気ままな遍路人

人生いろいろ…徒然な日記

亡き祖父を思う。

2008-01-05 23:41:19 | 日記

昨日、ブログに登場した祖父のことを書きます。

本当に祖父の臨終の仕方は、今でも鮮明に記憶に残っていて、自分もこういう臨終を迎えたいと常々思うのです。

その日は、私の母が祖父の表情を見て何か違和感を覚えたのか「すぐ、病院に連れて行かなければならない。」と言い出し、家の者で祖父を(98歳の高齢にも関わらず病気知らずの為、掛かり付けの病院がないので)、近隣の病院へ連れて行きました。医師の判断は一日入院して様子を見ましょうとのことでした。

この時は、母以外には(医師を含めて)誰しもいつも通りの祖父にしか見えず、当の祖父も「何で病院にきているのか?」という表情をしていました。母は私に「明日の午前中は、目を離せないよね。」と言うので、その場は母に任せ、私は帰宅しました。

私は母の言葉が気になり、翌日早めに病室に行きました。祖父は朝食を全部たいらげて満足そうにしていました。その直後のことです、私がちょっと目を窓の外に向けていてら、母が「おじいちゃん!おじいちゃん!」と叫んだのです。

振り返ると祖父はベットの上で背すじを真っ直ぐに伸ばし、座禅を組むような状態で、両手は仏像のように体の前で組み、顔は真っ直ぐ前を向いていて目を閉じていました。

「???・・・。」私は、そっと祖父に近づき、「おじいちゃん?」と呼びかけてみました。全く返答がありません。不謹慎かも知れませんが、私を驚かそうとしているのかなとも思いました。

でも次の瞬間、私の手は自然にナースコール釦を押していました。すぐに、看護士さんが駆け付けてくれましたが、看護士さんも「???・・・。」の状態で首の脈をとった時に初めてどういう状態か解ったらしく慌てだしました。

医師が駆け付け蘇生処置を施していましたが、祖父は蘇生することなく天国へと旅立ちました。

生前の祖父は厳しい人でしたが、決して他人の悪口を言ったり、物事の道理にそむく様なことのない人でした。家族の為に75歳まで働き通して仕事の鬼のような人でした。痛いところや苦しいことがあっても決して家族にも打ち明けず、精神的にも強い人でした。

きっと、神様はそんな祖父に最後に褒美をくれたんだと思いました。一瞬にして体の全機能が停止して苦しまず逝けるなんて、ましてや仏像のような形で臨終を迎えるなんて。

私は、そんな祖父のような生き方をしたいと強く思います。


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