仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

吹霰

2011-03-16 17:05:27 | 日々雜感
暖かくなつて來たと思つたら、今朝からその反動のやうな寒さ。

夕方になつたら寒くなると思ひ、14時過ぎに愛犬・穗高の散歩に出た。
5分と歩かないうちに、白いものが舞ひ始めた。
3月も半ばを過ぎたといふのに、雪かよ。

雪は降つたり止んだり。
久しぶりに着たダウンジャケットのフードを被つたり脱いだり。
名殘雪、これもまた風情があるといふものだ。

15時5分前。
樣相が一變した。
風が強くなり、雪が丸く固つて來た。
地面に落ちた白いものは、丸くてころころ轉がつてゐる。
愛犬・穗高の背中にも白い粒が當たつてはころころと落ちてゐる。
霰だ。
吹きつける風で、その霰が顏にあたつて痛い。
まるで霰の吹雪のやう。
云ふなれば、吹霰かな。
慌てて公園の四阿に逃げ込んだ。

雪は地面に落ちると、はらはらと融けるが、霰は融けないまま。
見る見るうちに、地面が小さな白い粒で滿たされてゆく。
視界は眞つ白。
裏山は、霰のカーテンに閉ざされてしまひ、辛うじて稜線の輪郭が見えるだけ。
かつて雪山にも何度か登つたことがあるが、霰でこんな状況になつたのは初めてだ。

15時。
唐突に空が明るくなり、陽が射し込んで來た。
あれだけ激しく降つてゐた霰も、嘘のやうに止んだ。
わづか5分間の自然のドラマ。
なかなか素晴らしいものを見せて貰つた。
アンコールはいらないけどね。





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 20110306_椿寒櫻(@皇居東御... | トップ | 【昔の手帳から】 3月17日... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿