好奇心全開!!遊行期を遊ぶ

 遊行期も今から上り坂、やっと命の不思議に目覚めたような感じです。
 玄牝の門を敲きます。

『 為す仕事なきを好しとす桐の花 』筑紫風交心rs2703

2016-07-28 00:02:26 | 筑紫風交心

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★ 筑紫風交心rs2703

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 為す仕事なきを好しとす桐の花

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 > 苑の木に忘れしままの夏帽子   筑人


 星は瞬き遊ぶ妖精   仁



 あのぼうしはどこへいったのでしょうね・・・

 ぼうしの在処はメルヘンのようです。
 苑の木にもたくさんのめるへんがやどっているのでしょうね・・・



 夕焼けのあとにのこされふかむ老   じん


 友逝き吾も後追うばかり





☆☆☆ 筑人さんの『 継続は力;夏帽子 』 へどうぞ!!! ☆☆☆
 





 > いつか遠藤周作が、泡をくった口調で言った。
 「ゆうべ、山本(健吉)さんが家へやってきてなぁ、真っ青な顔で言うんだ。いま小林(秀雄)さんのところからの帰りがけだが、小林さんに何と言われたと思う?『君、死支度はもう出来ましたか』って、そう訊かれたんだよーーー。ぼかあ驚いて、しばらく返事も出来なかったんだがね。小林さんが『死支度』っていうのは、要するに仕事のことなんだ、一生の仕上げに当たるような仕事の準備は出来たかっていう・・・。しかし、いきなり訊かれると、おれもアタフタしたって、山本さんは実際、死人みたいな顔色だった。無理もないよなァ」
 遠藤はそれだけ言うと、まるで彼自身が死装束の支度はいいかと訊かれたように、なぜかそそくさとした様子で帰って行った。
 考えてみれば、これは小林さんが亡くなる三年ぐらいも前のことであったろうか。いまはその小林さんを訪ねた山本謙吉さんも、山本さんに訪ねてこられた遠藤周作も、みんな三途の川の向こうへ行ってしまった。それぞれが死装束でザブザブと川を越えて行くのが目に見えるようだ。   。。。安岡章太郎『死との対面』p13



 昔は、こんな場面に憧れていたようです。なんだか一生懸命に生きながら、どこか巫山戯ています。真剣すぎて、遊んでいる。青春の延長のままの老年期がある。
 昔といっても、現役終盤頃ですけれど・・・
 文壇情勢とは全く無縁な片田舎の貧しい労働者ですけれど、学生時代からつき合ってきた仲間がいて、年2回の一泊旅行をつづけてきました。家庭的なことも、現実的なことも、無縁に、気分は学生時代のままのとりとめもないお喋りに耽るだけの逢う瀬を50年もつづけてきたのでした。その旅をぼくらはネアンの旅と呼んでいました。
 その会の主柱を担ってきた友人が、先日、亡くなってしまった。
 ぼく自身の余生が、ぽっかり、空洞になってしまったような喪失感に捕らわれてしまいました。しばらく喪失仁を彷徨っていました・・・



 生涯現役を宣言していた友は、死ぬまで、本気で働くつもりのようでした。癌手術をしても、職場に知らせず、すぐ復帰して働いています。
 ぼくはその時、もう仕事は辞めて、自分の仕事に専心した方が好いのではないかと、何度も勧めましたけれど、彼は働きつづけ、転移が見つかったのでした。友は、とうとう、<仕上げの仕事>をしないまま逝ってしまったのでした。

 彼のし残した<仕上げの仕事>を、遺された実績の中から集約して、集大成するのは、残されたぼくら仲間に課せられた<仕事>なのかもしれませんが、ぼくらは、相変わらず、ネアンの旅をつづけるしかないのかもしれません・・・



 為す仕事なきを好しとす桐の花   仁


 わが身に結ぶ花もなけれど





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