錫杖岳前衛壁「注文の多い料理店」
日 時 平成22年9月19日(日帰り)天気:晴れ
メンバー U山、ホリ、岩ひばり 3名
行 程 諏訪発4:00=新穂高槍見温泉6:00 槍見温泉登山口6:30―錫杖沢出会8:00―基部8:40―取り付き9:00―登攀終了13:00―懸垂下降基部15:00―槍見温泉17:30
最初の計画では、連休を利用して明星山P6南壁を攀ろうと思っていましたが、日本海方面の天気が芳しくなさそうなので、急きょ錫杖日帰りに変更しました。錫杖については、U山は10年ほど前に、ホリは何年前か計算できない学生時代に、岩ひばりは本チャン初めてというなかで、内容が現代的?という「注文の多い料理店」にしました。ホリが言いだしっぺということで、けっこう同ルートの記憶が鮮明なU山を差し置いて、トップをホリ、フォローを岩ひばり、U山の順番で攀じることになりました。
←(同ルート全景)
〈1P〉
傾斜の緩い階段状の
フェースから大テラスまで。
特に問題ない訳だが、3カ月ぶり
に岩に触るホリのザイルワークに戸惑いあり。→
〈2P〉いくつかの細めのクラックを使って
フェースを登り、左上へトラバースして
枯れ木テラスへ フェースは古いハーケン
やリングボルトが残地されているが思いの
ほか渋い。ホリは久しぶりの高さにビビリ
が入いり迷いなくA0。
フォローU山、難なくクリア。→
〈3P〉 核心のかぶったクラック、ハング下にジャミングをきめ、右側の壁へと思い切って立ち上がる。そのあとは、レイバックを交えて堅い岩の快適なクラックを直上、20mでひとりが座れる程度の頭を押さえられたお地蔵テラスへ。セカンドの岩ひばりがテラスに来ると窮屈なことこの上なし。キャメロット#3ふたつは必要、大きめのカムも有効
←
〈4P〉 かぶったワイドクラックを超え、引き続きフェースにはしるワイドクラックを直上、行き止まりのハングを右へトラバースして抜け、3人が立てる横長のテラスへ キャメロット#4が2個くらいほしいところだが、小さめのクラックを探し対応
〈5P〉 左側の凹角状から一段上がり、
フェースに2本あるクラック(フィンガ
ーとワイド)を使い登る。
右手すぐ横には左方カンテのクライマー
がみえる。その後は、風化したフェースをだらだらと立木をビレー点にして登って終了。←(50m)
左方カンテのクライマーと合流、終了点同じ。同ルート3ピッチ懸垂で基部へ
残置ピンは、2P目の出だしのフェースにあるのみ。後は、キャメロット#1~#3が2セット、また、キャメロット#4や大きめのカムがあれば有効。各ビレー点はペツルのボルトが2本ずつあり信頼できます。
全体的に岩は非常に硬いので、思い切った豪快な動きができ、楽しいクライミングを満喫できます。
一方で、私にくっついていた8.5mmはいっぱいいっぱいで、ホリさんがビレイをするときはメインのセルフビレイを解除せざるを得なかったのも事実で、ロープによってはあそこで切るのもやむを得ないかも。岩ひばり嬢の8mmはおなじ50mでも1m以上は余裕があったので、おなじ長さ表示でもメーカーによって随分と違いがあるもんですね。
この5・6Pは、前回は勘違いして登らなかったので、お陰さまで10年ぶり?に完登することができました。ありがとうございました。
次回の錫杖は、氷のはった3ルンゼにでもしましょうか?
確かこのルートは、オールフリー化とありましが、もちろん、私は、最初からA0宣言!とにかく早く登る事に専念しました。(負け惜しみ~)
核心は、3Pとありますが、私にとっての核心は、2Pの出だしのフェイスだったかな。
普段のゲレンデクライミングだったら、何でもないグレードも、あの高度では足がすくみます。
でも、何事もトライ!トライ!
アルパイン新人さんのあなたも、先輩に恵まれたら?臆せず、チャレンジしてくださいね。