ゴルトベルク変奏曲:
ヨハン・セバスティアン・バッハによるクラヴィーア曲。最初に主題となるアリアを提示し、そこから30の変奏曲を展開、最後に再び冒頭のアリアで終わる円環状の構造を持つ。不眠症の伯爵カイザーリンクのためにヨハン・ゴットリープ・ゴルドベルクが演奏する曲として、バッハが作曲したと伝えられることから、この名が付けられている。
2/27土曜日、すみだトリニティホールにて清水靖晃&セキソフォネッツによる、サキソフォンとベースのために編曲された『ゴルトベルク変奏曲』の世界初演。清水靖晃は1996年に同じJ・S・バッハの『無伴奏チェロ組曲』をテナーサックスで演奏したアルバム『CELLO SUITES』を発表している。
清水靖晃&セキソフォネッツによる『無伴奏チェロ組曲』第1番第1楽章プレリュード
ミッシャ・マイスキーのチェロによる『無伴奏チェロ組曲』第1番第1楽章プレリュード
今度のプロジェクトに当たって、清水はグレン・グールドの演奏する『ゴルトベルク変奏曲』を聴き込んだという。そして彼の導き出した答は、サキソフォンとベースによる30+2曲からなる輝くような『ゴルトベルク』だった。
通常『ゴルトベルク』は、最初と最後のアリア、そして各変奏曲の間は、ごく短いインターバルが置かれるだけで、一連の曲として演奏される。しかし今回の『ゴルトベルク』は1曲1曲がきちんと区切られる。それぞれの曲は短いので、「あぁ、もっと聴きたい」という思いがほのかに残る中で終わりを迎え、そこで拍手が起こる。照明も曲ごとに変化する。そうか…『ゴルトベルク』とは、こうして聴くものなのかもしれない。
今回のコンサートはまず清水靖晃だけが登場し、清水のソロによる最初のアリアによって始まった。そのアリアが終わるとともに4人のサキソフォネッツと4人のベーシスツが登場し、第1変奏からは9人による演奏に変わる。そしてそのまま最後のアリアも9人で演奏される(だから最初のアリアと最後のアリアは同一ではない)。第1から第30までの各変奏は、1つひとつがまるで新しい箱が目の前で開かれていくような、ワクワク感と驚きに満ちていた。
チェンバロやビアノによる演奏とはひと味もふた味も違う、サキソフォンとベースによる変格の『ゴルトベルク変奏曲』──実にいい。
ヨハン・セバスティアン・バッハによるクラヴィーア曲。最初に主題となるアリアを提示し、そこから30の変奏曲を展開、最後に再び冒頭のアリアで終わる円環状の構造を持つ。不眠症の伯爵カイザーリンクのためにヨハン・ゴットリープ・ゴルドベルクが演奏する曲として、バッハが作曲したと伝えられることから、この名が付けられている。
2/27土曜日、すみだトリニティホールにて清水靖晃&セキソフォネッツによる、サキソフォンとベースのために編曲された『ゴルトベルク変奏曲』の世界初演。清水靖晃は1996年に同じJ・S・バッハの『無伴奏チェロ組曲』をテナーサックスで演奏したアルバム『CELLO SUITES』を発表している。
清水靖晃&セキソフォネッツによる『無伴奏チェロ組曲』第1番第1楽章プレリュード
ミッシャ・マイスキーのチェロによる『無伴奏チェロ組曲』第1番第1楽章プレリュード
今度のプロジェクトに当たって、清水はグレン・グールドの演奏する『ゴルトベルク変奏曲』を聴き込んだという。そして彼の導き出した答は、サキソフォンとベースによる30+2曲からなる輝くような『ゴルトベルク』だった。
通常『ゴルトベルク』は、最初と最後のアリア、そして各変奏曲の間は、ごく短いインターバルが置かれるだけで、一連の曲として演奏される。しかし今回の『ゴルトベルク』は1曲1曲がきちんと区切られる。それぞれの曲は短いので、「あぁ、もっと聴きたい」という思いがほのかに残る中で終わりを迎え、そこで拍手が起こる。照明も曲ごとに変化する。そうか…『ゴルトベルク』とは、こうして聴くものなのかもしれない。
今回のコンサートはまず清水靖晃だけが登場し、清水のソロによる最初のアリアによって始まった。そのアリアが終わるとともに4人のサキソフォネッツと4人のベーシスツが登場し、第1変奏からは9人による演奏に変わる。そしてそのまま最後のアリアも9人で演奏される(だから最初のアリアと最後のアリアは同一ではない)。第1から第30までの各変奏は、1つひとつがまるで新しい箱が目の前で開かれていくような、ワクワク感と驚きに満ちていた。
チェンバロやビアノによる演奏とはひと味もふた味も違う、サキソフォンとベースによる変格の『ゴルトベルク変奏曲』──実にいい。
みんな素敵な演奏なんですが、やはりグールドの影響をかなり受けてますね。
この演奏はどうなんでしょう?
天才グールドと違った解釈で同程度のクオリティーの演奏を聞いてみたいものです。
コンサートでもらったパンフレットの中にあった清水靖晃へのインタビューによると、
「今回の編曲のために、いろんな人の《ゴルトベルク》を聴いてみたけれど、昔からマジで聴くのはグールドだけですね。彼の血の沸きどころというか、アプローチの仕方、彼の態度にすごく共鳴するんですよ。パンクというか、ニューウェイヴっぽくてさ(笑)。」
とのこと。
彼の場合、『無伴奏チェロ』から『ゴルトベルク』と来ているので、今回どれだけ、どのような形でグールドの影響が出ているのかはわかりませんが、彼の新たな試みとして評価できると思います。
ちなみに私、実はバッハのピアノによる演奏としては、グールドよりヴァレリー・アファナシェフの方が好きなのです。アファナシェフは『ゴルトベルク』は出していませんが、『平均律クラヴィーア』の2枚のアルバムで見せた演奏は、まさに「神」です。
ウチではBS視られませんが、BSの視られる方はゼヒ視てみてください。
■NHK BShi『ハイビジョン・クラシック倶楽部』
■放送日時:4月5日(月)06:00~06:55
■NHK BS2『クラシック倶楽部』
■放送日時:6月8日(火)10:00~10:55