東京まで孫を送り届けた帰りの新幹線
まさに私にとって図書室です。
「傍聞き」 長岡 弘樹著
表題を含め計4編の短編集です。
1 救急隊員が主人公の 「迷走」
何を思ったのか指定された病院を通り過ぎあたりをくるくる回り始めた責任者
焦る隊員も最後は責任者の読みの深さに脱帽。
読者もなかなか読み切れずに最後に脱帽。
2 警察官が主人公の 「傍聞き」(かたえぎき)
傍聞きとは [かたわらにいて人の話を聞くともなしに聞くこと] だそうで
直接聞くより納得し易い傾向があるそうです。
実際 直接 「良い奥さんね」 と言われるより 「良い奥さんなんだってね、あの人から聞いたよ」
と言われた方が 「そ思ってくれてるんだ」と 納得し易いです。(別に私のことではありません)
同じ警察官だった主人をなくし 小学校6年の娘と暮らしている主人公
事件は大変だし 娘は難しい年頃だし ご近所で空き巣被害があるし
と もう大変。
そんななか この娘のとる行動が 最後になるほどと納得。
とても良くできた 面白くて後味の良い作品です。
3 消防士が主人公の 「899」
899 はこの消防署内での (要救助者)のことで
最初に899を見つけた隊員のとった不可解な行動の訳が
最後に分かり(それまでは全く考えもつきません 見事!)
(そういえば ヒントはいっぱい出てきてたのになぁ・・・)
話のおちもやさしく 気持ちのいい作品です。
4 更生保護施設を営む中年女性が主人公の 「迷い箱」
刑期を終えた元受刑者達の世話をしながら 思うに任せない日々
もうやめようかなと思った時関わった人たちと
迷い箱 の 関係は?
迷い箱には何を入れるの?
私にも迷い箱が大きいので2つ3ついるなと 感じました。