仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

【訃報】 細川俊之さん逝去

2011-01-14 21:30:57 | 日々雜感
俳優の細川俊之さんが亡くなつた。

じつのところ、彼は私にとつて生理的に受け付けられない存在だつた。
聲そのものの質はともかくとして、あの話し方がどうしてもダメ。
歌を歌ふ分には、きつといい聲なのだと思ふのだが。
そして、あの表情。
なにか假面でも被つてゐるかのやうで、これまたダメ。
あの表情の下に別の顏があるやうな氣がして・・・
一言で云へば、まるで兩棲類か爬蟲類のやうな感じがして、どうにもかうにも、性に合はなかつた。

學生時代のこと。
私の親友の、そのまた親友に、彼に似た男がゐた。
かりに私の親友をKくん、その親友で細川俊之さんに似た男をS君としよう。
S君はK君の下宿を訪ねてK君がゐないことを知り、わざわざ私のアパートまでK君を搜しに來た。
その執念深い粘着質な感じが、爬蟲類のやうでイヤだつた。
そのS君のイメージが、そのまま細川俊之さんのイメージに重なつてしまつたのかもしれない。

私のそんな勝手なイメージを別にすれば、細川俊之さんはとても存在感のある役者だつたと思ふ。
私が最後に彼を見たのは、ドラマ「相棒」で幼女へのいたづらをした前科のある神父役だつた。
私が彼に持つてゐたイメージに見事に嵌まる役柄だつた所爲もあり、じつに見事な役作りをしてゐた。
あの不氣味さは、そんじよそこらの役者では出せなかつたに違ひない。

細川俊之さん、どうぞ安らかにお眠り下さい。




2枚目俳優の細川俊之さん死去
産経新聞 1月14日(金)17時56分配信

 ミュージカル「ショーガール」など多くの舞台や映画、テレビで活躍した俳優の細川俊之(ほそかわ・としゆき)さんが14日午前5時24分、急性硬膜下血腫のため死去した。70歳。葬儀・告別式は執り行わない。
 遺族などによると、12日に自宅の居間で転倒して頭部を強打。東京都内の病院に運ばれ、治療を受けていた。
 細川さんは福岡県出身。学習院大を中退後、俳優養成所に入り、昭和39年に劇団「文学座」に入団。「かもめ」で頭角を現し、映画「暖流」「エロス+虐殺」などに出演した。
 46年、文学座を退団してフリーとなり、映画のほかドラマ、舞台と多方面で活躍。49年から木の実ナナさんとコンビを組んだミュージカル「ショーガール」の公演は15年間続いた。
 2枚目から悪役、ひょうきんな役までを演じきる高い表現力に定評があった。声優としてアニメ映画「あしたのジョー」の力石徹役も演じ、近年は映画「夜逃げ屋本舗2」「ラヂオの時間」などで存在感を発揮。平成16年からは、大阪芸術大学の教授として、教壇にも立っていた。


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