先日の早朝、何気なくテレビをつけていました。俳優の綾野剛さんの特集をやっていました。私はチャランポランだったりかっこつけだったりする彼の役柄から、特別良い印象を持ってはいませんでした。
陸上に打ち込んでいた彼が、ヒーローものの悪役でデビューした際、一つの場面で監督から24回もやり直しをさせられたそうです。その時初めて大人が自分をちゃんと見てくれた、とうれしく思い、俳優の道を進むことを決意したそうです。
撮影の際には細かなところまでこだわり、何回でも撮り直してもらってかまわないと監督に伝えるなど、想像を超えたストイックさで取り組んでいるようです。「自分には才能がないから、努力することが一番の近道なんです。」と話していた、その言葉がとても刺さりました。見た目だけで人気俳優になったわけではないことを知り、印象が一気に変わりました。
私は勉強においても同じだと思っています。確かに1000人に何人かは努力しなくても勉強ができてしまう人はいると思います。しかしその才能を生かすにはやはり努力が必要ですし、その才能に負けない「努力の才能」も存在します。
私も普段小中学生に教える内容の他にも、社会人の方に向けた資格取得の講座を担当することがあります。教えるためにはこの資格を私も持っている必要があり、完全に独学で学びました。私が教える方々の数倍の量、数倍の時間を確実にかけて勉強しましたし、講座の前には必ず数時間かけてその準備をしています。そのかいあってか、大手の会社から来年の講座も依頼をいただきました。また、さらに上級の資格を先日取得することができました。
生徒たちには、受験を通じて学力が上がり志望校に合格する喜びを味わってほしいのはもちろんですが、同時に努力することと継続することの大切さを知ってほしいと考えています。努力しなくても手に入れらるものよりも、努力をして手に入れたものの方がどれだけ価値があるか、知ってほしいのです。もちろん、時には努力が報われないこともあります。しかし、決してその努力は無駄ではありません。
受験生たちはそろそろ志望校を固める時期になりました。生徒たちには受験を通して、受験に出る知識だけでなく生きる上で大切なことをたくさん味わってほしいです。