突然思いついて、2週間ほど前からルドルフ・シュタイナーの『オカルト生理学』を読み返している。
シュタイナーの著書はこれまで、この本の他に『神智学』、『治療教育講義』、『人智学・心智学・霊智学』を一応通読してはいるが、正直なところ読んでいて面白いと思ったのは『人智学~』くらいで、『オカルト生理学』もあまりピンと来るものはなかったのだが、なぜか本は処分することなく手元に置いていたのだ。
では、ここからはEraの『Ameno』とともに。
『オカルト生理学』は、シュタイナーが1911年に行った8回連続の講義の講義録で、シュタイナーの著作の中では読みやすい部類に属するが、その内容はいわゆる現代の西洋医学的な生理学とはかけ離れたものだ。
シュタイナーの生理学は東洋医学(中医学)の影響を強く受けている、と言う人もいるが、私自身は全くそうは感じられない。もちろん中医学的な考え方と一部共通した部分もあるが、もともと同じ人体について考察しているのだから、共通部分が全くないとしたら、そのことの方がむしろ不自然だろう。だから、ここで述べられていることは、中医学とは全く異なる、人智学的(霊学的)に導き出された、まさにオカルト生理学なのである。
私自身、あまりにもぶっ飛んだ記述に、初めてこの本を読んだ時はエッ?と戸惑ったほど。もう何度目かの再読になるので、さすがにそこまで驚くことはないが、それでもまだ、にわかには受け入れがたいことがいろいろ出てくることは今も変わらない。
さて、『オカルト生理学』の中でシュタイナーは臓器を天体と対応づけている。ミクロコスモスをマクロコスモスと対応づけるという意味では、例えば西洋占星術でも人体の各部分を黄道十二宮に対応づけることが行われているので、それ自体は特別不可解なことではないが、実際の臨床を考えた時、そうした対応関係が具体的にどういう意味を持ち、どんなふうに使えるのか、全くイメージすることができなかった。
だが今回、天体と関連づけられた臓器を、その対応関係を通じて「生命の木」にプロットできないか、ということを思いつき、それを実際にセフィロトに対してやってみた。『オカルト生理学』に記述された対応関係に従うと、それは以下のようになる。
脾臓 - 土星 - ビナー
肝臓 - 木星 - ケセド(ゲドゥラー)
胆汁(注) - 火星 - ゲブラー
心臓 - 太陽 - ティファレト
腎臓 - 金星 - ネツァク
肺臓 - 水星 - ホド
(注)訳注によると「胆嚢、胆道、もしくは膵臓まで含めた臓器を、シュタイナーは胆汁という言葉で表現しているらしい」とのこと。
これだけでは、各セフィロトが属性として持つ天体を介して、臓器をセフィロトに対応させただけのものでしかない。だが、重要なのはここからだ。
中医学に五行色体表があるように、カバラには万物照応表がある。上記のセフィロトと臓器の対応関係から、セフィロトの持つ属性がそのまま臓器に適応できるのだ。例えばビナーの持つ以下の属性は、対応する脾臓の治療ツールとして用いることができる。
神名…………………イェホヴァー・エロヒム
大天使………………サッフキェル
象徴…………………ヨニ、クティス、ヴェシカ・ピスキス、杯または聖杯
タロット・カード………各組の3
色彩…………………アツィルト界:深紅、ブリアー界:黒、イェツラー界:焦げ茶、アッシャー界:桃地に灰色の斑
ついでに『オカルト生理学』には記述されていないものについて、私が補ってみた(ただし、正しいかどうかは保証の限りではない)。
ケテル - 対応する天体は不明 - 脳幹
コクマー - 黄道十二宮 - 仙骨
イェソド - 月 - 小腸
マルクト - 地球、四大元素の天球 - 全身
ただ、このような対応関係だと脳幹、仙骨、脾臓が「至高の三角」を形成することになるが、本当にそれでいいのかどうか、いささか疑問が残る。
まあ、今回は『オカルト生理学』の1つの活用法を見つけたことで、よしとしよう。
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