深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

2022年秋アニメの感想と評価 1

2022-11-15 14:21:13 | 趣味人的レビュー

2022年秋アニメは現在、絶賛放送中で、私は1本の再放送を含む20本のアニメを見る予定だが、そのうち『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』の放送が終わったのと、1期前半が終了した『機動戦士ガンダム 水星の魔女』を含む4本を切ったので、他の作品に先んじて、それらについての感想と評価(ただし評価は最後まで見た『羅小黒戦記』のみ)をアップすることにした(ネタバレはなし)。

ちなみにアニメの何をどう評価するかは各人さまざまだと思うが、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。

まずは完結した作品から。

『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』(全5話)

中国アニメで、劇場版として制作・公開されて日本でも高い評価を得た作品を、連続TVアニメに再編集したもの(なお私は劇場版は見ていない)。
で、見ていてまず思ったのは、『羅小黒戦記』は元々1本の劇場アニメとして制作されたのだから、それをそのまま放送すればいいのに、なぜバラして連続TVアニメにする必要があったのか?ということだ。
1本の劇場アニメを連続TVアニメに再編集したものとしては、最近では『鬼滅の刃 無限列車編』があるが、「無限列車編」は元々週刊連載していたマンガの一部をまとめて1本の劇場版として制作したものだし、ufotable自体が力量のある制作会社だったこともあって、全く違和感はなかった。それに対して連続TVアニメ版『羅小黒戦記』は、各話とも切り方がどうにも不自然で、そのせいもあって全体的にバランスが悪い印象になってしまった。例えば、第2話までは世界観や設定が全く明かされないまま、視聴者はよく分からない話にただただつき合わされることになる。劇場版なら、そのまま見ていれば勝手に話が進んで、徐々に世界観や設定が見えてくるが、連続TVアニメの場合、視聴者は続けて見るかどうか毎回選択するわけだから、その分からなさを埋める何か(例えばTV版オリジナルシーンでもいい)がなければ見てはもらえない。けれども、『羅小黒戦記』にはそうしたものがなかった(から、私は2話で切るかどうか悩んだ)。
1本の作品としては、物語展開やテーマ性、演出、キャラクタ・デザイン、背景美術などに、ジブリ・アニメを始めとする日本のアニメ作品を相当研究した──「影響を受けた」ではなく──様子が覗える。特にジブリ作品が好きな人は、『羅小黒戦記』も好きになるのではないだろうか。
ただ、中国アニメにしばしば見られる、ストーリーの細かい部分のいい加減さ(あるいは大雑把なところ)がこの作品にも見受けられる。それは劇場で通して見るとあまり気にならないかも知れないが、連続TVアニメとして見るとどうしても目についてしまう。そういう意味でも、やはりこれは1本の劇場版として見るのが正しいだろうと思う。
なので、もしこれを劇場版で見ていれば評価もB~B+くらいつけられたかもしれないが、上記のような理由でTVアニメ版『羅小黒戦記』はC+。


次は途中切りした作品で、並びは50音順。なお、途中切りなので評価はなし。

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』6話(プロローグを含めると7話)切り

『機動戦士ガンダム』でこれまで私が見たのは「OO(ダブルオー)」、「鉄血のオルフェンズ」、「THE ORIGIN」の3作のみで、この「水星の魔女」で4作目になる。私はモロに「ファースト・ガンダム世代」の筈なのだが、なぜか『ガンダム』は全く見ておらず、だから今でも「『ガンダム』だから見る」ということはなく、「面白そうなら『ガンダム』でも見る」といったスタンスでいる。
さて、「水星の魔女」は「鉄血のオルフェンズ」の制作スタッフが数多く携わっている、ということで見始めたが、どうもいけない。どこかのアニメ雑誌の記事だったと思うが、「今の視聴者は登場人物が死んだり傷ついたりするような話を好まない」ということで、「『水星の魔女』は、そうした声を考慮して、より幅広い層に『ガンダム』を知ってもらえる作品にした」そうだ。それで出来たのが、上流階級の子弟が通う高等専門学園で生徒たちが何かを賭けてモビルスーツ同士で“決闘ごっこ”を行う話、だというのだから恐れ入る。火星で”ヒューマン・デブリ(=人間ゴミ)”と呼ばれて使い捨てられてきた少年少女たちの下克上とその結末を描いた「鉄血のオルフェンズ」の、あのヒリヒリする感じは微塵もない(「鉄血のオルフェンズ」については過去に「鉄血の孤児たち」という記事をアップしている)。とはいえ、実は「鉄血のオルフェンズ」も1期の前半はあまり面白くなくて、ながら見していたこともあり、「水星の魔女」もストーリーのショボさに心が萎えかけたものの、最低でも1期の前半までは頑張って見ようと決めていた。
私がこれまで見た『ガンダム』の3作はいずれも政治と軍事を基軸とした重厚な人間ドラマだった。だが、少なくとも第6話までの『水星の魔女』には、そういう部分が(匂わせ程度には入っているものの)ほとんど感じられない。その反面、社会の意識の変化には敏感なようで、「水星の魔女」は「初めて女性がガンダム・パイロットになる」というのが売りで、学園の制服もパイロット・スーツも体の線が出ないデザインになっているという。また主人公の少女、スレッタ・マーキュリーが結婚相手を賭けての“決闘ごっこ”で勝ちを重ねていることから、一部の視聴者の間では「スレッタの結婚相手は男か女か?」という話題が盛り上がっているようだ(私には心底どうでもいいことだが)。
ストーリーでは、何人かのアニメYouTuberが第6話に「衝撃展開」、「大傑作の予感」などと高評価をつけているようだ。けれども、第6話で出てきた程度のことはアニメではよくあることだし、何なら視聴者への“掴み”で第1話のラストにこういうのをぶっ込んでくるアニメも珍しくない中で、一体何が「衝撃展開」なのか、正直、私には全く分からない。いや多分、こういうのを「衝撃展開」と言えるようでないと「水星の魔女」は見られないのだろう。だから『機動戦士ガンダム 水星の魔女』を1期前半でリタイアすることにした。
実はOPで流れるYOASOBIの歌う『祝福』が好きで、切るのはちょっと残念だが、昔なら「物語はつまらないけど、OPやEDが好きだから見続ける」ということがあったのが、今ではYouTubeで好きな時に好きなだけ見られるので、そこはうれしい。

『クールドジ男子』1話切り

どんなイケメン男子にもドジっ子のところがある、という内容の15分アニメ。
ただ私には、イケメンであっても男子を愛でる趣味はないので、1話で切ることにした次第。

『万聖街』1話切り

『羅小黒戦記』の後番組として始まった、『羅小黒戦記』と同じ制作会社による中国アニメ。天使や悪魔、吸血鬼やフランケンシュタインたちが人間たちと一緒に暮らす万聖街を舞台にした、30分で6話のショートアニメ。
こういう異形の者たちが交わって暮らす世界という設定のアニメは『セントールの悩み』や3期まで放送された『邪神ちゃんドロップキック』などがあり、私はどちらもお気に入りだが、『万聖街』はこれら2作と比べると薄味で、“箸休め”のようなアニメだと感じた。
見るアニメの少ない期ならば、続けて見ようかと思ったかもしれないが、今期はいろいろ見る先品が多く、そちらに時間を割きたいので、残念ながら1話切りと相成った。

『恋愛フロップス』2話切り

ある日、主人公の男子高校生、柏樹朝(あさひ)が朝の情報番組の「今日の星占い」の通り、立て続けに女(?)たちとのトラブルに巻き込まれるが、彼女(?)たちは実は…というオリジナル・アニメ。
私はゲームをやらないので分からないが、このアニメ、もしかしたら元ネタは恋愛シミュレーション・ゲームか? 主人公の男子がいきなりハーレム状態に…!、しかも彼、普段はダメダメなのに、ここぞという時はビシッと男気を見せる、という展開は『彼女お借りします』を彷彿とさせるが、『かのかり』にはまだストーリーらしきものがあったのに対して、『恋愛フロップス』は(第2話までは)ただただ展開が唐突で、単なる薄っぺらい「アニメ版恋愛シミュレーション・ゲーム」のようにしか見えず、興味を失って脱落。


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