仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

11/17_ クレーメル & ツィメルマン

2007-11-17 23:59:56 | クラシックはいかが
會場は、 「兵庫県立芸術文化センター」
午後6時開演。

素晴らしいコンサートだつた。
演奏曲目は、ヴァイオリンソナタ。
ブラームスの2番と3番、そしてフランク。
私はフランクのヴァイオリンソナタを、オイストラフ&リヒテルのレコードで20數年前にずゐぶんと聽いてゐた。
けふも自宅を出て驛まで歩いてゆく最中にメロディーを思ひだして、吃驚したほどだ。
ところが、そのメロディーは2曲目に奏でられた。
てつきりプログラム變更があつたのだと思ひ込んでしまつた。
休憩を挾んで3曲目が始まつた瞬間に、「あ、これだ!」
さう、私が口ずさんでゐたのはブラームスの3番のソナタだつたといふことだ。
不思議だ。
リヒテルが伴奏してゐない限り、私が知つてゐる筈はない。
ブラームスの2番はオイストラフとリヒテルの演奏のCDがあつたのだが・・・
3番はあつただらうか。

何はともあれ、素晴らしい演奏だつた。
ブラームスの3番の第1樂章の終はり、ピアノが最後の和音を彈き終はつた時に、ヴァイオリンが最後の音を奏でるのだが、ツィメルマンはクレーメルのボウイングに目をやり、ヴァイオリンの餘韻にあはせて、サステイン・ペダルから足を離して、音の消えてゆくタイミングを見事にあはせてゐた。
當然と云へば當然なのだが、これはレコードではわからない。
ヴァイオリニストにあはせるピアニスト。
しかし、ただあはせてゐるだけでは決してない。
むしろツィメルマンのピアノはヴァイオリンを支へる以上に音樂を構成してゐた。
それこそ、オイストラフvsリヒテルのやうに・・・
クレーメルはオイストラフに師事してゐたことがあり、ツィメルマンはリヒテルと親交があつたといふ。
弟子世代が再び、師匠世代と同じやうな名演奏を聽かせてくれたのだ。
倖せなひとときだつた。

アンコールは、モーツァルトのVnソナタ第39番の第1・2樂章。
そして、映畫「甘い生活」からの一節。
後者は耳にしたことがあるのは確かなのだが、聽いてゐる時にはどうしても、何といふ曲かわからなかつた。
現代音樂風の不協和音が混りながらの甘美な旋律。
出口に用意されたホワイトボードを見て、なるほど、と思つた。
「甘い生活」なら、大昔に觀たことがある。
おしやれなアンコールだ。

いま、嫁はんが調べてくれた。
私の持つてゐるLPでは、ブラームスの3番とフランクがカプリングされてゐるらしい。
なるほど、それで混同してしまつたのか・・・
納得。(22:58)


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