私は直接の面識はなく、メルマガを購読しているだけだが、セラピストサポートという治療院の経営コンサルのようなことをしている加藤氏が以前、メルマガで行った治療院の施術過誤についてのアンケート結果をネットに公開している。普通、ネットにこうした治療院(接骨院/整骨院、鍼灸マッサージ院、整体院など各種療法)の施術者、治療家自身による生々しい話が出ることは非常に少ないので、ここで紹介したい。
ちなみに、このアンケートには私も回答しているが、その時はちょっと思いつくことがなくて自由記述欄は何も記入していなかった。改めてアンケート結果を見直してみて思い出した、私自身の事例がいくつかあったので、ここで述べると…
・ある患者の施術中、その人のトラウマに触れてしまって体が震えだして止まらなくなり、家族に連絡して迎えに来てもらったことが一度ある。その震えは帰宅後しばらくして収まり、逆にそのことで隠れていたトラウマから本人を解放することになったのだが、震えが生じた時、上手く対処することができなかった。
・日本では3人に1人が癌で死ぬ時代だけに、しばしば患者から「癌でないか?」と聞かれることもあり、私自身も(聞かれなくても)気になる時はできる範囲で癌かどうかをチェックしているが、それでも癌であることが分からなかったことが何度かある。
以上は私が施術したものだが、私が診てもらったものとしては…
・以前、転倒して左肩を傷めた際、柔整師に診てもらったところ「大丈夫。骨折などはしてない」ということだったので病院に行かずに様子を見ていたが、なかなか痛みも引かず、気になって整形外科を受診したら、医者から「骨折してるじゃないか! 何で今まで放置してた?」と言われてめっちゃ怒られた。
また、カイロプラクティックの学校や鍼灸学校に通っていた時、そこの講師の先生たちから結構怖い話を聞かされている。例えば、ひどい肩こりを訴えて頻繁に施術を受けに来ていた患者が突然、膵臓癌で死去し、どうもその人の肩こりは膵臓癌の関連痛だったのではないか、とか、施術で腰痛が改善した患者がよくなったことを見せようと体を動かして突然倒れ、救急車を呼んだら後に脳出血していたことが分かった、とか…。
今回のアンケートは加藤氏がメルマガ読者を対象に呼びかけたもので、もちろん回答も任意ではあるけれど、もっと幅広く無作為に抽出した治療院に同じアンケートを行っても、やはり全体的な傾向はそれほど大きくは変わらないだろうと思う。
「私はこんな難しいものも治してしまいました。どうだ凄いでしょ」的なことを声高に話す治療家は多いが、その裏では結構ヤバいことが起こってたり、綱渡りに近いこともやってることは知っておく必要があるんじゃないか。だから「ウチに限ってそんなことは絶対ありません」なんて豪語する治療家がいたら、そういう人が一番ヤバくて危ない、と言えるだろう。
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