仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

『雨に殺せば』 黒川博行

2004-04-06 19:03:32 | 讀書録(ミステリ)
雨に殺せば―黒川博行警察小説コレクション

東京創元社

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著者名 黒川博行   発行年(西暦) 2003  
出版社 創元推理文庫   値段 600-800円  
お薦め度 :☆☆☆☆


「黒マメコンビ」第2作。
1985年6月刊行。
第1作と同樣にサントリーミステリー大賞(第2囘)で佳作となつた作品。
またも大賞を逃した理由は「華がない」だつたさうな。
第1作での批評を受けて、作者は主人公を獨身に設定變更して、名前も黒田から黒木に變更した。
だが、どうもこの解決策は安直すぎて、效果を發揮しなかつたやうだ。
ちなみに、第4囘ミステリー大賞でついに大賞を受賞したのだが、
その時の主人公の探偵役は「華のある」女子美大生だつたとのこと。

さて、この作品も面白い。
大阪弁による輕妙な會話の面白さもさることながら、
金融システムや日本畫の商品としての流通のしくみなど、
普段なかなかわからないことが克明に描かれてゐる。
人を喰つたやうなマメちやんの言動も健在で、樂しめること請合ひである。


2004年2月8日讀了

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