久しぶりに本を読みました。
「月魚」 三浦 しをん 著
古書店が舞台
若き当主とその友人が主人公
三浦しをんらしい 本を愛する心とまるで少女漫画を読んでるような
どきどき感 。
古書店 「無窮堂」 の当主 真志喜は古書に対するセンスがあり
父親を通り越して祖父に腕を磨かれる。
友人の 瀬名垣 太一 は 古書への生まれ持っての才能を持っていた。
二人は少年だったころに 「無窮堂」 の裏庭の菜園で出会い
真志喜は太一に熟れたトマトを手渡す。
のちに瀬名垣は 「・・・あれが禁断の果実だったんだな」
と 回顧する。
仲良く育った二人はある日の事件で以後の生活を大きく変えられ
お互いにその事件を罪の意識として持ち続けることになる。
しかし それをきれいさっぱり清算することを敢えてさける。
それは お互いが罪の意識を共有しているからこそ
腐れ縁のように 会い続ける事ができると信じているから・・
本に対する深い愛情が 文のここかしこに出てきます。
親子関係、才能、人間関係、色々な要素を丁寧に描き
そのうえで 少女マンガのような色彩をみせてくれます。
なにせ 「まんが」 なので とても読みやすい一冊でした。