ながれやま栞 お話グループ中央 

子どもが好き、絵本が好き、おはなしが好き。そんな仲間たちの活動の様子を、折にふれてお知らせします。

身になれ!役立て!勉強会

2012-02-10 | 勉強会

今日の午前中は部会
久しぶりに生涯学習センターの会議室を利用させてもらいました。
午後からは講師をお招きしての勉強会ですが、準備の前に、まずは腹ごしらえです。
お弁当派もいればカフェ・グティのランチ持ちこみ派も
みんなでお喋りしながらの食事は、いちだんと美味しい!



その後、せっせと会場準備
講師の先生の机には、センターの受付からちゃっかり(勿論お断りしましたよ)お借りした、お花を飾りました。




本日講師をつとめて下さるのは、東京都で小学校の先生として三十八年間教壇に立たれていた、日本文学教育連盟「こくばんの会」の井口美也子先生です。



今でこそ、朝読やボランティアによる読み聞かせは広く全国の小学校に普及していますが、そのずっと前から、井口先生は、子どもたちと心を通いあわせるために、授業に読み聞かせや語りを取りいれていらっしゃいました。
読み聞かせを通して毎日お話の世界を体験していくうちに、クラスの子どもたちは、読解力や「イメージする力」を身につけていくそうです。それは学力の向上にも直結し、たとえば学年共通の算数のテストで、先生のクラスの平均点は、常に他クラスより10点ほど高かったとか。点差の決め手は「文章問題をきちんと理解できるかどうか」だったのですが、読み聞かせを始められた当初、先生ご自身もそんな副産物があるとは夢にも思わず、大いに驚かれたとのことでした。
他にも、荒んだ地域の学校の学級崩壊寸前のクラスが、読み聞かせを通して、見ちがえるほど落ちつきのあるクラスになったり。前の担任の先生から「飲みこみが悪く、何をやってもダメ」と決めつけられていた子が、読み聞かせでたったいちど聞いただけの物語を、完璧に暗記し、その後色々な才能を開花させたり……
子どもたちは誰もが良いところや大きな可能性を持っていて、読み聞かせには、それを引き出す力があることを、胸を打つような数々の体験をもとに、井口先生は教えて下さいました。

印象的だったのは、先生が、二十年も三十年も前に、たった一年受け持っただけの子どもたちを、ひとりひとり本当によく覚えていらしたこと。
なんと、紹介して下さったエピソードに登場する全ての子を、フルネームで呼んでおられたのです。
それだけ子どもたちに愛情を注がれる先生だからこそ、日々の読み聞かせを楽しんで続けることができたのでしょうね。
講演後の茶話会で、受講した仲間のひとりが先生に「うちの子の担任をしていただきたかったわ」と訴えていましたが、同席したみんなが心からそう思いました。

また、先生は、ご自分で作成された読み聞かせ用の貴重なブックリストを受講者全員に配布して下さいました。
そのうえ、最近出版された楽しい絵本を紹介しつつ読み聞かせの実演をして下さり……
プレゼントと、本を読んでもらうのが大好きなわたしたちは、もうホクホクでした



井口先生によると、近ごろでは、小学校教諭の報告義務や雑務が増え、また上からの管理や規制が厳しくなったため、先生がたに読み聞かせをする時間や心の余裕が段々なくなっているとか。
「だからこそ、みなさんの活動には、とても大きな意味があるのです」
そう励ましていただき、お話部会一同、大変うれしく、また身の引き締まる思いがしました。

ほら、みんな心なしか、引き締まって見えるでしょ?


井口先生、そして今日の勉強会実現のためにお力を尽くしてくださった皆様、本当にありがとうございました


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