別に大人のマナーが惡いといふことをここで云ふつもりはない。
確かに、大人の中にはマナーがなつてゐない人も多い。
それも若者に限つたことではなく、かなりのお年寄りから30代過ぎのバリバリの社會人まで枚擧にいとまがない。
學校教育が惡い、家庭の躾が惡い、周圍の大人が惡い、社會が惡い、世界情勢が惡い、猫も杓子も惡いと原因はさまざまだらう。
それはまあ脇に置いておいて、けふの出來事だ。
夕方4時過ぎから5時過ぎまで、穗高と散歩に出かけた。
歸りに、近くの小學校から下校する低學年の子供たち數名の集團と遭遇した。
その中の女の子が穗高に興味を持つて、いろいろと尋ねてくる。
「ねえ、噛まない?」
「なんていふ犬?」
「男の子、それとも女の子?」
「いま何歳?」
などなど。
彼女は家でトイプードルを飼つてゐると云つてゐたので、犬が好きなのだらう。
それを隣で見てゐたもう一人の女の子が、穗高の後ろを覗いて云つた。
「ねえ、お尻からウンコが垂れ下がつてるよ」
じつは前にも同じことを同じやうな年頃の男の子から云はれたことがある。
どうやら、子供の目には犬のフグリがウンコに見えるらしい。
確かに穗高の睾丸は黒くて、ウンコに見えないこともない。
大人なら、例へ犬の睾丸を見たことがなくても、その位置關係から睾丸であることが經驗上推測出來るわけだが、子供にはその經驗がない。
だから自分の知つてゐるモノの中で、もっともその位置にふさはしいものを選擇して言葉にしたのだらう。
だいたい、大人の常識としては、あれほどの大きさのモノが重力に抵抗してぶらさがり續けることなど考へられない。
「はじめに言葉ありき」
人は言葉があつて初めて事物をそれと認識できるものなのかもしれない・・・
一瞬の間を捉へて、その女の子がさらに云ふ。
「ウンコぢやないなら、何なの?」
私は言葉に詰つた。
フグリなどと云つても絶對に通じないし、睾丸などと云ふ解剖學用語を使つてもわかるまい。
と云つて、キンタマと云つても良いものかどうか。
教育的見地から、そんな言葉を使ふことは許されるのか。
他に子供にもわかる言葉はないか。
躊躇つてゐると、その子は遠慮なく催促する。
「ねえ、なに?なんなの?」
ええい、ままよ!
「これはね、犬のキンタマなんだよ」
隣にゐた、家でトイプードルを飼つてゐる女の子が、可愛い顏で何の屈託もなく云つた。
「うちの犬ね、キンタマ取つたんだよ」
ああ、按ずるより産むが易しとはこのことか。
思ひ出して見ると、私が小學校低學年だつた頃、周りの女の子たちは平氣でキンタマと云つてゐたやうな氣もする。
いや、それどころか、「キンタマ潰すぞ」とか云はれて、睾丸を握られたことすらあつたやうな・・・
未だソティスフィケートされてゐない、天然自然、あるがままの女の子たちに幸あれ!
願はくは、電車の中で平氣で化粧をするやうな女にならぬことを!
確かに、大人の中にはマナーがなつてゐない人も多い。
それも若者に限つたことではなく、かなりのお年寄りから30代過ぎのバリバリの社會人まで枚擧にいとまがない。
學校教育が惡い、家庭の躾が惡い、周圍の大人が惡い、社會が惡い、世界情勢が惡い、猫も杓子も惡いと原因はさまざまだらう。
それはまあ脇に置いておいて、けふの出來事だ。
夕方4時過ぎから5時過ぎまで、穗高と散歩に出かけた。
歸りに、近くの小學校から下校する低學年の子供たち數名の集團と遭遇した。
その中の女の子が穗高に興味を持つて、いろいろと尋ねてくる。
「ねえ、噛まない?」
「なんていふ犬?」
「男の子、それとも女の子?」
「いま何歳?」
などなど。
彼女は家でトイプードルを飼つてゐると云つてゐたので、犬が好きなのだらう。
それを隣で見てゐたもう一人の女の子が、穗高の後ろを覗いて云つた。
「ねえ、お尻からウンコが垂れ下がつてるよ」
じつは前にも同じことを同じやうな年頃の男の子から云はれたことがある。
どうやら、子供の目には犬のフグリがウンコに見えるらしい。
確かに穗高の睾丸は黒くて、ウンコに見えないこともない。
大人なら、例へ犬の睾丸を見たことがなくても、その位置關係から睾丸であることが經驗上推測出來るわけだが、子供にはその經驗がない。
だから自分の知つてゐるモノの中で、もっともその位置にふさはしいものを選擇して言葉にしたのだらう。
だいたい、大人の常識としては、あれほどの大きさのモノが重力に抵抗してぶらさがり續けることなど考へられない。
「はじめに言葉ありき」
人は言葉があつて初めて事物をそれと認識できるものなのかもしれない・・・
一瞬の間を捉へて、その女の子がさらに云ふ。
「ウンコぢやないなら、何なの?」
私は言葉に詰つた。
フグリなどと云つても絶對に通じないし、睾丸などと云ふ解剖學用語を使つてもわかるまい。
と云つて、キンタマと云つても良いものかどうか。
教育的見地から、そんな言葉を使ふことは許されるのか。
他に子供にもわかる言葉はないか。
躊躇つてゐると、その子は遠慮なく催促する。
「ねえ、なに?なんなの?」
ええい、ままよ!
「これはね、犬のキンタマなんだよ」
隣にゐた、家でトイプードルを飼つてゐる女の子が、可愛い顏で何の屈託もなく云つた。
「うちの犬ね、キンタマ取つたんだよ」
ああ、按ずるより産むが易しとはこのことか。
思ひ出して見ると、私が小學校低學年だつた頃、周りの女の子たちは平氣でキンタマと云つてゐたやうな氣もする。
いや、それどころか、「キンタマ潰すぞ」とか云はれて、睾丸を握られたことすらあつたやうな・・・
未だソティスフィケートされてゐない、天然自然、あるがままの女の子たちに幸あれ!
願はくは、電車の中で平氣で化粧をするやうな女にならぬことを!
楽しく読ませていただきました!
キン・・・もう言えないアラサー女子より
でも、もつと大人になると云へるやうになるかも(笑)