仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

『二度のお別れ』 黒川博行

2004-04-06 08:43:21 | 讀書録(ミステリ)
二度のお別れ

東京創元社

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著者名 黒川博行   発行年(西暦) 2003  
出版社 創元推理文庫   値段 500-600円  
お薦め度 :☆☆☆☆


黒川博行の作品を讀むのは、これが初めてだ。
この作品は、1983年の第1囘サントリーミステリー大賞で佳作となつたさうである。
大賞を逃した理由として、「刑事コンビに華がない」といふことがあげられたさうだ。

さて、この作品、讀んでみて面白かつた。
ストーリーとしては、
銀行強盜事件とそれに引續く人質誘拐事件を搜査するといふことになるが、
面白さの一つには、主人公の刑事コンビの會話があげられる。

主人公は大阪府警搜査一課の黒田憲造とそのコンビの龜田淳也、通稱マメちやん。
此の二人を稱して「黒マメコンビ」といふ。
黒田の視點で描かれてゐるので一人稱小説だが、マメちやんとの大阪弁の輕妙な會話が樂しい。
しかもその大阪弁のナチュラルなこと。

ふだんはアホなことを話してゐる二人だが、マメちやんの芯の強さには感心する。
事件を解決に導くのは、こちらのマメちやんである。
樂しく讀める警察小説だ。


2004年2月7日讀了

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