最終退行 池井戸潤さんの金融ミステリーです。
最終退行とは銀行でその日で1番最後に退勤する人ってことらしいです。
都市銀行である東京第一銀行は、都市銀行の中では負け組となり、多額の不良債権により苦しい台所事情。そんな状況では、貸し渋りや貸し剥がしがあり、そんな中で下町の支店の副支店長蓮沼が主人公。上司がお金のやり取りで顧客を騙してさらにその経営者が自殺をしてしまいます。責任を取らされそうになり、上司にいいように使われそうになった蓮沼は銀行に見切りをつけて自暴自棄な行動を起こします。一方その支店に勤めていたぐうたら社員塔山は、その前の時点で見切りをつけてリストラを受けます。塔山も蓮沼も思っている事は元頭取久遠への復讐心。どのように復讐するのか?そして復讐は成功するのか?
池井戸潤さんのお得意の金融絡みの話もありながらも、さほど難しくもなく、素人の僕でもサクサク読めました。
大きな企業を相手に1人や2人で立ち向かうのは難しいけど、半沢もそうだけど、小説だと結構うまく行くんですよね😂
知り合いは池井戸潤さんの話は悪い人が出てくるからイヤだ!って言ってました。確かに映像化されるとそこは誇張されイヤな人にはイヤなんだろうなって思います。結局は勧善懲悪にはなるんですけどね。でも、その気持ちは分からなくはないです。
おすすめ度★★★★
前回の村上春樹に続いて高得点。
読みやすいし、主人公蓮沼への感情移入も出来たので本当にさくっとって感じでした。