仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

NHK大河ドラマ「江~姫たちの戰國」第4話 「本能寺へ」

2011-01-30 21:12:24 | ドラマ、映画
これまでに信長が登場するドラマや映畫をいくつも觀て來た。
しかし、馬揃へのシーンを觀たことがあつただらうか。
どうも思ひ出せない。

今囘は、その馬揃へのシーンがあつた。
きらびやかに演出されながらも、威風堂々たるものであつたとされてゐる。
しかし、ドラマや映畫でそれだけの行列をつくるのは金もかかるし、人や馬も集めなくてはならぬ。
だからこそ、馬揃へには手を着けないでスルーするのがドラマ制作の常識だつたのかもしれない。
今囘の馬揃へ、きらびやかな雰圍氣は出てゐたが、威風堂々たるといふ印象には程遠かつた。
あれでは、公家たちの度膽を拔くことは出來まいし、ましてや從はぬ諸侯たちへの婉曲な恫喝にもならないだらう。

お市と三姉妹が香をきく。
そのシーンを踏へて、於江が信長愛用の香を自分の求めてゐた香だといふシーンへ繋がる。
於江のその言葉を聞いて信長がその香の名前を云ふ。
「この香は東大寺といふ」

て、もしかして蘭奢待かよ。
そんなもん、7歳の女の子にやつていいのか?
本來なら、帝しか使ふ能はざる香の筈。
まあ、そんなことに拘泥しないのが信長といふ男なのだらうが・・・

光秀が老け過ぎだといふ聲がある。
確かにさう思ふ。
でも彼は既に數へで55歳。
「人間50年」と云はれてゐた當時の55歳である。
おそらく見た目も、あの程度には老けてゐたのではあるまいか。
しかも、信長のやうな、あんな主君に仕へてゐたのだ、人竝以上に老けてしまつてゐても不思議はない。
光秀がなぜ謀反を起したのか本當のところは誰にもわからない。
ただいくつかの説があるうち、今囘は「家康の前で打擲された」ことと「中國攻めで秀吉の麾下に組入れられること」が描かれてゐた。
その眞僞のほどはともかく、プライドの高いであらう光秀としてはさぞや辛いことだつただらうと思ふ。
顫へる拳をもう一方の手で押さへつける演出は秀逸だつた。

次囘はいよいよ本能寺の變。
トヨエツ演ずるところの信長が、いかにして最期を迎へるのか。
樂しみだ。




<あらすぢ> ( 公式サイト より)

天正9年(1581)春。
江(上野樹里)たちは、信長(豊川悦司)が開く馬揃えに招待され、訪れた京で明智光秀(市村正親)や娘のたま(ミムラ)と出会う。
その後、江はひとり本能寺で信長と対面するが、「自らが神である」という信長のごう慢さが許せず、怒って寺を後にする。
やがて信長率いる織田軍は、天下統一への最終局面を迎えるが、光秀はひとり焦慮を募らせていた。







コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【アジア杯】 日本、豪州を破... | トップ | 20110129 「高知名物 鯖の姿... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
馬揃えは… (haru)
2011-02-01 12:42:17
こんにちは。トラックバックありがとうございます。
恐らく馬揃えを再現したのは大河では初めてです。功名が辻で城から馬揃えに向かうシーンはありました。そういう意味では、あえて馬揃えにチャレンジしたのは評価したいです。しかし、おっしゃるように人数が少ないせいか、迫力が無かったですね。光秀が老けすぎという印象は私も持っていました。恐らく、今まで比較的若い役者さん(最近だと鶴見慎吾、坂東三津五郎、萩原健一)が演じていたのと、豊川悦司が若く見えるからかなと思います。おっしゃるように、日夜命懸けで働いていたのですから、実際は市村さんのような感じだったと思います。来週の本能寺の変楽しみです。

http://blog.livedoor.jp/haru1106/
返信する
haruさん (仙丈)
2011-02-01 14:36:10
威風堂々たる馬揃へを再現するには金がかかるますからねえ。
信長の行なつた規模で再現したら、いつたい幾らかかるのか知りたい氣もします。
戰國時代の55歳、もしかすると、本當はもつと老けてゐたかもしれませんね。
光秀の場合、かなりのストレスもあつたでせうし・・・

返信する

コメントを投稿