逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

主体的日本とは何か

2008年03月25日 | 社会

欧米社会でのパーティ・ジョークで何度となく聞かされた定番の話がある。



「沈没した客船の救命ボートで、誰かが犠牲にならないと全員が死ぬという極限状況が生じた。

  英国人には『あなたこそ紳士だ』というと粛然と海に飛び込んで行った。

  米国人には『あなたはヒーローになれる』というとガッツポーズで飛び込んだ。

  ドイツ人には『これはルールだ』というと納得した。

  日本人には『皆さんそうしてますよ』というと慌てて飛び込んだ。



という小話である。国民性をからかう笑い話なのだが、昨今、とても笑う気になれない。

主体的日本人とは何か。?
多くの日本人の読者の感想は概ね次の様なものではないだろうか。? 

『小話よんで良く当たっているので感心しました。』

『日本人は個人の確立が出来ていないのでいつも判断は人任せ。』

『思想、哲学がないから、自分の意見がない。』

『マッカーサー曰く 日本人の思考程度は12歳。 現在は14歳ぐらいかな。』

『まったく恥ずかしい限り。』

平均的な日本人気質では、個人的な主体性を問われた時に、アメリカ人と大きく違って、日頃の経験が無いだけに大いに途惑う。そしてなかなか決断できない。そして決断できない自分を恥じる。





『日本人には、日本人の主体性が有る』

人は青年の時に、何か新しい事を思いつき、行動する。
新しく思いつき、行動することじたいは、若者にとって、非常に大切なことです。
しかし『他人と違う』こと、『新しい事柄』の多くは、失敗し挫折してしまう。
成功するのは例外中の例外で、ほとんどみんな挫折する。
挫折を味わって、そして青年は大人になる。

日本人が他人に合わせるのは、主体性が無いからではなく、大人の生活の知恵なのです。
日本人は思想、哲学を持っていても、他者との調和を重視して為るべく争わない。
そうです。日本人はみんな大人なのです。

大人気ないアメリカのジョージ・ブッシュ大統領には、日本人の爪の垢でも煎じて飲ましたいですね。
近頃の私、はなるべく他人と同じことをするように心がけています。





なるべく他人と同じことをするように、心がけていますが、以前はどうだったか思い出してみる。

阪神大震災の時震度6の激震の中、近所の人たちが全員が表に飛び出していた時に、家族全員が熟睡していました。

命が大切なら、みな~さ~ん。! ほかの人がどうしているかは、大問題ですよ。


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7 コメント

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始めまして (aqgel)
2008-03-25 17:11:35
始めましてお邪魔します。若い頃に日本民族と欧米の民族との気質の違いについて、次のように聞いたことがありましたが。
日本民族は農耕民族であったので、田畑で作物を作るときは、季節や気候の関係もあって、ほぼ同じ時季に農作業に入って、お互いに手不足などを助け合ってやってきたので、数千年の歴史から〝お互い一緒に〟との気質がある。
欧米の民族は、牧畜民族であったので、他の者と一緒では、自分の家畜に充分な牧草は与えられないので、自分の家畜に与える牧草は、自分で探すしかなかったと。
そして自分たちのリーダーについて行って、何処にも充分な牧草地が無かった時は、そのリーダーは殺されたと。
やはり夫々今にしても、考えさせられる話だと思いますが。失礼しました。
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「農耕民族」「牧畜民族」は死語 (kaetzchen)
2008-03-25 20:04:17
ですよ,aqgel さん.

日本人はもともとアイヌ民族でした.アイヌは暖かい本州では農耕を,寒い北海道以北では狩りを主にしていました.そこへ,沖縄や朝鮮から強い軍事力を持った帰化人が攻め込んできたのです.もともと軍事力という概念を持っていなかったアイヌ人たちはどんどん降参したり北へと追いやられていきました.そして,特に東北地方や北陸地方に住んでいたアイヌ人たちは厳しい気候のため,大和朝廷に強制された稲作造りがうまくできず,収穫の全んどを税として盗られ,飢饉が毎年のように起こっていたのです.東北地方や北陸地方の人々がコメの品種改良に非常に熱心なのはそのせいです.あきたこまちやきらら397がその良い例ですね.

そういう意味では aqgel さんは日本列島を征服した帰化人=大和朝廷の稲作イデオロギーについて,柳田國男や折口信夫の文献を読まれて勉強して欲しいなと思います.なぜなら,西欧でも農耕は常に一緒に行われていたからです.カトリック系の書籍に西欧の民俗学の本が幾つかありますので,それも参照されて下さい.つまり「日本民族と欧米民族の違い」という問題の立て方が完全に誤っているのです.ちなみに,aqgel さんの聞いたと言われる本の出所は山本七平『日本人とユダヤ人』(角川文庫)です.昔は偽ユダヤ人名の「イザヤ・ベンダサン」を名乗っていましたが,多くの神学者から間違いを追求されたために,彼の死後は本名で今だ出版されてます(角川書店は本来,こんな間違いだらけの本は廃版にするべきだ).

aqgel さんは実際の牧畜というものを見たことがおありでしょうか.恐らくないのではと思います.家畜を育てるには穀物やエサになる草を育てる必要があります.北海道などの大規模な牧場ではサイロに草のかたまりを保存していますよね.またイタリア映画の「ひまわり」という映画を見られたことはありませんか.見渡す限りのヒマワリ畑で採れるヒマワリの種からは脂が採れ,絞りかすは家畜のエサになるのです.

つまり,牧畜というのはその根底に農耕がなければ成立しないのです.農耕がない地域で行われている牧畜は大ていやせた地域を草を求めて歩き回る放牧になります.聖書の世界,ユダヤ人が過去に行ってきた牧畜はまさにそれになります.だからエルサレムに凱旋して来たイエスが乗っていたのは,傾斜の険しい山岳地域でも歩けるロバだったのです.

aqgel さんも少し,生態学について学んで下さい.そして山本七平から「教えられたウソ」を早く頭の中から取り除くよう,お願いいたします.「農耕民族」が前提にあって「牧畜民族」が成立するのです.例えば米国がどうして「遺伝子組み換え作物」を作ったのか.理由は単純です.生産力が莫大に大きくなり,多くの家畜を飼育できるだけの「農耕民族」になって,世界を征服するためなのです.

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「自己啓発セミナー」と「日本人に洗脳される」外国人労働者たち (kaetzchen)
2008-03-25 23:12:20
もうかなり前に名古屋で働いていたことがある.トヨタが南米に工場を作って日系人を働かせ,優秀な工員を日本に連れてきて豊田市の24時間操業の夜間労働をさせたり,名古屋市近辺の子会社などへ出向させたりしていたのである.

日本語さえ不自由なこれら日系人=外国人労働者たちをトヨタのために「日本人として洗脳する」手段として用いられたのが,いわゆる「自己啓発セミナー」なる宗教である.

要するに,研修所に数日間のあいだ,外界から遮断され(情報遮断),作業やQC活動の繰り返し(疲労),さらに懇親会で呑み会で睡眠不足.常にトヨタ幹部社員の監視下に置かれ,「トヨタのために一生を尽くす」ことをくり返し復唱し(価値観の刷り込み),頭の中がふぬけになった所で新しい価値観として「トヨタ社員の誇り」をさらに刷り込む.いわゆる体験型のワークショップとも呼ばれ,日本人社員でもこれのせいで精神科送りになってしまう人間が多い.当然,労働時間として算定されないから,彼は「無能」として生活保護または自殺への道をまっしぐらとなってしまうのだ.

これが「他人と同じことをしなければならない」という恐怖感とくっつくと,個性を持つ者は徹底的に排斥される,という結論に達するのであります.
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ついでにエルサレムについて (kaetzchen)
2008-03-25 23:31:17
同じ教会のもと公務員の方夫婦が退職金でイスラエル旅行をしてきました.いわゆる巡礼の旅ツアーです.ところが,行ってみると崖ばかり,平地はほとんどなくて,川も流れていない.本当に荒れ地ばかりだったそうです.当然,作物を植えても乾燥に耐えるものしか生えない.しかもイスラエル人とアラブ人が互いの土地を争って戦争ばかりしている.

観光バスから見えたアラブ人の村は本当に貧しそうだったそうです.そしてエルサレムの町に入ると,古代からの街並みがそのまま残っているせいで,バス(JRが使ってる高速用のボルボ製と同じ型)が辛うじて通れるくらいの道をゆっくり走る状態.水は地下水を使うのですけど,ふんだんに使えるのはイスラエル人と観光客の泊まるホテルだけだとか.結局,その廃水をアラブ人がすくっては生活用水や農業に使っていることになる.というのが,巡礼へ行った夫婦の報告でした.
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aqgelさん。コメント有難う御座います。 (ブログ主)
2008-03-26 10:24:18
直接お話できる機会はありませんでしたが、ましまさんの反戦塾でお見かけしています。
これからも宜しくお願いいたします。
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kaetzchenさん。 (ブログ主)
2008-03-26 10:38:03
何時もお世話様です。
日本人が農耕民族で、欧米人が牧畜民と言うのは、前半の日本人が農耕民だけが正しく、後半部分の日本的解釈(牧畜だけをやっていた)は正しくない。
ここのところを誤解している人は多いですね。
欧米の牧畜民とは、農耕をしながら牧畜をしていた人々をさすが、それなら、日本ではそんな呼び方は絶対にしませんが、日本の東北地方なんかの農民も牧畜民的なんですよね。
牧畜的でない専業農家でも50年程前には普通の稲作農家でも必ず牛や馬を少数飼っていました。鋤を使った耕作用ですね。
これが、西日本では牛で、東日本では馬だったようです。
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ウシとウマ (kaetzchen)
2008-03-26 12:19:37
の違いは,やはり寒冷地に放牧しても寒さに耐えられるかという問題があると思います.北海道などの寒冷地のウシの牧畜の場合,ホルスタインなどの,欧米から輸入された寒冷地に適応した品種が用いられます.日本にもともと住んでいたウシは九州など酷暑に耐える品種が中心です.関西地方は日本一の酷暑地帯ですから,大和朝廷にはこれがうってつけだったのでしょうね.

そういえば一ヶ所訂正.大和朝廷としてアイヌ民族を軍事力でけちらしたのは朝鮮半島からの帰化人が中心で,沖縄からという記述は間違いです.琉球も軍事力という概念がなかったので,あっさりと薩摩に占領されてしまいました.
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