京都旅行2日目は盛り沢山なプランにも関わらず、小回りの効く観光ができたのは
「市バス・京都バス一日乗車券カード」のおかげでしょう。
このカード一枚(500円)で市バスは勿論のこと、京都バスの均一運賃区間内であれば、
1日中何回でも乗車可能で、“均一運賃区間”内で3回以上乗車すれば元がとれてしまいます。
しかしながら、交通の便が発達しているだけにバス停に関する情報も膨大なワケで、
向かう方向(行先)に対するバス停の位置と到着時間はある程度見積もった方がよろしいと思います
さて、北野天満宮に次いで最寄のバス停から京都市バス101(もしくは102)系統に乗って向かったのは、
京都を代表する観光スポットの一つ「金閣寺」(金閣寺道で下車)
嵐山竹林の“朝活”効果も、どうやらここまでのようで...
(不確かな英語がいくつもあるようですが)金閣寺というだけに、
外国人観光客含めて参拝受付には行列が出来ていました
▲お札は南か東向きの場所に祀るのが望ましいですね
受付で参拝料を払うとパンフレットと拝観券代わりの“お札”を手渡され、
ちょっと得した気分で拝観(笑/大人:開運招福・家内安全/小・中学生:学業成就・交通安全)
※金閣内部は非公開で、拝観料はあくまで敷地内の入場料金です。
▲金色の舎利殿から「金閣寺」と名付けられ、シンプルな建物ながら圧倒的な存在感です
金閣寺の正式名称は「鹿苑寺(ろくおんじ)」で
室町幕府三代将軍 足利義満の別荘として建てられたもの。
(室町幕府三代将軍“足利義満”公は銀閣寺をつくった足利義政のおじいさん。
アニメ「一休さん」にも将軍様として登場していたと思います)
三層構造の舎利殿は各層ごとに建築様式が異なる造りで
室町初期の北山文化を代表するものとして日本だけでなく世界的にも評価の高い建物です。
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*1層(初層):寝殿造り
*2層:武家造り
*3層:禅宗仏殿造り
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1994年12月にユネスコ世界文化遺産「古都京都の文化財」の
構成資産の一つとして登録されるも、国宝には指定されていません。
これは鎌倉時代建立の金閣寺は1950年に全焼してしまったため。
現在の金閣寺は1955年に再建されたもので、在来工法で重要文化財として
認定されるには最低でも200年の経過が必要なのです。
途方もない年月ですね…
▲鏡湖池に写る金閣寺は「逆さ金閣」と呼ばれています
御覧のように金閣寺の美しさを一層引き立たせているのは周囲を囲む鏡湖池(きょうこち)。
「鏡湖池」を中心とした池泉回遊式庭園は特別史跡・特別名勝に指定され、
まるで鏡のように金閣を映し出すことから名付けられています。
モデルとなったのは、浄土世界にある七宝の池。
七種類の宝石からなる金の砂が敷かれて七宝の池、
その水は八つの功徳を持っていると考えられていたとか。
建立当時の人々は、どわな想いを込めたのでしょうか。
▲江戸時代の住職が、後水尾上皇の迎えるために造らせたとされる茶室「夕佳亭」もチラッと拝見
少々、人混み渋滞の中で神々しい金閣寺を見納め、せっせと進むは大名行列...
順に沿って歩を進めると、御朱印受付や各種御守り・土産店が立ち並ぶ
人口密度が高いエリアに到着したので、ここで一息。
独特な口調で茶所を案内していた「金閣寺不動釜茶所」に寄ったところ、
見晴らしのいい縁側に通してもらいました。(すぐ後ろに20畳ほどの和室を構えます)
▲茶屋前の石灯籠と富士山型の手水鉢は慈照寺(銀閣寺)を建てた孫の義政公が愛用したものだとか
こちらで、抹茶と茶菓子を頂きながら一休み
さすがは京都、といったコクのある抹茶は落ち着いた情景と相まって、
この上ない“雅な気分”に浸らせてくれます(苦い飲み物を旨いと言えてしまう年頃になりました:笑)
▲こちらは京都西陣「千本玉壽軒」のオリジナル茶菓子
金閣寺と衣笠山を型押しした落雁に金箔を塗し、
京都を代表する大徳寺納豆を餡にした品格のある上菓子。
柔らかい落雁は口解けよろしく、ほんのりとした甘さの中に
潜むわずかな塩加減が抹茶との相性を高め、表面に塗した金箔がまた美しさを引き立てています。
ごちそうさんでした。
“新緑”に囲まれながらも一際目を引いてしまう金閣寺。
周囲の情景も然ることながら、見る角度や季節によって様々な表情を見せてくれるのは、
白・黒(茶)・金といった独特なコントラストが“わびさび”を感じさせるも、
どこか浮世離れした佇まいに誰もが惹かれてしまうのでしょうか。
夏に限らず、春の桜、秋の紅葉、冬の雪と様々な情景を見せる金閣寺は一年を通して“べストシーズン”の観光スポットだと思います。
次回は雪化粧をまとった金閣寺を拝みたいですね
(つづく)