深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

異能バトルは日常系の中で

2014-11-13 19:32:22 | 趣味人的レビュー

2014年秋期のアニメは『七つの大罪』、『Fate/stay night』、『PSYCHO-PASS 2』、『寄生獣 セイの格率』、『ログ・ホライズン セカンドシーズン』、…と勝負作が並んでいるが、そんな作品群に混じって私のイチ押しが『異能バトルは日常系のなかで』だ。


高校で文芸部に所属する安藤寿来(じゅらい)は、異能バトルに憧れる厨二病全開のイタいヤツ。そんな安藤の厨二っぷりをいつも冷ややかな目で見ていた文芸部の面々だったが、ある日突然、その安藤に本当の異能が発現してしまった。そして、それに呼応するように他の文芸部員(+1名)にも次々に異能の力が目覚める!

安藤に発現したの異能「黒焔(ダークアンドダーク)」は手から黒い焔を出し、見た目の派手だが、熱さは湯たんぽ並みで何の意味もない異能。しかし、他の文芸部員(+1名)に発現した異能は──

隠れ厨二の神崎灯代(ともよ)の「永遠(クローズドクロック)」は時を操る異能。過去にこそ戻れないものの、時間を止めたり進み方を自由に変えることができる(これは『ジョジョ』でDIOのスタンド「ザ・ワールド」や、ドラマ『SPEC』 で一十一(にのまえ じゅういち)が持っていたのと同じ能力だ)。
安藤を文芸部に誘った張本人で天然系の櫛川鳩子の持つ「五帝(オーバーエレメント)」は、地・水・火・風・光の5つのエレメントを自在に操る異能。これらのエレメントの組み合わせで生み出せるものは、瞬時に作り出すことができる。
文芸部部長の高梨彩弓(さゆみ)は、どんなものでも元に戻すことができる異能「始原(ルートオブオリジン)」を持つ。
そしてなぜか文芸部の部室に出入りしている小学生、姫木千冬の異能「創世(ワールドクリエイト)」に至っては、無から有を生み出す「神の力」そのものだ。

※ちなみに上の二つ名は全て安藤が考えたもの。この名前には彼ならでは変なこだわりが隠されていて、それが第2話で明らかになる。

そんな(安藤以外は)どの異能も、それだけでサーヴァントなしでも聖杯戦争を勝ち抜いて万能の願望器〈聖杯〉を手にできる(←別のアニメの話)ほどのものだが、彼らはその力をもっぱら文芸部コスプレ大会みたいなしょうもないイベントにムダに使っているのだった。

とは言え、神崎灯代の腹違いの兄、桐生一(はじめ)──現在は無職だが「霧龍・ヘルドカイザ・ルシ・ファースト」の二つ名を名乗り、初対面で安藤と意気投合した筋金入りの厨二──が密かに文芸部を見張り、別の異能者を刺客として(?)送り込むなど、不気味な動きを見せる。


…とまあ、こんなフザけた話なのだが、その厨ニの安藤が見せる「誰よりも良識があって男前」なところが、この作品をしっかリとした見られるものにしている。

異能系(ってジャンルがあるのかどうかわからないが)の作品は、どうも「異能」とか「異能者」という設定に寄りかかりすぎて、物語の世界観がちゃんと作れていないことが多いのだが、この『異能バトル~』はどこまでも日常の中で物語が展開するため、作り手も余計な設定に手数を割くことなく自由に遊べていて、その安定感が見る側にも安心感となって伝わってくる。

何より異能を持つことになった人間の心理が、とてもリアルに描き出されているのがいい。
例えば第5話で安藤は異能の力を持つことについて、

「どうだ、カッケーだろ? 異能はサイコーにカッコいい。そんで────ただそれだけだ。(優しい声で)それだけでいいんだ」

と語っている。


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