セミナーでやっている「カバラと『生命の木』」の内容のダイジェスト。
第8回までは「生命の木」の全体構造を見てきたが、第9回となる今回は、次回から「生命の木」を構成するセフィロトについて詳しく見ているのに当たって、そのイントロ。
カバラとは知識の体系であると同時に心の体系である。そしてカバラの論理は夢の連想の論理と同じものだから、カバラが訴えかけるのは意識的な心ではなく潜在意識的な心である。「生命の木」によって呼び起こされる視覚像は人工的に作り出された「醒めた夢」であり、意識的に動かしたりある主題と結びつけることができる。
自然な眠りの中で見る夢は脈絡なく浮かび上がってくるが、カバラ的視覚像は一連の限定された象徴から呼び起こされる。
「木」を研究するに当たっては、各セフィラを哲学的、心霊的、魔術的という3つの側面から考察しなければならない。
まず哲学的側面としては、各セフィラを宇宙時間における宇宙の発展段階に現れた要素を表すものとして捉える。そのための源泉が各セフィラにつけられた様々な称号にある。例えばケテルには「隠れたるものの中の隠れたるもの」や「原初の点」といった称号が与えられているが、その意味を理解することは非常に大きな気づきを得ることになる。
「木」の心霊的側面を操作するのに、オカルティストは様々なイメージを使う。視覚像が形成されるのは、イメージとそのイメージを形成する名を通してである。各セフィラが原初的な象徴と結びついた「魔法のイメージ」は幾何学的な形と結び合わされる。それは各セフィラの性格を体現しているので、象徴を構成する際はその幾何学的な形を基礎として使う。例えばゲブラーには五角形(ペンタゴン)が割り当てられているので、ゲブラーを表す象徴は護符であれ火星に捧げる祭壇であれ何らかの心像であれ、五角形の形を使わなければならない。
しかし「木」にとって最も重要な形は、各セフィラに割り当てられた4つの「力の名」と結びついた形である。
その第1の名は「神名」で、これはアツィルト界に現れる。それはそのセフィラを表す最高の力の名で、宇宙的、進化的、主観的を問わずあらゆる局面を支配する。
その第2の名はその天球の大天使の名で、存在の統合的意識を表す。
第3の名はある存在の階級全体を表し、それをラビは「天使の合唱隊」と呼ぶ。
第4の名は「宇宙チャクラ」と呼ばれるもので、天体を進化の特殊な産物として考察されたものである。
セフィロトを考察する第3の側面である魔術的側面とは、魔術師がその課業を果たした先に行使しうる諸力のことである。
第10回以降は、こうした側面から「生命の木」のセフィロトを考察していくことになる。
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