どしゃぶりの雨が降り続いても、必ず晴れる日が来る。
傘をさしたり、合羽を纏っても、どしゃぶりの雨には勝てない。
あれこれ、模索すればするほど苦しくなるから・・・。
いっそ、必ず晴れる日が来るのを楽しみに、ずぶ濡れになってみようか・・・。
そうすれば、意外と晴れの日は直ぐやってくるものだ。
先日、実家に顔を出した時、母が何か話したそうだったので、「遠慮しないで何でも良いから話してごらん。」と言うと、「そうかい・・・。でも、年寄りの話なんか聞きたくないしょ。」と言いつつも、徐々に話は始まりました。
母の実家は会社経営をしていて、広範囲に渡り仕事をし地元でも結構順風満帆な会社でした。でも、そこに行き着くまでには、かなりの苦労があったようです。母は若いころ会社の事務をしていて、先々代(父親)と一緒に汗を流したそうです。
現在は、3代目が事業を受け継ぎ経営をしていますが、経営状態は最悪な状態と聞きます。その状態を危惧しているのか母は私に胸のうちを明かしたのです。
苦労して苦労して大きくした会社が小さくなっていく現実を見て、今は口を挟む立場ではないというもどかしさもあったのでしょう。母は今でいう根っからの起業人なので、今更私にどうすれというわけでもないのですが、会社経営とはどういうものかということを知ってほしかったと思うのです。
詳しい内容は話せませんが、行き着く先は”会社経営とは人と人との信頼関係が重要だ”と母は言います。
”信用なくして会社は成り立たない”・”お金は後からついてくる”が先々代の口癖だったようです。元々、先々代は宮大工だったので、利益よりも良い仕事をするのを求められる立場だったのです。それを母は私に伝えたかったのではないでしょうか。
延々と4時間に渡り、母は話しました。私は「そうだね。」と時折相槌を打ちながら、じっくりとその話を聞きました。
母は「今日は私の話を聞いてくれてありがとうね。さっぱりしたよ。」と言い、すっきりした顔になりました。
このブログを読まれている方にも、たまには年寄りの話を煙たがらず、じっくり聞き役に徹して話を聞いてあげることをお勧めします。
人間はこの世に存在する限り色々な欲に振り回され、時には自分を見失ったり、人を恨んだり妬んだりします。
そして、何とか自分の人生を幸福にしようと四苦八苦します。
「四苦八苦」とは、生・老・病・死という肉体の苦しみの四つの他に、心の苦しみの四つを合わせたものです。心の苦しみの一つ目は「愛別離苦(愛しい家族・恋人とはいつか別れる日がくる苦しみ)」、二つ目は「怨憎会苦(嫌な相手に心ならずも出会う羽目になる苦しみ)」、三つ目は「求不得苦(何かを欲して求めても得られない苦しみ)」、四つ目は「五蘊盛苦(健康であることに感謝せずそれを逆に持て余す苦しみ)」となります。
苦しみの中でも、心の苦しみは過剰になると精神の病気を引き起こします。幸福になることとは、程遠い方向に進みます。人間の感情は行き着く先が見えないくらい深いものです。その暗闇に吸い込まれたら、再び地上に這い上がってくるには非常に多くの時間を費やします。
ですから、人間は持って生まれたものをありのままに素直に表現し、川の水が流れる如く緩やかに過ごすことを心がけていれば、それだけで幸福を感じることが出来るのだということに気がつくことが大切なのです。