拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

 瓢箪から鮎(なまず)

2021年03月21日 | 観自在

  我がアパートの玄関にこの『瓢鮎図』が掲げてある。(もちろん複製)

  4年前、2017年に日本旅行をした時、京都国立博物館、開館120年特別展が催されていて、沢山の国宝を見ることが出来たが

  この禅画もそのうちの一点。なんでも足利4代将軍義持は歴代将軍の中で最も禅に関心が深かったそうで、ある時、将軍義持は

  大徳寺や天龍寺など、当時の五山文学の精鋭ら禅僧31人に『丸くすべすべした瓢箪でネバネバした鮎(なまず)を押さえることが

  出来るか?』・・・という公案を思いつき、それを如拙に描かせたのがこの『瓢鮎図』。

  しかし、そういった説明を後で読むまでは、私は『この瓢箪でナマズを獲ってみよ!』…という公案だと思いこんでいた。

  だいたい、公案というか、禅問答というものはヘンテコリン…なものが相場であるから、『瓢箪でナマズを押さえる』…

  などという、『獲るのではなくて、押さえる…』という設問じたいが笑止千万な気がする。

  しかし、流石『禅画』じつにヘンテコリン…であることは確かで、こんなものが当時の国のリーダーが率先して考え

  当時一流の僧であり絵師であった『如拙』に描かせ、それが500年後の日本で国宝になっている、というのだから痛快といえる。

  この『お遊び』の直後の室町時代に『一休』やら『千利休』らを輩出して日本文化の基礎を築いていったことを思うと

  このヘンテコリンな絵『瓢鮎図』はやはり国宝の値打ちがあるのであろう・・・。

  ところで、19日のスイス連邦の発表では、カフェやレストランの閉鎖解除が4月下旬まで延期される見込みとなり、ニコルは

  がっかり…商店などよりも、せめてカフェのテラス(外気に接している所)だけでもオープンせよ!…とわめいている。

  

        

             瓢鮎図(如拙画)室町時代、足利4代将軍義持の依頼で描いた禅画



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