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仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

20120830_「京都ネーゼ」

2012-09-02 19:57:13 | 仙丈放浪記
 
 
 
「Vierge」 を出て 「京都ネーゼ」 へと急ぐ。
歩いて2~3分かかるかと思っていたのだが、思っていた以上に近くて、エレベータの時間をいれても1分程度だった。

店に入るやいなや目に入ってきたのは、いつもの森シェフの笑顔。
ランニングの時の腕の身振りをしつつ、「仙丈さん、駆け込んできましたね」
この店はいつもリラックスさせてくれるから好きだ。
今回でこの店を訪れるのは、たぶん9回目。
いつもいつも、この店は暖かい。

左に目をやると、スクリーン前のカウンターでマダムが接客中。
去年の入院後、経過は順調なのだろう、お元気そうでなによりだった。

セカンドの木原さんは結婚したとのこと。
おめでとう!
少し痩せたんじゃない?

去年の12月に来た時には奥で働いていた若い衆が、今回は目の前で働いている。
話しかけたら名刺をくれた。
奥野くんという。
なかなかのイケメン。
新人も入っていた。
山川くんといって、まだ19歳。
この子もなかなかのイケメン。
木原さんも含め、ついでに森シェフも含めて、イケメン4人衆と呼んであげよう。

ちなみに今回、はじめて木原さんから名刺を貰った。
「ええ~? 仙丈さん、絶対に前に名刺差し上げましたよ!」
「いや、貰ってないってば!」

いただいた料理は、海老(あかざえび?)のフリット(トップの写真)と、肉のソテー。
はて、何の肉だったかしらん?
とにかく、とってもジューシーで、柔らかくて味わい深い肉だった。



ワインは駆け付け1杯のスプマンテと、赤白それぞれハーフポーションで。
木原さんが、とてもコクのある白をテイスティングさせてくれた。
これでチェックの時に金額を見たら、¥3,900!
あり得ない!
木原さん曰く、「だって、仙丈さん、きょうは2杯しか飲んでないじゃないですか」


隣の席の女性2人組とキッチン内のみんなとで、私のおできの話で盛り上がった。
病名がどうしても思い出せず、アマローネに似た名前だというと、木原さんがネットで調べてくれた。
「仙丈さん、そんなの載ってませんよ」と木原さん。
「どうやって調べたの?」
「いや、できもの アマローネ」で調べたんですけど」
「それ、できもの、がダメなんじゃない?せめて、おできにしてみたら?」
隣の女性2人も、アマローネに反応して会話に参戦。
「アマローネって、赤ワインですよね」
さすがはイタリアン。
ふつう、アマローネといってもわからないだろう。

楽しく盛り上がっていたのだが、スクリーン前のカウンターにいたカップルの女性が、こちらを見て顔をしかめたのが見えた。
私は、拝む格好をして謝った。
笑い声が大きくなりすぎたようだ。

そのカップルが帰る時、くだんの女性が私の後ろから森シェフに話しかけた。
「ごちそうは美味しかったです」
「どうもありがとうございます」と森シェフ。
「でも、こちら常連さんかなにか知りませんけど、こんなにうるさい店なら二度と来ません!」

私は立ちあがって女性に向かって謝った。
でも、その女性は私に背中を向けて帰って行った。
相手の男性にも謝ったのだが、彼も同様。
私は森シェフに申し訳なくて、へこんでしまった。
もし、これで食べログなどで京都ネーゼの評判が落ちてしまったら、あまりに申し訳ない・・・

落ち込んだ私を見て、森シェフが云った。
「この店では、みんなが賑やかに楽しんでくれればいいんです。静かに食事がしたければリストランテに行ってもらえばいいんですよ」
この言葉に救われた思いがしたが、それでも落ち込んでしまった私だった。
しばらくして、一足先にひけるマダムが私の横にやってきて、私の目を見つめながら云ってくれた。
「仙丈さん、ほんとに気にしないでくださいね」
両手の拳を握り胸の前で上下する身振りをしながら。
これ、手話では「頑張って!」だったかな。
シェフやマダムの優しい言葉で、やっと立ち直ることが出来た。
旅先で落ち込むと自分でコントロールできないことがあるので、シェフとマダムの心遣いは本当にありがたかった。

楽しいひと時と落ち込んだひと時と。
今回の京都ネーゼは、少しばかり複雑だった。




<これまでの「京都ネーゼ」の記事>

2008年12月12日

2009年11月9日

2010年2月22日

2010年3月9日

2010年5月31日

2010年6月1日

2010年6月2日

2011年12月17日



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