ジョナサン・ノット東京交響楽団の定期公演。極上の美の世界に時を忘れた。二人の歌手も素晴らしい。もはや語る言葉も見つからない。陶酔とはこのことを言うのだろう。何か不満を言うとしたらこのパルジファルが抜粋なことくらい。最大級の拍手を送ります。
東響川崎定期、「パルジファル」の抜粋が大変すばらしかった。特に歌手のお二人がとても良くて、抜粋だったのがもったいないぐらい。聖金曜日の音楽の神々しさ。堪能いたしました。
ノット東響のパルジファル。白眉は、聖金曜日の、荒オーボエから吉野クラリネットにソロが繋がれ、絡むところ。美しかった。
ノット&東京交響楽団のパルジファル、第2幕が強烈でした。花乙女のシーン後が演奏されましたが、クンドリーのキスによりパルジファルがアムフォルタスの苦しみに気付く場面が圧巻。歌手のエルスナーの絶叫、精緻なオケが鋭い響きで高揚する迫力! 金管のアクセントは脇腹からの血のしぶきのよう。
ノット&東響のパルジファルとベルクの抒情組曲は、本当に贅を尽くした公演だった。保守派に不人気の漫画『美味しんぼ』の中で、鯛の皮だけ炙って出し、他は全部捨てて、これが最高の贅沢だといって目を丸くした成金長者を窘める逸話があったと思うんだけど、ちょうど、それによく似た贅沢さだ。...