コモエスタセニョール&セニョリータ!!!
酔いしれてみたいのよ浅草の夜・・・
浅草橋の老舗雛人形屋8代目バカ息子、
上野のキャバクラ嬢自慢のフェラーリに乗せ江戸通り爆走!
乗り慣れない田舎娘、3度目の急発進急停車で思い切りゲロッパ(^^)
今日も浅草的ラテンチューンで人形は顔が命!にお送りしまっす☆
さてさてさて、4日、11日と配信がありました。アーカイブもご覧いただけます。
当然!みていただけましたよね「ポストマンエレジー2(LIAR)」
お陰様で・・・爆笑、爽快、気分転換・・・ご好評をいただいております。
今回のストーリーは、難解な部分がほとんどなかったと思う。
ボスの編集のおかげでもありやす(^^;)
しかしあのストーリーにたどり着くまでには、いく度も紆余曲折あっての着地点なのである。
では、初稿はどうなのか??
毎度ボスに「クソ原稿」と罵られるキャネコの初稿台本をノーカット掲載!
ちょっと長いですが、読んでみてください・・・
ああ、こういう感じの話がやりたかったのね、結局ああなったのね、と、尚更楽しめると思う。
どうぞ配信のイメージのまま、映像を想像しながらお楽しみください☆
ここから↓
場面1:
音楽・天使の享楽
かったるいが仕事にせっつかれているのか、
せかせかと郵便を配る男、オサム。
夕餉の匂いが風に乗って鼻先をかすめ思わずくんくん、
思わずヨダレが・・おおっと、袖でぬぐう。
さっさと片付けてアパートへ帰ろうっと。
ポストに投函、ふと見るとううっと唸るしつけの悪そうな番犬・・・
なんだよ、やんのかこの野郎。犬に向かってファイティングポーズ!
リードの付いてない番犬、ガルルルルっと襲い掛かり、慌てて逃げるオサム。
やっとの思いで逃げ切り、ナナメ掛けバッグから郵便の束をつかみ、ウンザリ。
ええっと次は・・・書留か。面倒くせえなあ。
ピンポーン!留守は駄目よ、出てきてねお腹空いてんだからさ。
ガチャ・・・そっと顔を出す女・・・。
音楽2:天使の欲望
大原麗子似のちょっと陰のある女、レミ。見とれるオサム。思わずぼーっとなる。
何か?と問われて我に返り、書留だからハンコくれと身振り手振りで説明、
ハンコをとりに戻るレミのおしりに釘付け。
いやいやいやいやたまんねえなあ。。。!!
名残惜しそうに後にするオサム。
いくつかの郵便を片付け、ぐうっとなる腹に苦笑い。
いいか、今日は飯食ってから帰るか。
しかし、イイ女だったなあ!!
商店街のしなびた食堂目指し歩く。
すると、反対側からあのオンナが!
あ、郵便屋さんどうも!どちらまで?
あらそうなの、私もどこかで食べようと思ってたのよ。
もし良かったらあなたの行こうとしてたお店に連れて行ってくれない?
まあ、いいっすけど、汚い定食屋ですよ!ババアがやってる・・・
あら、そういうお店だから美味しいんじゃない?行こう行こう!
腕を組まれて思わずでれっと、もじもじしながら歩くオサム。
ガラガラっと引き戸を開け、おばちゃん、
オレニラレバライス大森!あとビール頂戴。コップ2つね!
おねえさん何にします?ここはね、店もババアも汚いけど美味いの。
美人はさ、やっぱ鮭フライとかかな?わかんないけど・・・
え?メンチカツ?以外にがっつり行くねえ!オッケイ、こちらメンチカツ!
あ、すんません、いやいやそんな!
申し訳ない、ビールついでもらっちゃって・・・
お返しどうぞ。今日知り合ったお祝いってことで・・・乾杯!カチン!
お、きたきた!さささ、喰いましょう!
楽しそうにお喋りしながら食事する二人。
暗転
音楽:どこかのスナック風、オンナの歌う「ピンクレディーUFO!」
聴きほれるオサム曲にノリノリ!手拍子、掛け声、フニフニダンス!
頭の後ろから手の平突き上げて「UFO!!」
暗転
酔ってフラフラなレミに肩を貸し、送るオサム。
とうとう歩けなくなったレミをオンブしてアパートへ。
レミからカギをもらってドアをそっと開け、部屋へ入る。
酔いつぶれたレミをベッドへそっと寝かす。
さっとうわがけをかけてやる。
レミの顔を観て葛藤・・・・
ふうっ、と溜息一つついて帰ろうとする。
踵を返したオサムの手首をつかむレミ。
見つめ合う二人・・・
暗転
音楽:アバンチュール的ギターサウンド
ちゅんちゅん、とスズメの泣き声で目が覚める。
上半身裸。二日酔い。頭痛・・・
レミの寝顔を見てにやけるオサム。
カワイイ顔しちゃってさ。
おおっと仕事に行かなくちゃ。またあのバカ係長にグジグジいわれちまうぜ。
よっ、起きなくてもいいからさ、聞いてくれ。オレこれから仕事に行かなくちゃだからさ、もう行くぜ。
今日、仕事が終わったらまた来るよ。いいかい?
また、一緒による飯食おう。今日はラーメンな!いい店知ってんだ。
じゃあな。
そっと出ていくオサム。
振り返り、照れ笑い。
暗転
場面2:
日暮れ、歩くオサム。
レミのアパートに着き、ぱんぱんと服のほこりを払って準備。
ピンポーン・・・。
あれ?おかしいな。出かけてんのかな。
もう一度ピンポーン。
ガチャガチャ、ドアノブを回すが鍵がかかっている。
仕方なくとぼとぼと引き返すオサム。
いくつかの辻を抜け、ふと気づく。
男ともめているレミ。
おい!どうした?駆け寄るオサム。
なんだテメエ!オンナ相手見みっともない真似すんじゃねえよ!
ふん、オマエもどうせこの女に騙されてんだろ!そのうちわかるさ!
オレはこの女を殺しても怒りが収まんないぜ!そこをどけ!
お、おい、そんな危ないものやめとけよ、刑務所行きたいのか?
包丁を振り回す男。こりゃかなわんと考えるオサム、
あ!飛行機だ!とフェイントをかけ男の股間をキック!
レミの手をつかみ猛ダッシュ!
道端でオートバイに乗ろうとしている青年を見つけ、
なかば強引にオートバイを奪う。レミを後ろに乗せて発車!
右に左にハンドル切手爆走するオートバイ。
あ、あそこで休もう。もう大丈夫だろう。
オートバイを止めて海辺へ・・・
煌めく春の海。波の音・・・
砂浜で二人、海を眺めている。
あいつ、誰だよ?ストーカー?
おまわりさんにお願いした方が良くねえか?
ううん、いいの。私も悪いから・・・
よくわかんないけどさ・・・
俺が守るよ、レミのこと・・・
ホント?嬉しい・・・
熱く抱擁
暗転
場面3:
自分のアパートで野球中継を見ながら缶ビールを飲んでいるオサム。
大差がついてつまんない試合に嫌気がさしてチャンネルを変える。
ニュース番組。
「次は女結婚詐欺師のニュースです・・・」
ん?
あー!!
指名手配中のレミ。呆然とするオサム。
音楽:太陽にホエロ!行動のテーマ
はっと気付いてたんすの引き出しを開く。
預金通帳とハンコ、わずかな現金、全てすっからかん。
慌ててレミのアパートへ走り出す。
あっと引き返して自転車にまたがる
立ちこぎでダッシュ!
ききーっとストップ、レミのアパートのドアをドンドンドン!!と狂ったようにたたく。
うるせえな!!近所の人に怒られる。
すんません、ここの人知りませんか?
え?逮捕された?警察に?
・・・。
がっくりと肩を落とすオサム。
レミが惜しいのか、奪われた金が惜しいのか・・・。
空を見上げ、脱力・・・
暗転
場面4:
順番を待つオサム。
自分の名前を呼ばれ、いそいそと進んでドアを開く。
ぽつんと置いてある椅子に腰かける。
暫く待つと、刑務官に付き添われ、レミが入ってくる。
アクリル板ごしに対面する二人。
人が変わったように、オサムを邪険にするレミ。
バツが悪そうに、首筋をポリポリかきながら、
アンンタもさ、きっと色々あったんだよな。オレ・・・解ってるからさ。
何が判ってるのよ、バカじゃない?今更カッコつけないでよ。
そろそろさ、寒くなってくるからさ、風邪なんかひくなよ。
ほっといてよ。彼氏面しないでよ。二度とこないで。むかつくから!
冷たく突き放して面会を一方的に終わらすレミ。涙をそっとこらえる。
がっくり下を向くオサム。
出ていくレミを見送り、だるそうに立って部屋を出る。
拘置所の出口へ向かう。
ふと窓口に目を止め考える。
ポケットに何枚かの千円札。
さっと窓口に駆け寄り、申込用紙を書いて金と一緒に提出する。
すんません、差し入れお願いします。
拘置所を出ると、夕暮れ。
かあかあとカラスが泣いている。
ふと、思い出すかのように拘置所を振り返る。
「UFO!!テレレテンテンテン!!」
カラオケで歌って踊って楽しかったあの日を思い出す。
振付付きでおどけるオサム。
ふっと苦笑い。小石を蹴り上げる。
いてっ!!どこかのおっさんにあたって怒られる。
すんません!ははは・・・
Fin
★キャネコサトシ