五竜岳
ルート :五竜岳 G2中央稜
日時 :4月25・26日
メンバー:I原、U山
GWは後立山の雪稜を楽しもうと五竜のG2中央稜に行きましたが、
予想以上に雪が少なくて、半分ぐらいは藪漕ぎ、ガレ場歩きになってしまいました。
しかし、快晴の下、ダイレクトなラインを辿って頂上を目指す山登りは爽快でした。
<G2は真っ黒>
しかし、快晴の下、ダイレクトなラインを辿って頂上を目指す山登りは爽快でした。
<G2は真っ黒>
4月25日 晴れ
ゴンドラ終点からあおぐ後立山の稜線は、いつになく雪が少ないように見えたが、地蔵の頭を過ぎ小遠見山に向けて高度を上げるに従い、目的とする五竜の東面、とりわけG2周辺は雪が少ないどころか初夏のような様相を呈していることが見えてきた。
<五竜東面に雪は少ない>
かと言って、ここまで来て引き返すわけにも行かないので、今回はこの状況を楽しもうと気持ちを切り替える。
昼前には大遠見の先の平坦地にテントを設営し、昼食後、G2中央稜の偵察に出発。
五竜の東面はG0からG5、北尾根に至るまでいくつかのラインが登られているが、頂上をなるべくダイレクトに目指すという意味ではG2中央稜が一番であろう。そしてそれが今回それを選んだ最大の(唯一の?)理由である。
中央稜は下部のA,B,Cの3つのルンゼ(リッジ)のいずれかから取り付くが、
雪のつながり方や下部の雪の割れ方などから総合して、今回はBルンゼから取り付くことにする。
<赤矢印が今回のライン>
明日の朝は暗いうちから行動する予定なので、方向を誤らないようにシラタケ沢までトレースを付けに下る。
<矢印がBルンゼ>
シラタケ沢からBルンゼの位置を確認後、ふたたび遠見尾根に登り返して2時過ぎに帰幕。
途中で明日G5稜を登るというパーティーと言葉をかわしたが、G5稜も最後の壁が真っ黒で、例年とは様子が違うらしい(結局、このパーティーを翌日G5に見ることはできなかったが、中止したのだろうか?)
この日は天気は良かったものの意外と気温が低く、夕食までの長い時間をテントの中でゆっくりアルコールを楽しんで過ごす(二人ともNIKKAでした)。
朝方高い雲が多かった空も夕方にはすっかり晴れ渡り、風も落ち着いて明日の好天を約束してくれていた。
<鹿島槍をバックに>
ゴンドラ駅 8:40 ~ 大遠見付近テン場 11:50 ~ G2偵察出発 12:50 ~ シラタケ沢 13:20 ~ 帰幕 14:00
4月26日 快晴
4時出発の予定だったが、なんだかんだもたもたしているうちに4時半を過ぎてしまった。
シラタケ沢に向けて昨日のトレースを下るが、途中でトレースが見当たらなくなったと思ったら下の方にはデブリが出ていて、どうやら、雪崩で埋まってしまったらしい。まあ、デブリは人が埋まるような量ではなかったがあまり気持ちが良いものではない。
<シラタケ沢に向けて下降>
シラタケ沢からBルンゼに向けて登り返すが、途中、目指す方向がずれていることをI原さんに指摘されて修正する。この指摘がなければ右稜と中央稜の間の沢をそのまま詰めてしまうところだった。
<取付きを目指す>
Bルンゼ入り口でアンザイレンし、しばらくの間、ランニングを取りながらコンテで進む。
<Bルンゼ>
雪が少なくなって傾斜が強まるところでスタカットに切り替え、いやらしい草付きルンゼにI原さんがロープを伸ばす。
<この先がけっこう侮れない>
さらに次のピッチを10mほど登ったところで中央稜に飛び出し、あっけなく核心部は終了。
その後、しばらく我慢の藪こぎが続く。
<藪こぎ1>
<藪こぎ2>
藪こぎ帯が終わると、今度は夏山と見間違うようなガレ場が続く。
登山道がなかった時代の北アルプスって、きっとこんな感じだったのだろう。
<中間部~上部>
ま、自分の不勉強が悪いのだが、核心部がロープ1P分たらずで終わって、あとはただひたすら歩きだけのルートだとは思っていなかったのでえらく肩透かしを食らってしまった(遠目にみても平凡な尾根だとは思っていたが・・・)。雪があればまた印象も違ったかもしれないが・・・。
隣のG5稜はキノコ雪もあって、雪が少ない今シーズンも雪稜という感じを残しているが、最後の壁は大変そうだな(例年は雪壁登りらしいが・・・)。
<G5>
その後も、アイゼンをつけたり外したりしてひたすら忍の一字の登りを続ける。
やがて背後に安曇野や頸城の山々の壮大な展望が広がり、GWの後立の爽快な空気に包まれるようになってくると、ルートの内容などどうでもよくなってきた。
そして9時半に待望の稜線に到着。
<稜線直前>
当初は終了点のすぐ下に登山道があると思い込んでいたら、実際はけっこう離れていて、不安定なガラ場を石を落としながらしばらく下降。登山道に合流後は、最後の大斜面を経て30分ほどで頂上に到着した。
<最後の登り>
<剣をバックに記念撮影>
下りは途中から雪が無くなり、夏道をアイゼンを外して小屋まで下る。
<小屋から頂上を振り返る>
小屋は営業準備をしているところだったので飲み物(当然、Beer)を買えないか聞いてみたが、残念ながらまだ売ってもらえなかった。
ここで再びアイゼンを付け、今度は白一色のシラタケ沢を下る。
<シラタケ沢の下降>
帰幕 12:30。テント撤収後、再び遠見尾根を下り、15:30にゴンドラ駅に到着して山行は終了。
ルートそのものは少々期待はずれであったが、まれに見る好天の下、自然が提供するラインを辿って頂上を目指す登山は爽快であった。
出発 4:40 ~ Bルンゼ入り口 5:40 ~ 中央稜 7:00 ~ 稜線 9:30 ~ 五竜ピーク 10:45 ~ 五竜小屋 11:30 ~ テント 12:30 ~ 下山開始 13:30 ~ ゴンドラ駅 15:30
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