻します。「ああ、もうダメだ」と思った時に頂上が見えて来ます。そして、何とか頂上まで辿り着き、比較的長い下りに入ります。この時点で、「これで何とか完走出来るぞ」と確信しました。でも、実はこの後、最後の地獄が待ち構えていました。
この長い下り坂を下り終わった時点で残り5mile。そして、だんだんゴール地点に近づいて来ます。そして残り2mile。「あれ、もうゴールはすぐそこだぞ。きつい登りなんて無かったじゃないか」と思っていると、ゴール方向から離れるべく、右折のサインが出て来ます。そして待ち構えていたのが、噂の急坂。確かに勾配は15%以上です。もうまっすぐなんて、とても登れません。ジグザク走行(何故か英語ではPaper Boyと呼びます)で、ゆっくりと登ります。でも、交通を遮断しているわけではないので、たまに前後から車が来ます。車が来た時は、真っ直ぐ行くしかありません。辛かったですが、不思議と脚は攣りませんでした。ゴールが近いということで、精神的に楽だったからかも知れません。
そして、無事ゴール。途中棄権した2人が、「まさか完走するとは思ってなかったよ」と言います。私自身も70mileくらいの地点では完走出来るとは思っていませんでした。
ジャージは白の部分が多いので、あまり目立ちませんが黒い部分には汗から出た塩の筋が出来ています。
次回挑戦する際は、もっと沢山2runやSalt Capsleを持って行かないとダメですね。まあ、とにかく完走出来てよかった。本当に苦しかったけど、何とも言えない達成感があります。来年また挑戦するかどうか? それは今は考えたくありませんが、もう1回くらい頑張るかも知れませんね。
さて、いい子に(?)お留守番していたHaru子。私が帰って来た気配を感じると、もう吠えまくり。
最近トレーニングのおかげであまり吠えなくなっていたのに、昨日はちょっと違いました。でも、私の帰りを心待ちにしていたということにして、許してやることにしましょう。
では。