『バリー・リンドン』(1975年 アメリカ)
ご存知の御仁もいらっしゃると思うが、1975年に鬼才スタンリー・キューブリックが監督した大作で、音楽担当のレナード・ローゼンマンがアカデミー編曲賞を受賞しているんだ
監督:スタンリー・キューブリック
音楽:レナード・ローゼンマン
出演:ライアン・オニール、マリサ・ベレンソン、ハーディ・クリューガー、パトリック・マギー他
ご存知の御仁もいらっしゃると思うが、1975年に鬼才スタンリー・キューブリックが監督した大作で、音楽担当のレナード・ローゼンマンがアカデミー編曲賞を受賞しているんだ
レナード・ローゼンマンといえば、名画で名曲を生んだ『エデンの東』などがあり、またTVシリーズ『コンバット』のマーチも手掛けているんだ。また他界する前の晩年には『ロボコップ』の音楽も担当していた、実に息の長かった映画音楽家だったぜ!クーッ!!
ご多分に漏れずスタンリー・キューブリックは自身の映画にはクラシック音楽を使う監督で、『2001年宇宙の旅』では、アレックス・ノースが書いたスコアをボツにして、カール・ベーム指揮ベルリン・フィルが演奏するリヒャルト・ストラウスの交響詩「ツァラストラはかく語りき」などを使ったり、『時計じかけのオレンジ』ではウェンデイ・カーロス(当時は男性だったのでウォルター・カーロス)のムーグ・シンセサイザーでベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」の第4楽章のあの有名な「歓喜の歌」の演奏をしたり(他にウォルター・カーロス自身が作曲した「時計じかけのオレンジのテーマ」やジーン・ケリーのミュージカルの『雨に唄えば』などを使ったり、その後の『シャイニング』でも音楽担当をさせてベルリオーズの「幻想交響曲」の中の「断頭台への行進」をこれまた彼女のムーグ・シンセサイザーで効果を上げたり、音楽の使い方の凝り様がたまらなくいいよなあ!クーッ!!
この『バリー・リンドン』でもレナード・ローゼンマンはヘンデルの『サラバンド』をテーマ曲にアレンジして効果を上げているが、もう一つチーフタンズが演奏するアイリッシュ・フォーク「アイルランドの女」をこれまた効果的に使用しているんだ
『バリー・リンドン』のサントラのシングル盤は二種類あり、ワーナーブラザーズから発売されている件のヘンデルの「サラバンド」と、このチーフタンズの『バリー・リンドン』の「愛のテーマ」としてクレジットされている「アイルランドの女」で、後者はポリドールから出ているんだ
もちろんサントラのLPはワーナーブラザーズで、チーフタンズのこの演奏も収録されているんだが、チーフタンズがポリドールのアーティストということから、シングルはポリドールって訳だ。サントラにはよくある話だな
じゃあつべこべ宣わないで、曲に行ってみるか
『バリー・リンドン』愛のテーマ「アイルランドの女」
演奏チーフタンズ
『バリー・リンドン』メイン・テーマ「サラバンド」
レナード・ローゼンマン指揮の楽団
立冬なのに狂い咲きしているサツキ