
平塚神社からひたすら歩いた。
途中、舊古河邸に立ち寄つたが、ここは午後4時半までで入れなくなるらしい。
六義園に行つても、もう入れないだらう。
谷中墓地近くの「かわむら」といふ蕎麥屋を目指して、とにかく歩いた。
夕闇がそのまま夜空になつたら、月がぽつかりと昇つてゐた。
田端を越えて西日暮里に近づいた頃、墓地の向うに月が見えた。
手前に卒都婆、彼方には高層ビル、そしてそれらを遙か虚空から見つめるが如き月。
過ぎ去りしものと、未來を望むもの。
人の營爲を超越した自然のありやう。
やうやく辿り着いた「かわむら」は休みだつた。
殘念だつたが、お蔭で良い店に出會ふことができた。
不忍通りを千駄木から根津に向つて歩いて左の小路を入つたところにある「酒肴菜屋」。
カウンター6席、テーブル席12席の小さな店だが、日本各地から仕入れた新鮮な魚貝が美味い。
ここは誰にも教へたくない隱れ家のやうな店だ。
でも、場所がわかりにくいので、果してもう一度辿り着けるかどうか・・・
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