「今回、産総研では超高精度のレーザー干渉計と表面分析システムを用いて、直径約94 mmのシリコン単結晶球体の形状を1 nm未満の精度で測定することで、プランク定数を世界最高レベルの精度で測定した。さらに、科学技術データ委員会(CODATA)は、産総研や複数の海外の研究機関のプランク定数の高精度測定結果に基づき、キログラムの新しい定義に用いられるプランク定数の値を決定した。わが国が国際単位系(SI)の基本単位の定義の決定に直接関与するのは初めてであり、約130年ぶりとなるキログラムの定義改定に貢献する歴史的な成果と言える。」(中略)
「質量の単位「キログラム」と長さの単位「メートル」はSIを構成する重要な基本単位であり、1889年の第1回国際度量衡総会(CGPM)で、それぞれ、白金イリジウム製の「国際キログラム原器」の質量、「国際メートル原器」の長さとして定義された。それ以来、信頼性の高い計測を実現するために、最先端の科学技術を取り入れながら単位の定義は進化し続けている。1983年には、レーザー技術の進展を受けて、メートルの定義が普遍的な基礎物理定数である真空中の光速度に基づき改定された。これによって、国際メートル原器よりも約1000倍高い精度で長さの基準を設定することが可能となった。一方、キログラムの定義は、約130年経過した現在でも変わっていない。国際キログラム原器は国際度量衡局(BIPM)で厳重に保管されているが、表面汚染などのため、その質量の約100年にわたる安定性は50 µg 程度と推定されている。これは1 kg に対して1億分の5(5×10-8)のわずかな変動幅であるが、最新の質量計測技術では無視できない変動である。 そこで、約200ある普遍的な基礎物理定数のいずれかを5×10-8を凌ぐ精度で測定し、その値を基準としてキログラムを定義する試みに、世界各国の国際計量標準機関(NMI)が取り組んできた。その結果、2011年の第24回CGPMで、将来、国際キログラム原器を廃止し、以下のようにキログラムの定義を改定する方針が決議された。
「キログラムの大きさは、プランク定数の値を正確に6.626 07XX × 10-34 J sと定めることによって設定される。」
プランク定数は量子論における最も重要な基礎物理定数の一つであり、電子の質量と関連づけられる。このため、現行の1 kgをプランク定数によって表現することができる。また、XXは定義改定の時点での信頼できる測定値から決定される。
2014年の第25回CGPMでは、キログラムの定義改定を2018年の第26回CGPMで審議できるよう、各国のNMIが準備を進めることが決議された。これを受けて、新たなキログラムの基準となるプランク定数の値を決定するための測定結果を、2017年7月1日までに公表することが求められていた。」産総研HP 10/24付け記事「質量の単位「キログラム」の新たな基準となるプランク定数の決定に貢献」より
「真空中の光の速度に基づく1m」に置き換わった「メートル原器」に次いで「キログラム原器」も「1kgをプランク定数で表現する」事に置き換わると言う記事です。光速度ならかろうじて長さのイメージが湧くのですが、量子論のセンスが無い身には「プランク定数」と言われても全く重さのイメージが湧きません。物理的な「原器」ではなく、素人向けではないけれど普遍性があり精度が格段に高い物理定数の方が扱いやすいのかなあ・・・ 身の回りのスチール巻き尺やバネばかりには縁の遠い話です。
10月24日(火)曇り
発電量 8.3kWh (AiSEGデータ)
売電量 4.1kWh
自給率 68.6%
設備利用率 8.2%
日照時間 0 .7h
日照時間当たり発電 -.--kW
連系以来 2994日(8年72日 )