雨月物語 (1953年 97分 大映)
監督 溝口健二
製作 永田雅一
企画 辻久一
原作 上田秋成
脚本 川口松太郎
依田義賢
作詞 吉井勇
撮影 宮川一夫
録音 大谷巖
照明 岡本健一
美術 伊藤熹朔
音楽 早坂文雄
編集 宮田味津三
助監督 田中徳三
配役
若狭..............京マチ子
阿浜..............水戸光子
宮木..............田中絹代
源十郎............森雅之
藤兵衛............小沢栄(俳優座)
老僧..............青山杉作(俳優座)
丹羽方部将........羅門光三郎
村名主............香川良介
衣服店主人........上田吉二郎
神官..............南部彰三
右近..............毛利菊枝
自害する武将......光岡龍三郎
梅津の船頭........天野一郎
武将..............尾上栄五郎
家臣..............伊達三郎
目代..............横山文彦
村の男............玉置一恵
源市..............沢村市三郎
貝足商人..........村田宏二
鎧武者............堀北幸夫
〃 ..............清川明
〃 ..............玉村俊太郎
〃 ..............大崎史郎
〃 ..............千葉年四男
遊女屋の鎧武者....大國八郎
遊女屋の客........三浦志郎
〃 ..............越川一
〃 ..............三上哲
敗残兵............藤川準
〃 ..............福井隆次
〃 ..............石倉英治
〃 ..............武田徳倫
〃 ..............神田耕二
徴発の兵..........菊野昌代士
〃 ..............由利道夫
遊女..............大美輝子
〃 ..............小柳圭子
〃 ..............戸村昌子
侍女..............三田登喜子
〃 ..............上田徳子
朝鮮戦争
1.日本は朝鮮戦争の特需により、戦後復興を果しました.大儲けしたのです.
2.警察予備隊、保安隊、そして自衛隊と名前を変えながら、日本は再軍備をしました.
また、軍人として出世をしようと考える人間が現れたはず.例えば航空幕僚長になった源田実.
この映画は、朝鮮戦争の時代に撮られました.
描かれた一人は、戦争に乗じてお金儲けをしようとした、陶芸師.
今一人は、武士(軍人)になって、出世をしようとした、百姓の男.
百姓の男は、妻を裏切った訳ではない.出世、仕事に夢中になって、妻、家庭のことを忘れ去っていたけれど、大将になって部下を引き連れて女買いに行ったとき、女郎になった妻に出会い、自分の愚かさに気がついたのだった.
それに対して、陶芸師は.この男は、美人に出会って契りを結び、妻を裏切っていた.そして、この男は自分の愚かさに、自ら気がつくことが出来なかった.僧侶に諭されても未だ信じられず、自分が殺されそうになるまで、気がつくことが出来なかった.
朝鮮戦争で大儲けしたことを悪いことだと自覚している人は、そう多くはないはず.私もそうだけど、戦後復興を果して良かった、と、思ってるだけではないのか?.
付け加えれば、戦争で金儲けをした陶芸師の男は、戦争で滅ぼされた家の亡霊、戦争の犠牲になって死んだ人の亡霊に食い殺されるところだった.
この映画の面白いところは、陶芸師が家に戻って妻が現れたとき、生きていると思ったのだけど、映画を観ている観客も、陶芸師と同じように誤解をしてしまう.
百姓の男が大将首を取ったとき、自決した大将の首を付き人が持ち帰ろうとした、その付き人を殺して首を奪った出来事だったように思うけれど、陶芸師の妻も同じで、どうして殺されたのか、よく分らないような描き方をしている.妻の亡霊が現れたとき、観客も妻が生きてるように、一瞬誤解してしまうように、描かれているのです.
陶芸師を殺そうとした武家の娘の亡霊と、陶芸師の間違いを優しく諭した妻の亡霊、二人の亡霊を考え合わせるところにも、何か見つけることが出来るかも.....
監督 溝口健二
製作 永田雅一
企画 辻久一
原作 上田秋成
脚本 川口松太郎
依田義賢
作詞 吉井勇
撮影 宮川一夫
録音 大谷巖
照明 岡本健一
美術 伊藤熹朔
音楽 早坂文雄
編集 宮田味津三
助監督 田中徳三
配役
若狭..............京マチ子
阿浜..............水戸光子
宮木..............田中絹代
源十郎............森雅之
藤兵衛............小沢栄(俳優座)
老僧..............青山杉作(俳優座)
丹羽方部将........羅門光三郎
村名主............香川良介
衣服店主人........上田吉二郎
神官..............南部彰三
右近..............毛利菊枝
自害する武将......光岡龍三郎
梅津の船頭........天野一郎
武将..............尾上栄五郎
家臣..............伊達三郎
目代..............横山文彦
村の男............玉置一恵
源市..............沢村市三郎
貝足商人..........村田宏二
鎧武者............堀北幸夫
〃 ..............清川明
〃 ..............玉村俊太郎
〃 ..............大崎史郎
〃 ..............千葉年四男
遊女屋の鎧武者....大國八郎
遊女屋の客........三浦志郎
〃 ..............越川一
〃 ..............三上哲
敗残兵............藤川準
〃 ..............福井隆次
〃 ..............石倉英治
〃 ..............武田徳倫
〃 ..............神田耕二
徴発の兵..........菊野昌代士
〃 ..............由利道夫
遊女..............大美輝子
〃 ..............小柳圭子
〃 ..............戸村昌子
侍女..............三田登喜子
〃 ..............上田徳子
朝鮮戦争
1.日本は朝鮮戦争の特需により、戦後復興を果しました.大儲けしたのです.
2.警察予備隊、保安隊、そして自衛隊と名前を変えながら、日本は再軍備をしました.
また、軍人として出世をしようと考える人間が現れたはず.例えば航空幕僚長になった源田実.
この映画は、朝鮮戦争の時代に撮られました.
描かれた一人は、戦争に乗じてお金儲けをしようとした、陶芸師.
今一人は、武士(軍人)になって、出世をしようとした、百姓の男.
百姓の男は、妻を裏切った訳ではない.出世、仕事に夢中になって、妻、家庭のことを忘れ去っていたけれど、大将になって部下を引き連れて女買いに行ったとき、女郎になった妻に出会い、自分の愚かさに気がついたのだった.
それに対して、陶芸師は.この男は、美人に出会って契りを結び、妻を裏切っていた.そして、この男は自分の愚かさに、自ら気がつくことが出来なかった.僧侶に諭されても未だ信じられず、自分が殺されそうになるまで、気がつくことが出来なかった.
朝鮮戦争で大儲けしたことを悪いことだと自覚している人は、そう多くはないはず.私もそうだけど、戦後復興を果して良かった、と、思ってるだけではないのか?.
付け加えれば、戦争で金儲けをした陶芸師の男は、戦争で滅ぼされた家の亡霊、戦争の犠牲になって死んだ人の亡霊に食い殺されるところだった.
この映画の面白いところは、陶芸師が家に戻って妻が現れたとき、生きていると思ったのだけど、映画を観ている観客も、陶芸師と同じように誤解をしてしまう.
百姓の男が大将首を取ったとき、自決した大将の首を付き人が持ち帰ろうとした、その付き人を殺して首を奪った出来事だったように思うけれど、陶芸師の妻も同じで、どうして殺されたのか、よく分らないような描き方をしている.妻の亡霊が現れたとき、観客も妻が生きてるように、一瞬誤解してしまうように、描かれているのです.
陶芸師を殺そうとした武家の娘の亡霊と、陶芸師の間違いを優しく諭した妻の亡霊、二人の亡霊を考え合わせるところにも、何か見つけることが出来るかも.....