夕方、娘が来た。
「あれ、修学旅行じゃないの?」
「明日から・・・・・」
なんか、うちにまだ置いてあるゲームとか本とかを取りに来たらしい。
旅行に持って行くんだろう?
明日は真っ直ぐに新幹線で広島に行くみたい。
「1時頃着くんじゃない?」と言っていた。
明日は天気が悪そうだが、新幹線の中なのでまだいいか?
僕も、中学の修学旅行は心が高揚した憶えがある。
はっきり言って、観光した場所の定かな記憶は無い。
しかし、いくつかの同級生の武勇伝は微かながら憶えている。
一つ鮮明に憶えているのが、京都の旅館に泊まった時、飯が出た。
仲居のおじさんが「京都の米はうまいやろ」と言われ食べたが、くそまずかった。
この時こそ、新潟県に生まれて良かったと思った事はない。
小嶋屋から蕎麦を頼んだ。
ちょっと時間が経った蕎麦同士が引っ付いている固まったへぎ蕎麦だ。
この蕎麦の味は小さい頃から知っている。
親父が良くたっぱで固まった小嶋屋の蕎麦を貰って来た。
この記憶があるので、蕎麦はあまり好きではなかった。
しかし逆に、僕にとっては茹でたてつるつるの蕎麦より、この蕎麦の方が蕎麦なのだ。
無事に楽しんで来てもらいたい。
この仲間で行く旅行も一生に一度である。