仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

『木島日記』 大塚英志

2004-04-06 08:41:14 | 讀書録(一般)
木島日記

角川書店

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著者名 大塚英志   発行年(西暦) 2003  
出版社 角川文庫   値段 500-600円  
お薦め度 : ☆☆☆+α


柳田國男と竝ぶ民俗學の泰斗、折口信夫を主人公にした傳奇小説。
作者は筑波大學で民俗學を專攻したといふだけに、
民俗學を下敷にした綺譚の世界が繰り廣げられる。

最初はおどろおどろしい世界についてゆけないやうな氣がするが、
讀みすすめるにつれて、その奇妙な世界にどつぷりと浸つてしまふ。
全6話からなるが、5話あたりから、ユーモアが感じられるやうになり、
作者の肩の力も拔けてきて讀みやすくなる。

昭和初期の雰圍氣はかくやありなむと感じさせられた。


2004年2月5日讀了

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2 コメント

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折口信夫 (仙丈)
2005-06-26 15:02:59
民俗學そのものといふより、折口信夫の世界かもしれません。

彼には「死者の書」といふ、一種獨特の小説があります。

小説といひきるのが妥當かどうかは微妙ですけど・・・

日本人の宗教感が「あの世」觀だといふことが、濃厚に感じられる作品です。



木島日記は不思議な作品ですね~

徐々におどろおどろしさが少なくなつてきてゐますけど。



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おどろおどろしさ (takashimtjp)
2005-06-26 14:34:22
大塚英志さんは、いつも香山リカさんと一緒に居る印象があります。

この本は、民俗学の知識を下敷きにオカルトを混ぜた感じでしょうか。それとも、民俗学の系譜にこのような系譜があるのでしょうか。



確かに昭和初期の軍人が出しゃばる時代の重苦しいあの雰囲気が濃厚に感じられました。
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