最近、台風が立て続けに中国に上陸している。6月30日には台風6号(中国名:杜蘇rui)が広東省珠海に、7月24日には台風8号(中国名:韋森特)が広東省台山に、8月2日には台風10号(中国名:達維)が江蘇省陳家港に、8月3日には台風9号(中国名:蘇拉)が福建省福鼎に、8月8日には台風11号(中国名:海葵)が淅江省象山に、それぞれ上陸し、大きな被害も発生している。昨日(8月8日)は蘇州も風雨が激しく、とても外出する気にはならなかった。
日本では台風の呼称として、「台風○○号」のように、その年に発生した番号で呼ぶことが一般的であり、固有の名称を聞く機会は殆どないが、中国では上記のような固有名称で報道されることが一般的である。実は2000年1月1日から、アジアで発生した(正確には北緯0~60度、東経100~180度で発生した)台風には、国際的に共通の固有名が付けられている。それ以前、戦後の米軍占領下では、アメリカ式の名前(カスリーン、キティ、ジェーン等)が付けられ、サンフランシスコ講和条約後の1953年以降は番号順の呼び方になり、特に被害の大きかったものには特別の名前(伊勢湾台風、第2室戸台風等)が付けられることもあった。アジア名は、米国とアジア各国(計14地域)で構成された委員会が命名している(実務は日本の気象庁が担当)。各国(地域)がそれぞれ10個の名前を持ち寄り、合計140個の名前を順番に付ける決まりになっている。具体的には下記のような順番で命名され(年度が変わってもリセットはされない)、140番目(ベトナムのSaola)まで使い切ったら、再び最初の名前(カンボジアのDamrey)から繰り返される。
順番 命名国 英文名 中文名 2012年
01-01 カンボジア Damrey 達維 台風10号
01-02 中国 Haikui 海葵 台風11号
01-03 北朝鮮 Kirogi 鴻雁 台風12号
01-04 中国香港 Kai-tak 啓徳 台風13号
01-05 日本 Tembin 天秤 台風14号
01-06 ラオス Bolaven 布拉万 台風15号
01-07 中国澳門 Sanba 三巴
01-08 マレーシア Jelawat 傑拉華
01-09 ミクロネシア Ewiniar 艾云尼
01-10 フィリピン Maliksi 馬力斯
01-11 韓国 Gaemi 格美
01-12 タイ Prapiroon 派比安
01-13 米国 Maria 瑪莉亜
01-14 ベトナム Son Tinh 山神
02-01 カンボジア Bopha 宝霞
02-02 中国 Wukong 悟空
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10-13 米国 Vicente 韋森特 台風8号
10-14 ベトナム Saola 蘇拉 台風9号
アジア地域の年間台風発生数は約25個なので、今年の台風10号で、ちょうど3回り目に入ったことになる。
因みに、日本が名付けた10個は、Tembin(テンビン) Yagi(ヤギ) Usagi(ウサギ) Kajiki(カジキ) Kammuri(カンムリ) Kujira(クジラ) Koppu(コップ) Kompasu(コンパス) Tokage(トカゲ) Washi(ワシ) で、全て星座の名前が由来となっている。他の国(地域)は、動植物名・人名・地名等が多いのだが、全て現地語なので、他の地域の人には名前の由来がわからない。なお、米国ではABC順にあらかじめ用意した男女の名前を交互につけている。
(文責:y)
バスでの移動で気が付いたのは台風の後なのに木の葉一枚落ちていないのはビックリした。朝早くから掃除のオジサン、オバサンが仕事をしていたんだと思う。日本もこへんは見習いたいと思った。