深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

キネシオロジーで未来のことを聞く 3

2014-11-19 18:52:01 | 一治療家の視点

このテーマ、「1」では因果律という切り口から、「『原因と結果(因果)』という概念は人間がつくったものであり、世界の側に客観的に存在しているものではない」ということについて述べ、「2」ではそもそもキネシオロジーはどこから情報を得ているのか、というところから、場というものについて考えてみた。

この「3」では、「キネシオロジーで未来のことを聞けるのか?」という問題について、最適化という観点から考えていくが、ここに書かれていることはすべて考察の途中段階のものであり、ただの仮説。なので、書かれていることを無批判に信じ込まないように。


特にキネシオロジーをコーチングやカウンセリングといった方向で使っている人たちはしばしば、筋反射テストによって、その人にとっての最適な答が与えられる、と言っている。つまり、そこで出てきた答に従って進んでいくと、上手くリスクを回避できたり思いがけない出会いがあったりして結果として成功する、ということだ。

では、もし筋反射テストによって最適な答が選ばれているのだとしたら、そこではバックグラウンドでどんなことが行われているのかを考えると、こういう処理が行われているはず。

1.それぞれの選択肢から起こる、この先の状態を読み取る。
2.それらの結果を比較検討する。
3.その中から本人にとって最もふさわしいと結論づけられたものを(筋反射テストの結果として)術者に提示する。

まずここからは、筋反射テストで最適な答が得られる、とするなら、ある選択肢を選んだ場合の本人のこの先の姿がかなり明確にわかっていなければならない、ということが言える。そうでなければ、2でそれらを比較検討することができないからだ。

しかし「未来のことは確定していないから、キネシオロジーで未来のことは聞けない」のではなかったか? もし本当に「キネシオロジーは最適な答を与える」のならば、これら2つの主張は互いに矛盾していることになる。

これについては、いささかあざとい手を使って矛盾を回避することはできる。それは、

「実はキネシオロジーでは未来のこともわかっているのだが、その詳細は明かされない(注1)。ただ『こういうふうにするといい』という形で、その一端だけが示される」

としてしまうことだ。

ところで、上ではサラッと書いているが、実は1と2は「未来の状態を読む」以上のとんでもないことをしているので、そのことについて述べておこう。

上で何気なく書いている「選択肢」というものだが、これは有限ではあり得ない。「目の前のT字路を右に行くか左に行くか?」みたいな一見単純な問いでも、「どちらにも進まずに今の位置に留まる」とか「進むのではなく引き返す」みたいな答もあり得ることを考えれば、選択肢は一気に膨張していく。ましてや人生に関わるものなら、選択肢が有限個であるなど考えられない。


さて、ここで無限というものについての数学的な説明を付け加えると──

一言で「無限」というが、数学的には2種類の無限──可算無限と非可算無限──がある。

可算無限とは自然数や整数のように、1番目、2番目、…と全てのメンバを数え上げることができる無限のこと(例えば整数は、0を1番目、1を2番目、-1を3番目、…としていけば、全ての数を数え上げることができる)。もちろん、この番号付け作業は永遠に終わることはないのだが、それでもこうして全てのメンバを余すことなく挙げていくことができる。

それに対して非可算無限は、実数のように全てのメンバを数え上げることが不可能な無限だ(注2)。どんなに綿密にメンバを番号付けしていっても、そこから漏れてしまうものが確実に存在する、というのが非可算無限であり、だから非可算無限の要素を持つ集合では全ての要素を余さず列挙することなど不可能だ。


さて、では人生に関わる選択肢は可算無限か非可算無限か? これは意見が分かれるところかもしれないが、私は選択し得る全ての可能性を番号付けて列挙することなどできないと思うので、非可算無限だと考えている。

それでは、そんな中で「最適な答が選ばれる」とは一体どういうことだろう? 「それぞれの選択肢から起こる未来の状態を読み取る」といっても、その選択肢は無限にあり、(それが非可算無限とするなら)どれだけ注意深く選んでも全ての選択肢を網羅することができない、という状況下で、一体どのように全体の中から「最適な答」を選ぶことができるのだろう? しかも有限の時間の中で。

そんな途方もない演算能力を持ったシステムなど、私には想像することすらできない。キネシオロジストの中には「キネシオロジーは筋反射によって潜在意識にアクセスしていて、答はそこから導かれる(注3)」という人がいるが、では潜在意識とはそんな神のようなポテンシャルを備えたシステムなのだろうか?

実は、またまたあざとい手を使って、この問いに答えることはできる。

レイキや宝地図の望月俊孝さんは、この世界には「ハッピー」と「ハッピー・シグナル」の2つしか存在しない、と言っている。例えば大金を失ったり大怪我するような目に遭っても、それはこれから「ハッピー」を掴むのための糧になる出来事(=「ハッピー・シグナル」)だ、というのだ。

そういう考えに従えば、キネシオロジーで出た答が何であっても、その先には「ハッピー」と「ハッピー・シグナル」の2つしかないのだから、それは「最適な答」だったと言ってしまえる。もちろん、そうなると「最適な答」というは結局「気持ちの問題」でしかなかった、という身も蓋もない結論になってしまうわけだが。


さて、前の話に戻るが「キネシオロジーでは未来のことがわからない」のか、それとも「わかっているが明かされない」だけなのか? あなたはどちらだと思う?

(注1)この辺りのことを突っ込まれたら、「それはまぁ『大人の事情』というヤツだ」とでも答えるしかないだろうな。
(注2)時々誤解されることがあるが、有理数は非可算無限ではなく可算無限。というのは、有理数は2つの整数による分数の形で表されるから。逆に無理数は非可算無限。だから実数上は有理数より無理数の方が遥かに多い。どのくらい違うかというと、実数直線から有理数だけを取り出してまとめると、その長さは0になる。つまり実数直線の∞となる長さは全て無理数が作り出しているのだ。
(注3)最近、「潜在意識というのは、そもそもちゃんと意思統一されていて、常に答は1つに定まるのか?」という疑問を抱いている。これについては、ある程度まとまった段階で独立した記事として書こうと思っている。

──で、ここからはセミナーのお知らせ。

偶数月の第1日曜の朝9:00~12:00にキネシオロジーの勉強会をやってます。10月から始めて6回(つまり1年)で、まずはキネシオロジーの基礎を固めるということで、10月は概論的な話と筋反射テストによる「弱さ」の検出についてやりました。

12月は7日に、スイッチングの検出とその除去についてやる予定ですが、セミナー全体を通して目指しているのは、「自分で問いを立て、その問いに自分で答を見つけ出せる」ようになることです。
キネシオロジーの歴史は高々50年程度に過ぎません。わかっていることより、わかっていないことの方が圧倒的に多い中にあって、「権威者」の言うことを盲目的に信じるようであってはいけない、と思うからです。

参加費は1回15000円ですが、今回初めて参加される方は前回分のテキストと教材の代金として1000円を加算させて頂きます。

このセミナーへのご参加、お問い合せは、蒼穹堂治療室まで電話(0489227695)かメール(sokyudo*cf.mbn.or.jp)で(メールは*を@に直してお出しください)。

キネシオロジーを基礎から学びたい方/基礎からやり直したい方、まだ間に合います。ご参加をお待ちしています。

下は第1回のセミナーのダイジェスト映像です。

 


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