「しばらく実家に戻っています。
今後、あなたとの関係をどうしたいのか、考えてみたいのです。
──礼子より」
本田健さんの半自伝的小説でありビジネス書でもある『ユダヤ人大富豪の教え』シリーズの3は、こんなプロローグから始まる。
ユダヤ人メンターの教えを守ってビジネスで成功を収めたケン(本田健さんの分身である、この物語の主人公)は突然の妻の家出にショックを受けながらも、かねてからの予定通りアメリカ視察の旅に出る。が、そこで思いがけない出会いとともに新たなメンターからの教えを受けることになる。
正直言うと私、『ユダヤ人大富豪の教え』シリーズって読んでなかったンだよね。『ユダヤ人大富豪の教え』はムック本になったとき立ち読みしたくらい(それでもゲラーさんが最後にケンに送った言葉に感銘を受け、「うん、これはいい本だ」とは思った)。それに続く『スイス人大富豪の教え』(後に『ユダヤ人大富豪の教えⅡ』と改題)に至っては、人が「ここがよかった」といって引用した部分をメルマガで読んだだけ(それについては、以前このブログに「だらしない」という記事を書いた)。
『ユダヤ人』シリーズはそれぞれが独立した話だが、その反面、これは一連の大河小説でもあるので、今回の「ふたたびアメリカへ篇」も読むつもりじゃなかった。ところが、その本の出版記念公演があり、そこで無料招待枠というのを設けて応募者から抽選で選ぶ、という通知があり、「まぁ当たらないだろうな」と思いながら応募したら当たってしまった。で、講演会で健さんの話を聴いていたら「こりゃあ絶対買わなきゃ」という気になり、後で本屋に並ぶんだからそこで買えばいいじゃん、と思いながら、それでも会場で買ってしまったという次第(さすがに健さんは話がウマイっすね)。
というわけで、久しぶりに衝動買いしてしまったが、この『ユダヤ人大富豪の教え ふたたびアメリカへ篇』、確かにそれだけの価値がある。本田健さんの大きな売りの一つが、マルチ・チャンネルのように聴く人全ての深いところに響くように話す「立体話法」だが、その立体話法を構成する重要な要素の一つである「人間関係のマトリックス」のほぼ全てがここで開示されているのだから。
この「人間関係のマトリックス」については健さんが既にさまざまな場所で語ってきているが、その全体像をこれほどまとまった形で提示したのは今回が初めてじゃないだろうか(実際、健さんが主宰する「アイウエオフィス」のスタッフでさえ、目から鱗の話がいっぱいだったそうなので)。
「人間関係のマトリックス」とは非常に単純化すると、ポジティヴとネガティヴ、自立と依存を組み合わせた4通りのパーソナリティ・パターンの中で、その人の立ち位置を見ていくものだ。そうした性格分析的なものは例えば星占いや血液型など、いくらでも探してくることができるが、そうしたものと「人間関係のマトリックス」とが大きく異なるのは、それが相手によって、状況によってdynamic(動的)に変化するという点である。だからこれは別名「人間関係のdynamics(力学)」とも呼ばれる。
「人間関係のマトリックス」についての具体的な話は『ユダヤ人』を読んでもらうとして、ここではそれにまつわる「私が気づいたこと」を書いておきたい。
私がマトリックスについての話を健さんから聴いたのは、今年2月の「文書作成術」セミナーの時だった。セミナーから帰ってふと思ったのは、立体話法とは要するにマトリックスのセンター(中心)から話をすることではないか、ということだった。マトリックスの中で自分の立ち位置を変える方法はその時、既に気づいていたので、当然マトリックスのセンターに近い位置に自分をポジショニングすることは十分可能なはずだ。
「なるほど、健さんご自慢の立体話法とはコレだな。よし、俺は立体話法を見切った」と、その時の自分はちょっと悦に入っていた。
だが、後になって健さんのセミナー音声を聴き直してみると──全然違ってた…。健さんは立体話法で話している時、マトリックスのセンターになどいなかった。いや、センターどころか健さんはマトリックスのどのポイントにもいなかった。
──健さんはマトリックスの4つのパーソナリティ・パターンの領域全てにいたのだ…。
人はさまざまな状況に合わせてパーソナリティ・パターンを変化させるが、結局はあるポイントから別のポイントへの移動であり、だから「マトリックスの中のあるポイントにいる」というふうに表現することができる。
それに対して立体話法を使っている時の健さんは、「マトリックス全体に広く『分布』している」としか言いようがない。そう、健さんのパーソナリティ・パターンはマトリックスに「偏在」しているのではなく「遍在」していたのだ。
そしてそれこそが立体話法の本質だと思われるが、どうしてそんなことが可能なのか、今の私にはサッパリわからない。本田健の凄さを改めて思い知らされたのだった──
コメントありがとうございます。
>いったいpodcastで言っているマトリックスがどこにあるのですか?結局は本を買わせるために言っているだけじゃないですか。
確かにそうかもしれません。であれば、それを使わなければいいだけではないですか。それを認めない/使わないからといって、特にあなたの不利益にはならないでしょう。だって、そんなものを使わなくても普通に生活していられるのだから。
ただ、私がここでマトリックスについて書いたのは、「自分にとって確かにこれは使える」と感じたからで、それ以上でもそれ以下でもありません。
そうでなく、本田健がpodcastで「アイウエオフィスでダウンロード出来ます」と毎回のように言いますがダウンロード出来ないのです。
それは詐欺に近いので、この人は問題な人だなあと思いました。
あなたが本田健を信じるのも自由ですし、そういう人や考え方のお陰で助かっている方も多いでしょうからそれで良いと思います。
思い違いしていたようです。すいません。
私はpodcastを聴いていないのでよくわかりませんが、健さんが言っているのは、もしかしてコレのことでしょうか?(ダウンロードできるのは『人間関係のマトリックス診断チェックシート』みたいですが。)
↓
http://www.aiueoffice.com/ydy3.html
なお、マトリックスそのものは『ユダヤ人~ふたたびアメリカへ篇』の巻末に載っています。
別に私達が議論してもしょうがないのですけどね(笑)
ただ、健さんがpodcastで「アイウエオフィスのhpでいつでもダウンロード出来ますから見てください」と何度も言っているのです。それでhpを探してもマトリックスのダウンロードは出てこなかったのです。結局、「この本を買わなければ見れない」であればダウンロードして見る必要もない訳で。podcastを聞いているくらいですから、影響も受けていますし自分が何処に居るのか考えながら会話していることも多々あります^^;
でも、だからこそ「買った人はダウンロード出来る」と言って欲しかった。だってそういうことを嫌いな人だと信じていたので。
少しがっかりしたと言う事です。言葉がちょっと強すぎたことは素直にお詫びさせて頂きます。申し訳ありません。
>でも、だからこそ「買った人はダウンロード出来る」と言って欲しかった。だってそういうことを嫌いな人だと信じていたので。
私も、本田健さんは、そういうところは周到な人だと思っていましたが。
健さんもセミナーをやれば満席、本を書けばベストセラー連発と、「向かうところ敵なし」状態ですが、もしかしたら成功続きで脇が甘くなっているのかもしれません。
「蟻の中から堤は崩れる」とも言います。これが「つまずきの石」にならなければいいのですが。