ならおうは穏やかに語る

Fly Fishingを中心に難しい話からヨタ話まで支離滅裂な雑文。
(09/08/23カウンターを付けました。)

なごみの湖 黄金色の大物

2009-04-12 13:58:31 | 釣り
なごみの湖のアルビノ伝説(ジンクス)は以前かかった(笑)。
なんとなく釣れなくなるのは事実だ。
思い返すとその頃を境にフライボックスからOctopus Bombを排除(Eggは当初から)し、Scud、ニンフを殆ど使わなくなった。これはLong Leader Nymphing methodよりもSinking引っ張りとかソフトハックルに傾倒した時期に当たる。
気障に言うと自分自身のフライフィッシングのStageを替えた時期に相当する。それでもL.L.のラインが引き込まれるアタリってのは痛快で、Floating Lineで沈むフライを引っ張るとき(Sinking leaderを含む)Fallingでアタリがあるのは今でも嫌いじゃない。ただ、アタリがなくもそのまま放置や回収じゃなくゆっくりとリトリーブするようになった。
なお、止水でのルースニングという釣りが性に合わないのは好き嫌いの問題であり、流水じゃ必須と思ってる。
その流れのなかで今はMidge pupa, Imagingに没頭していて、ちょっと良い思いが出来るようになってきたなっと感じてたら、アルビノを一年と少し経ってまた釣ることになるとは。

フライはこれ

Rising pupa(故古川雪浩氏考案のMidge pupa by ミッジパターン108)を参考に管付きチヌ鉤2号に巻いたもの。
何を参考にしたか?
・Thorax:スレッド(黒)のみ
・Abdomen:スレッド(黒)とRib(Rainbow thread)
・Clear Coat
本来は#22-14と小さい目の(Midgeだからね)フライだが、魚は同じような餌であれば大きいものを食う(食い意地が張ってれば)と考えたからだ。色は収縮色の黒にした。
ま、通常のミッジならTMC2488の#20等を使うので(とはいえ、オオユスリカのことを考えると#14でもよいし、実際その程度の大きい目のミッジでよく釣れる)。ある程度のサイズで魚から見えるってのもある。この辺、魚がフライにすれてSelectiveになるとサイズを揃えないとあかんようだが、プラスマイナス#2なら許容範囲(#16に対して#18か、#14)でしょう。
これは次の2点による。

1)Fly Rodders誌上で鈴木寿氏「#16と#14の差を比較したとき、それが魚の反応を決定してしまうかというとそうではないと考えています。」と述べている事。

2)フライタイイングマニュアル(増沢信二著)によると「メーカーによって#2程度は異なる」。そしてフックサイズの#2違い(#14と#16など)は「フック長(全長-アイ)」が2mm(範囲は#8-#18、実測値)とある事。

フック長の最大と最小の差4mmは大きいか小さいかは判断が難しいところ(#14で11.0mmだから、9.0mmと13.0mmの範囲)だが、長さにしておよそ20%の差。さらにフライは"Short dress", "Half dress", "Low water"と「小さい目に巻く」ことができる。
ちなみにLow waterとは、Low water salmon flyから来ていて、減水して水が澄むとフライがバホバホだと魚に見切られる。でも鈎を小さく細くすると魚に伸される。そこで小さくフライを巻くやり方に由来する。
ここからは想像。どうせゲイブは見えてるんだからシャンクが少々見えててもOKだよ。餌釣りなんかシャンク丸見えだもんな(笑)って感じでしょうか。

話を元に戻すと、巻き方次第でなんとでも1mm程度はなんとでもなる。ってところでしょうね。実際昆虫のサイズも20%程度の差はあります。

さて、アルビノを釣った時にさらに話を戻すと
・ティペットは4X(1.2号フロロ)。Sinking LeaderのIntermideateでスローシンク
・棚はおよそ2m程。
・場所は中央桟橋から狙える固定桟橋のスタンプ横。
・時刻は12:44のまっ昼間。

と、冒頭からアルビノで堪能したが、本日はばらしまくりだった。
■バラシの記録■
・鉤の伸び:2件

左は天野テンカラ#2で、右はがまかつB10S#14。どちらもRising pupaを意識したもの。ヒットしてやりとり(5X(0.8号フロロ))してたら外れた・・・。で回収するとこういう感じ。

・ティペット合わせ切れ3件
・・リーダーとのつなぎめ2回、フライを持って行ったのが1回。
Midge pupaのスローリトリーブ(これってFly Fisher Np.179 (2008/Dec)に載ってた)は引っ張り系だからアタリがあると右手でラインが引き出されるのを止める。その瞬間にガン!フッという哀しい手応え。想像通りティペットの先端は何もなし。

・ネットイン時のばれ:2件
・・単にへたくそ(笑)Natural Releaseとうそぶくか。

・乗らず:5件
・・ドライを浮かべて(後述のライズリングだらけの中で)見てたらゴボで終わる哀しい事実。

・乗ったが即バレ:3件
・・竿が曲がってブルンブルンで軽くなるタイプ。これは掛かりが浅いのか、地獄掛かりじゃないためだろう。

と釣りそのものは余り良い成績ではないものの、「他の人が釣れていないときに釣って、ライズぼこぼこの時に沈黙」という不可思議を経験・・・アルビノの呪(笑)。

で、本日のヒットフライを開陳すると(持って行かれたのは除く)

左端二つは上述の開いたフライ。
中央はヘンハックルのBk(Black)TMC5262#12だったと思う。
中下はCDCガガンボ。がまかつC12#12のはず。リブのワイヤが解けてしまいました。
右上はアルビノのヒットフライ。管付きチヌ2号のはず。
右中は管付きグレ3号のはず。結構釣れます。
右下は天野テンカラ2号のRising pupa仕様。
チヌは鈎とグレ鈎は少々の事でフックが開かない→太いティペットに出来るという魂胆。
ティペットの接続はフリーノットにしている。

Rising pupaでサクラマスの♂をヒットさせたのがこれ。

口の中にRising pupaが入ってる。

さて、早朝6時半頃は気温5℃前後で少し肌寒くライズは無い。アルビノが1-2mの所を徘徊しているのが見える。最近雨が降っていないから水は結構クリア。そこに快晴だと魚はなかなか表層に出てこない。でも虫は適度にハッチしている。
朝の冷え込みは虫のハッチを抑制するので、魚は表層に出る理由がない。日が差して水温が上がるとハッチするが、日差しが強いと魚は沈む。このジレンマはフライを沈めればよい。そしてスローリトリーブ(ナメクジ)で狙う。ユスリカは魚にとって「食べておこか」(フライの雑誌 第84号 P28)なので、棚さえ合えば釣れるはずだ。

とはいうものの、カウントダウンが100に近づくような釣りはやはりしんどいし、どこまで沈んでるのか読めない。風が吹くと流されたラインに引っ張られて沈んでる状況も読めない。#7で長距離を狙うと特にその辺が困難。ということでsinking leaderを用いると比較的棚を合わせやすくなる。

そうやって周囲が比較的釣れていない時間帯にそこそこ釣れて天狗になって、さらに昼過ぎの13時前にアルビノまで釣ったら有頂天。そのうち日が陰ってくる。魚が見えるようになってくるのでIntermideateに替える。ソフトハックル(ヘンハックル)でも釣れたし、狙う棚は悪くなかったはずだったが、ライズリングが出るようになった頃からアタリが消えた。
今回、夕方のライズリングはかなり遠く、枯立木の下流端とほぼ同じ位置。ここは#7Rodが効果的でライズリングの向こうにフライが届く。が、全然釣れない。Midge pupaのサイズをあれこれ変えてもだめ。
となれば、ライズ狙いの王道はドライフライ。Sinking Leaderを止めて普通のリーダーにする。まずは#14のFloateing Midge pupaを使うが無反応。Midgeじゃなかったのか。
つうことでCDCのガガンボフライに変更。出るが乗らない。かなりイライラする。早合わせか?と合わせ待ちしてもだめ。で、回収してくるとフライの後ろに背鰭がJAWSの様に迫ってくる。
ふとソフトハックルで早引きしたとき見た光景を思い出した。
そしてガガンボの表層早引きで上がり鱒で終えることが出来て納得。

ここでSoft Hackleの代表選手"Partridge and Orange"の早引きが何をイミテートしているのかが閃いた。これはまさにガガンボのイマージャーが水面でアダルトになろうとしている瞬間だろう。
Fly Fisher No.162 p40(2007 07)にガガンボのアダルトになる直前の説明がある。ウスバガガンボは黄色いし、柔らかくて長い足が特徴的だ。アダルトになると硬くなるというのも記載されている。ガガンボはイマージングガスで「高速」浮上して瞬時にアダルトになることを「水生昆虫アルバム 」P171に記載されている。
色、高速移動、長い足ってのをソフトハックルの表層早引きでイミテートするわけで、CDCをハックルに巻いたものを表層で高速移動させたものはまさにそれのイミテートだろう。

これ、CDCが釣れたせいでもつれてるが、かなりガガンボっぽい。ボディを光らせたのはイマージングガスを少し意識。
こういうCDCのフライは浮かばせているだけでも釣れるが、なぜか乗らないことが多い。これを早引きしたら追いかけても喰うってのはガガンボが水面から飛び立とうとしている瞬間が喰いやすいからで、それを狙ってると動かないものは目測を誤っているのだと考えている。
リトリーブして上がりマスとなったのはこれ。


いずれガガンボのアダルトは飛翔する直前は
・水面で弱くトラップされている。
・水面から逃げるためはばたくので水面の滑走となる。
・長い足も水面からの脱出の抵抗になるだろう。
この辺はBF5, BF6と「水生昆虫アルバム」のP165に記載されている内容とも合致する。
ちなみに浮かべておくだけってのはトラップドになる。

つうことで少し引き出しが増えた。
で、土曜の夕方にハッチしていたのはガガンボで、表層早引きが効果的だったこと、CDC midge pupaがあかんかった事とも符合する。


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11 コメント

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Unknown (Regal Close)
2009-04-13 05:10:46
知識不足で分からない部分が多いですが、
大変面白く読ませていただきました。
ますますフライの面白さに引き込まれます。
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Regal Closeさん (ならおう)
2009-04-13 19:22:42
自分自身の備忘録なので難しいことを記載していますが少しでもご参考になればと思います。
そちらもライズに惑わされていたご様子ですがあと少しでライズハンターになれるでしょう。
フライは奥が深いです。
ガガンボはクレーンフライです。平地では必須でしょう。
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良い季節になりました (ひげオヤジ)
2009-04-13 22:27:55
こんばんは、ならおう殿!すでに桜の散る頃となり、いよいよ「なごみ」もベストシーズンを迎えているよう。さらにそれを応援するかのような、ならおう殿による、
 
 子細極まりない「なごみ」攻略法公開!

ということで、じっくり読ませてもらいました。小生もお馴染みのタコフライを一度封印し、ウェットやらマドラーやらで、じっくり攻めてみたく思った次第。しかし、最近、目覚め掛けている渓流の方も捨てがたく、先ずはこのベストシーズン、少ない休みをいかに使うべきか・・・とまぁ、釣りに頭をひねるより、そちらの方が気にかかる本末転倒な状況であったりします。

 先ずは「なごみアルピノ伝説」が、ならおう殿の元に訪れないことをお祈りしつつ・・・。
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渓流はよさげですね。 (ならおう)
2009-04-13 23:18:05
渓流に目覚めると管釣りは物足りなくなるでしょうね。
鮎の狙えるようなところで釣りたいモンです。
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流水じゃ必須? (ま。)
2009-04-14 00:02:33
ルースニングにフライフィッシングの醍醐味は有るのか?
ニンフフィッシングは、沈んだかなぁ、転がってるかなぁてのを想像しながら釣るブラインドの楽しみやと思うんですが…。

んで、ミッジのサイズですが、極小でなきゃ、デカニジを釣る楽しみがないです(笑)。
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止水のミッジ (ならおう)
2009-04-14 06:58:51
富栄養で釣具屋のアカムシサイズになっている、アダルトよりも大きなピューパが効く事もあると思ってます。
赤チヌ鈎もその一貫かと。
渓流のルースニングはアウトリガーよりも釣りになると思ってます。
止水で目の前を狙うのは哀しいのでせめて10m先を狙って欲しいと思ってます。
それがフライの醍醐味かと。
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ルースニング考 (ならおう)
2009-04-14 22:53:40
流水で必須と書いたのは、流水で沈める釣りではフライが棚を維持して流れてくれないと根掛かりが待ってて、そうでなければウェットの様に表層直下を引くしかないから。
そういう狙い方もありますが、自由度が下がるような気がするわけで・・・。
ま、この辺は人それぞれの考え方かも。
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いろいろな釣り方 (ふりーすとん)
2009-04-14 22:59:01
管理釣り場も釣り方に拘ると面白いですね。
私はドライ、ウェット、ルースニングと一通りの
釣り方を試してみないと気がすまないタイプです(笑)
最近、頭が海よりになっているので、管理釣り場に
しばらく行っていませんが、ひと段落して
落ち着いたらまたなごみに行きたいです。
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そうですね (ならおう)
2009-04-15 06:54:24
楽しみは人それぞれですね。互いにとやかく言う問題ではない事です。
海は遠いので足が遠のきます。
この連休にと思いましたが、人手でくじけてます。
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Unknown (Yujiro)
2009-04-15 17:22:55
管釣りと言ってもなごみ本湖ではまったくをもって
一筋縄ではいかんですね。フライもルアーも。

条件が限られていることで途方に暮れることは天然河川
より多いかもしれないほど。

ライトエリアでも魚見えててむちゃくちゃ釣れんこと
ありでこれはこれで一筋縄ではイカン。
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