仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

読書録 2023年11月中旬

2023-11-21 05:27:00 | 読書録(備忘)

11月11日
『死にゆく者の祈り』中山七里 2019年
初読。
浄土真宗の坊さんが、かつての命の恩人である死刑囚を死刑から救う話。
中山七里は山を知らないようだ。
冬の劒岳、春の穂高、そんなものぢゃないよ。知らんけど。
「どんでん返しの中山七里」を期待していたけど、無理筋というか、いまひとつだった。

11月16日
『その日のまえに』重松清 2005年
3読目かな?好きな作品です。
7篇からなる短篇集。なんだけど、最後の作品群(「その日のまえに」「その日」「その日のあとで」)でそれまでの作品の登場人物が関わってきて作品に厚みを与えている。
和美の最後の手紙。一行だけ記された「忘れてもいいよ」の一文が心に染みる。これをセリフにしたら中谷美紀が似合いそう。
2作目の「朝日のあたる家」だけが他の作品と異質で「死」にかかわらないし、最後の作品群にも関係しない。
この作品がなかったなら、6篇からなる連作短篇集として評価できたのだが。

11月20日
蓮丈那智フィールドファイルⅠ
『凶笑面』北森鴻 2000年
再読。連作短篇集。
主人公は民俗学の准教授・蓮丈那智とその助手・内藤三國。
「双死神」が面白い。古代製鐵技術の技術革新と古代史における鐡をめぐる戦争。そして悪名高き「税所コレクション」。
冬狐堂こと宇佐見陶子もビア・バー香菜里屋も登場する。
冬狐堂シリーズもまた読みたくなった。 
 


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