
小雨の降る中、金閣寺に到着。
ふと氣づけば、けふは憂國忌だ。
憂國忌に金閣寺とは廻り合はせの妙だなあ。
雨だといふのに、さすがに金閣には人が多い。
中國語の傍若無人な聲が響く中、拜觀料を支拂つて入場。
風情もへつたくれもない。
と思つてゐたら・・・


いまの金閣に靜謐さは求めるべくもないが、苔に落ち葉の散り敷く風情は時を輕々と飛び越える。

記念寫眞の定位置はひとだかり。
強引さがないとこの寫眞は撮れない。
私はオヤヂゆゑ、面の皮が少しは厚いのだ。
紅葉に露出をあはせると金閣が白く飛んでしまひ、金閣に露出をあはせると紅葉がシルエットになる。
なんとかその兩者の顏を立てて妥協したのがこの寫眞。

金閣を撮る時間は少ない。
定位置では精々3枚が限界だらう。
で、定位置から離れたところで、地味に池と紅葉を撮つてみた。
水面に雨の落ちる景色と紅葉が雨に洗はれてゐる風情。
なかなか乙なものではないか。

金閣と水面に映る金閣を狙つた寫眞。
殘念ながら、繪葉書のやうに美しくは撮れない。
雨も降つてゐることだし、コンデジで撮つてゐることもあるし、私のウデではまあこんなものだらう。

金閣そのものにはさして期待してゐなかつたが、この景色に出會へたのは收穫だつた。
誰が演出した譯でもないのにこの美しさ!
日本の四季は良いものよなう。
<使用カメラ> 「 Canon IXY DIGITAL 800 IS 」
雨のお蔭で、紅葉の落ち葉がしつとりとした感じで撮れました。
私は最後の寫眞が好きです。