拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

  高地晴天説・・・

2024年12月30日 | 娑婆惰罵駄(シャバ・ダバダ)

  およそ30年ほど前、私はスイスフランス語圏を中心にフリーの観光ガイドとして、日本から来た観光客をバスで案内していた。

 

  やはり冬は客が減るが、ジュネーブからバスで1時間半で行けるヨーロッパ最高峰の麓の町シャモニー行オプション観光の

  レギュラー・ガイドとして雇ってもらい、週に3,4回はロープウェイで3800mまで上がり4800mのモンブランを眺めたものだ。

 

  冬のジュネーブはだいたい、どんより曇り空で、期待で気持ちのテンションが上がっている観光客を慰める決まり文句でガイドをスタートしていた。

  『レマン湖のあるこのあたり(ジュネーブ)は標高が低く、冬は低い雲の蓋をしたようにどんよりといつも曇っています・・・。

   だからこれから標高の高い処にいけば、太陽が輝いていますから、ご心配なく』・・・というようなことを言ったような?

 

  2001年の9・11以降、日本の観光客は激減し、2003年になって私は運良く"引越屋"として雇われることになり、

  そんな『高地晴天説』なんかは、低地での日々の生活に追われ、とくに天候のことなど綺麗さっぱりと忘れていた・・・。

 

  今朝起きてみると、テラスから見える空はどんよりと曇り、まさに雲の蓋をした如く暗く曇っていて、こりゃ…一日家に閉じこもって

  ユーチューブ日和だな・・・と思っていた時、相方が『ラックドジュ(ジュラ山脈地方)へ行きましょうよ、上は晴れているらしいから・・・』

  

         

  で、行ってみらたこんな天気で、雪景色!だった・・・。

  電車で我が街から一時間ほどで、こんな風景に出会うとは!! まったく別天地の如く、別次元の如き銀世界。

 

  私はなぜかそれまでの『天動説』から『地動説』に目覚めたような気分になって、これまであの低地での曇り空での生活は一体何だったんだ・・・

  などと、脈絡不明な思いに囚われながら、晴天のラックドジュ(ジュラの湖)からどんよりと曇った我が街へと戻り

  スイスの『高地晴天説』の正しいことを身を以て思い知ったのであった。

  (*じつはブログを書きながら、Netflixのアニメで『チ』という不思議なタイトルの、『地動説』物語を見ていた影響があったのだと思う…。)

 

  



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