物書きひとすじ!時には寄り道、迷ったり、直進したりして、人生は面倒で悲しく楽しくて。

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ海を眺めて哲学者にはなれないのですが、いつも物を考えていますよ。

コロナウイルスと共生をー「ひかりの国の王女様」執筆の思い

2020-04-30 10:56:13 | 小説・童話
ウイルスと共生の書を遺書とせん
 海よりの風 胸いっぱいに

 猛毒コロナは、人間の悪行が産んだ鬼子ではないか。だから排撃しても収集は不可能です。人間が自然を大切にして宇宙・地球を守らねばなりません。わが日本では、原子力発電の問題も大きいのです。オリンピックどころではないのだ!

光の国の王女様ーひかり子ちゃん

2020-04-29 18:35:57 | 小説・童話
コロナウイルス自粛の中で書き上げました。短編童話ですのでご笑覧ください。
光の国の王女様
四つ葉のクローバー
小さな小学校の校庭は、お昼休みになるととても賑やかです。
「鬼ごっこする者、この指とまれ!」 「折り紙する人、この指とまれ!」
「すもうする者、この手つかめ!」 声の大きい子が、うでを高く上げて遊んでいる子供たちに呼びかけると、集まって来て腕につかまるのです。
「四つ葉クローバーさがす者、この指とまれ!」
いつもは、おとなしいヒサちゃんが大きい声で呼ぶと4人がかけ寄って来ました。四つ葉のクローバーを見つけると、しあわせになるのですが、なかなか見つからないのです。
「あれ、あなたは転校して来たの」
四つ葉のクローバー組に目のパッチリとした小柄の子がいることに四人が気づいたのです。少女は、にっこりとほほ笑んでぴょこんと頭を下げて言いました。
「わたしの名は、ひかり子です。仲良くしてね」
「今日は見つからないからまたあしたね」
ヒサちゃんたちは教室へ走って行きました。時間におくれると先生に注意されてしまうのです。でも、ひかり子ちゃんは教室にはいませんでした。
「あれ、どこへ行ったのかなぁ」
 つぎの日もお昼休みには、ひかり子ちゃんは校庭でみんなを待っていました。4人組は
「今日こそ四つ葉を見つけるぞ」とはりきってクローバーのたくさん咲いている土手へ走って行きました。しばらくすると
「あっ、見つけた」ひかり子ちゃんが、四つ葉を見つけたのです。
「まぁ、ひかり子ちゃん、すごいね」
みんなは、クローバーの花の首飾りを作ってひかり子ちゃんの首にかけました。ひかり子ちゃんは、はずかしそうでした。
お昼休みの終わりのチャイムで、みんなは教室にもどりましたが、ひかり子ちゃんは、今日も教室にはかえりませんでした。
子ガメを守る子どもたち
その夜、ヒサちゃんはひかり子ちゃんを心配してベッドでうとうとしていると、クローバーの首飾りを下げたひかり子ちゃんが、にっこりほほ笑んでいました。
「あら、ひかり子ちゃん、どこにかくれていたの」
「わたしは、お空を飛んでいましたよ。毎日、おじいさまにお知らせしないといけませんから」
「ひかり子ちゃんのおじい様は、どこにいらっしゃるの」
「とても遠い光の国の王様です。満月の夜にキラキラと光っている砂浜を見たことがあるだろう。カメたちは、あの美しい浜辺に卵を産んでいるのだが、浜が人間に荒らされてしまうのじゃ。その浜辺を守りなさい、とわたしはと言われたのです」
その話を聞いてヒサちゃんは友だちと「子ガメ見守り隊」をさっそく作りました。
「朝早くから子ガメがみぞに落ちていないか、行く先をまちがえていないか、カメの卵を盗むものはいないかと見まわっています。それでかわいい子ガメが、たくさん産まれて海にかえっていくのです」
パパとママは原爆で死んだ
ひかり子ちゃんは、夢の中で姿を現しますからヒサちゃんは、楽しみに布団に入ります。
「家には、パパとママがいないのでさびしいです。パパとママは、小さい時に長崎と言う所で亡くなったから顔もおぼえていません。弟はまだ赤ちゃんでした。
長崎には平和をお祈りする人が昔からたくさんいるのでお会いして来なさいと、おじい様に言われてパパとママは、出かけたのですが、その日におそろしい爆弾が落とされたのです。その爆弾は太陽のようにあつい熱を出して町の人たちをあっと言う間に黒こげにしてしまったのです」
ヒサちゃんは、「はだしのゲン」というマンガを思い出しました。親を原爆で亡くしたゲンががんばって生きる話です。おとなたちは、どうして戦争をおこすのかお父さんにたずねました。
「それは国土の取り合いだよ。国土には、石油などの資源があるし、田畑をつくる土地もあるので勝った国は豊かになれるからだ。でも、勝っても負けても人々は沢山死ぬし、負けた国はとても貧しくなっちゃうから戦争はぜったいに起こしてはいけないね」
 ヒサちゃんも人々を不幸にする戦争には、ぜったいに反対です。
「わたしは、戦争でおそろしい爆弾が落とされた長崎に来ていますよ。パパとママの亡くなった所を見たくて、おじい様のお許しをいただいて来たのですが、たくさんの人が亡くなったことを思うととてもつらくなってしまいました。坂の上の大浦天主堂と言う教会には、豊臣秀吉が命令して処刑した多くの人たちの石碑があります。秀吉などの将軍がよくない教えとしてきびしく取りしまったキリスト教の信者たちは、天草の島々にかくれて教えを守り、教会を建てて平和をお祈りしました。パパとママが戦争で亡くなったのもキリスト教の方たちがひどい目に合ったのも同じ戦いです」
 夢の中のひかり子ちゃんは、とても大きく見えました。
 おじい様へのお願い
「お帰り。ひかり子よ、長崎はどうであったかな」
「パパとママはここで亡くなったんだと思うと、とてもお会いしたくなりました。戦争は本当におそろしくて、なみだが止まりませんでした。
それから地球のどこでもみなさんがマスクをしていました。こわいウイルスとの戦争だという人もいました。肺炎と言う息の出来なくなる病気を恐れているのです。おじい様、地球に住む人たちにどうして苦しみをあたえるのですか」
「そのウイルスは、暗い星の王の使者じゃよ。人間たちが森を切り開き薬をまき、動物や虫たち鳥たちを飢えさせ、海を汚して魚や貝たちを苦しませるので、こらしめてやろうというのじゃ。わしも人間どもの行いには困っておるが、子どもたちが子ガメを救ってくれたり、若者たちが汚れた海をそうじしたり、荒れた森の手入れをしたりしているのでがまんしておるのじゃ」
「でも、こらしめてもだれも救われません。お願いです。どうか、おじい様のお力でウイルスを地球から引き上げさせてくださいませんか」
「暗い星の王と話し合ってみよう。かわいい孫のひかり子の頼みじゃからのう」
 夢の中のひかり子ちゃんは、涙をながして必死でお願いしていました。気がつくとヒサちゃんの頬も涙がぬらしていました。きっとウイルスは暗い星へもどるでしょう。

長崎から

2020-04-27 15:14:10 | 小説・童話
 ひかりちゃんが、このところ夢にも出て来ないので久ちゃんは心配していました。
「久ちゃん、わたしは長崎にいますよ。パパとママの亡くなった所を見たいのでおじい様のお許しをいただいて来たのですが、とてもつらくなってしまいました。
 坂の上の大浦天主堂と言う教会には、豊臣秀吉が処刑した多くの人たちの石碑がありました。秀吉、家康などの将軍がよくない教えとしてきびしく禁止したキリスト教は、とても長い間取りしまられたから人々は天草の島々にかくれて教えを守ったのです。その小さな島々の教会にも行きました。パパとママが戦争で亡くなったのと同じにキリスト教信者もひどい目に合わせられたのですね。おじい様には、このことも報告しました」

ひかりちゃんの話2-パパとママは?

2020-04-26 14:24:09 | 小説・童話
 ひかりちゃんは、夢の中に時々姿を現しますから久ちゃんは、それを楽しみに布団に入るのです。
「ひかりちゃん、しばらく。お元気ですか」
「ええ、元気ですが、パパとママがいないので弟と口げんかすると仲直りがむずかしいのです。パパとママは、私が小さい時に長崎と言う所で原子爆弾で亡くなったから顔もおぼえていません。弟はまだ赤ちゃんでした。パパとママは、大和の長崎にはイエス様にこの世の幸せをお祈りする人々が昔からたくさんいるのでお会いして来なさいと、おじい様に言われて出かけたのですが、その日におそろしい爆弾が落とされたのだそうです。その爆弾は太陽のようにあつい熱を出して町の人たちをあっと言う間に黒こげにしてしまったのです」
 久ちゃんは、「はだしのゲン」というマンガを思い出しました。親を原爆で亡くしたゲンが頑張って生きる話ですが、おとなたちは、どうして戦争をおこすのか考えてもわからないのでお父さんにたずねました。
「それは国土の取り合いだよ。国土には、石油などの資源があるし、田畑をつくることもできるので勝った国は豊かになれるからだよ。だが、勝っても負けても人々は沢山死亡するし、負けた国はとても貧しくなっちゃうから戦争はぜったいに起こしてはいけないね」
 「あした学校にいったら友達にひかりちゃんの話をしよう。戦争のことも」久ちゃんは強く思いました

月の沙漠の子ガメを守る

2020-04-25 13:13:07 | 小説・童話
 その夜、久ちゃんは教室に帰って来ないひかりちゃんを心配してベッドに入りました。うとうとしてると、クローバーの首飾りを下げたひかりちゃんが、にっこりほほ笑んでいました。
「あら、ひかりちゃん、どこにいたの」
「わたしは、ひろういお空を飛んでいましたよ。毎日、おじいさまにお知らせしないといけませんから」
「おじいさまは、どこにいらっしゃるの」
「とても遠い光の国にいます。そこは、しわわせ一ぱいの国です。私のおじいさまは、ひかりの国の王様です」
「それでは、ひかりちゃんは王女様なの。パパやママはそこにいるの」
にっこりうなずくと、ふしぎなお話をするのでした。
「おじいさまは、この世の平和をいつも考えています。今は地球の生き物のしあわせも心配しているのです。私が久ちゃんと知り合いになったのもおじい様の命令なのです。
 月のよい夜にキラキラと光っている砂浜を見たことがあるだろう。ラクダの金と銀のくらに乗って王子と王女が旅をする月の沙漠という歌もある。わしのかわいがっているカメたちは、あの美しい浜辺に卵を産んでいるのだが、浜が人間に荒らされてしまうので子どもが育たないようじゃ。ひかりよ、その浜辺に行ってしらべて来なさい、と言われて、この浜辺に来たのです」
久ちゃんもカメの産卵場所が、九十九里浜にあることを知っていましたが、その浜が荒らされてしまっていることは初めて知りました。
「それでおじい様には、どう報告したのですか」
「ええ、朝早くからカメの卵を守る浜のグループががんばっていますから毎年かわいい子ガメがたくさん産まれて海にかえっていきます」
久ちゃんは、安心しました。