深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

カバラと「生命の木」 30

2022-07-14 11:21:52 | 心身宇宙論

「カバラと『生命の木』」の第30回。今は第9セフィラ、イエソドについて見ている。

イエソドはオカルティズムの実践において極めて重要な天球である。なぜならマルクトから意識を上昇させる時に到達する最初の天球がイエソドだからだ。イエソドはイメージの宝庫、地の天球(=マルクト)を反映するエーテルであり、ミクロコスモスでは心理学者の言う「無意識」に相当する、人間の幼年時代からの抑圧された古代の忘れられた事物で満たされている。ゆえに「幻想の天球」とも呼ばれる。

しかしイエソドに到達して「宝庫」の中のイメージを感知することはできても、そのイメージを支配することはできない。というのも、イメージの宝庫の扉を開けて、そこにあるものを支配するための鍵は、「魔法の天球」ホドにあるからだ。カバラの密儀の中で「どの階級も次の階級に進むまで機能しない」と言われる所以はそこにある。

イエソドはまた月の天球とも呼ばれる。その意味を理解するには、オカルティズムにおいて月がどのように見なされているかについて知る必要がある。オカルティズムにおいては、進化の発展段階でエーテル的段階と濃密な物質的段階の境界(カスプ)に差し掛かった時、月は地球から分離したと考える。アストロロジーに精通している人なら、カスプは両者の影響力が混じり合った2つの宮(サイン)の間の位相であることを知っているだろう。その際、月はその構成要素の中に物質的なものを得、その時から空に輝く月として見えるようになったのである。しかし、それでもその構成要素の重要な部分はエーテルである。なぜなら月がその最盛期にあったのは、生命がエーテル的形態を発展させた進化の段階であったからであり、それをオカルティズムでは進化の「月の段階」と呼んでいる。

オカルティズムの理論に従えば、月と地球は物質体としては分離したものの1つのエーテル体ダブルを共有し、月の方が年長の相棒ということになる。ゆえにエーテル界では月が陽極、地球が陰極となる。第29回で述べたように、イエソドは低次のケテルであるティファレト、つまり太陽を反射して輝く。そして受け取られ、反射される太陽光は28日周期で増減する。つまり、イエソド=月は常に変動の状態にある。同じようにマルクト=地球にも365日の周期があり、その周期の位相は分点と至点によって定められる。オカルティズムの理論において不可欠のものは、両者の互いに影響し合う趨勢である(実際、それらは動植物の生理作用に非常に重要な役割を演じている)。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2022年春アニメの感想と評価 2 | トップ | アニメ『呪術廻戦』第16話 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

心身宇宙論」カテゴリの最新記事