逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

TPP賛成論、ドラッカー経営学のMBA(経営学修士)

2011年11月08日 | 経済

『TPPお化けの正体とは』

『もしドラ』で有名になった経営学(マネジメント)のドラッカーですが日本にも度々来ているらしいし日本の風習にも精通していた。
小泉構造改革で破壊される以前の、終身雇用と年功序列の並列的な価値観の今までの日本国の資本主義経済が、自分たち欧米の直列的な上下関係の弱肉強食の資本主義の経済法則とは、そもそもの精神的な発想の根本が違うことにも気が付いていたらしい。
ドラッカーは、『すべての文明、あるいは国の中で、日本だけは、目よりも、心で接することによって理解できる国である』とか、
『日本人の強みは、組織の構成員として、一種の「家族意識」を有することにある 』とか語っている。
欧米一神教世界では絶対神を頂点とする価値観であり、全てはピラミッド型に上下の序列が厳格に決まっている(階級構想Hierarchy:ヒエラルキー)と考えられていて、これは職業(労働)にもいえて職業(職種)に貴賎(上下)があるのです。
ところが多神教的な日本では、多少の上下の差程度の価値観はあるが、全ては並立的であり仲良く共存していて、職業には貴賎が無い。
全ての『労働』(仕事)は、文字通り上下の関係が無いとされていて、『全てが大事であり、尊い』のです。
社長も重役もホワイトカラーの社員もブルーカラーの労働者も同じ社員食堂を利用出来る制度は日本だけの特殊例。
欧米など外国では社長は別格の将軍ならホワイトカラーは将校扱いとなる。ブルーカラーは一般の兵士なので、将校と兵隊が同一の場所で同じものを食べるなど、最初から考えられないのです。
経営学のドラッカーですが、ですから将軍(経営者)や将校(知的労働のホワイトカラー)のことは色々語るが対照的に現場労働者に対しては極端に少なくて、ほとんど何も語っていないのですね。
ところが、正に日本の今までの経営の強みとは松下幸之助にもいえるのですが、現場労働者と社長とが同じように『会社は自分のもの』と考えていて、並列的に同じように知恵を出し合うところなのです。
日本では一流大学卒の幹部候補生でも最初は現場の作業を経験させるが欧米のMBA(経営学修士)は最初から全くの別コースで、MBAは例えるなら日本のキャリア官僚と同じ制度ですね。
一般警察官は巡査からだが、『キャリア』はいきなり警部補から出発するので、駐在所なんか経験し様が無いのに似ている。
欧米では、とんでもなく権威があり優遇される経営学修士(MBA)とは、まさにドラッカーの経営学を学んで『資格』を取った人なのですが、これが日本では全く価値を認められていないのですよ。
言葉を変えれば、日本の経営では、誰一人もドラッカーの論理の正当性を認めていないのです。
ですから、ベストセラーの『もしドラ』を沢山買った人がいたらしいが、我が日本国では誰一人もその内容に納得した人がいなかった、と判断されます。
『もしドラ』の作者ですが、たまたま成功したのは事実ですが一発屋以上ではないでしょう。
これは経営の神様松下幸之助にもいえて、事業で成功したのは事実ですが、私財を出してまで松下政経塾を創設した動機は、何と『無税国家の創設』が目的だったらしいですよ。
これは駄目です。
トホホとしか言葉が出てきません。
『無税国家』とは、国家予算を一割ぐらいを使わず溜めていけば、将来は内部留保した『資産』の運用益の活用で『税金がゼロ』でも、誰も困らない理想国家が出来るとするものです。
この『経営の神様』は経済学には全くの無知蒙昧。話にも何もならない、お馬鹿の極みです。
松下政経塾の『無税国家』の話とは、インチキ臭いネズミ講とかマルチ商法に騙される小学生程度の数学が出来ない情けなさ過ぎる一流大学の学生の阿呆臭い話と、まったく同じ次元である。
基礎的な経済学に無知で、『金』が勝手に『金』を生むと信じていたらしいのですね。
幾ら上手に金を運用しても、原理的に絶対に『金』が『金』を生むことは無い。実体経済の裏付けの無い『金』の場合には、それ自体では増えないのですよ。
松下幸之助の無税国家の発想と同じ、『金融立国で福祉国家の建設』との実体経済を無視した、お粗末なアイスランドの金融破綻の例が証明していますが、人口が30万人のミニ国家でも無理なのに一億人の人口大国の日本が、金貸し業だけで食えるなど夢のまた夢。
アホ臭すぎて批判する言葉もありません。

『TPP賛成意見=新自由主義』

人モノ金、技術や情報、資本等『全てが自由に国境を越える』TPPですが、『悪魔の碾き臼』である新自由主義の『最後の総仕上げ』で間違いないだろう。
一つの国ではなくて、世界の国々の国家の垣根を取り払い、あらゆる例外を無くして、全ての規制を完全に無くした世界を素晴らしい思うか。
それとも逆に恐ろしいと思うか。
新自由主義を先取りして、自分ひとり大儲けしたユニクロのような例もあります。
先取りして自分だけ実践することが出来れば間違いなく成功します。
それはユニクロの成功が証明しているのですが、自称マクロ経済学者池田信夫は『全員がユニクロになれ』(そうすれば成功する)と主張する。
良く似たことは竹中平蔵も言っています。曰く『みんながビル・ゲイツになれ』ですよ。
池田信夫や竹中平蔵ですが、ユニクロやビル・ゲイツが全員ではなくて、その正反対。唯一の例外的な存在だから、大儲け出来たのですね。

『物量の大量投入による果てしなき消耗戦』

『ユニクロ方式』の恐ろしいのは最初の一人なら間違いなく成功するので『正しい考え方だ』と全員が信じて仕舞うところなのです。
ところが同じように真似たら誰一人も儲からない 
04年の全面規制緩和で料金が自由化され、大阪では初乗り500円、5000円超は半額のタクシー会社が現れて、最初この会社は大流行りで大いに儲けることが出来た。
ところが直ぐに真似する同業者が現れ、今では殆どの会社が採用してしまい、全員の売り上げは大幅に落ちるし、それを何とか解消しようと運転手が無理をするので交通事故が頻発する。
規制緩和は一時的には良かったのですが、結果的には会社も運転手も客も誰一人も得する者が無い。恐るべし、新自由主義。
スポーツでも経済でも同じで、自由な競争の為には、全ての規制の撤廃ではなくて、公平なルールの確立であるとの当然の話が忘れられていたのです。
ルール無しなら自由な競争など起きなくて、それは殺伐とした弱肉強食の殺し合いしか起きない。
常識とは正反対に、今の日本国はテレビなどの家電製品は輸出黒字国ではなくて、生産の海外移転の結果純粋な赤字国に転落しているのが現在の状況なのです。
家電のトップメーカーであるパナソニック(旧松下電器)は1ドル76円前後の超円高、底なしのテレビの価格下落、韓国の競合メーカーの安売りで3年連続累積2000億円の赤字をだしている。
パナソニックは05年以降にプラズマパネルだけで「尼崎第1工場」(05年稼働)、「尼崎第2工場」(07年稼働)、「尼崎第3工場」(09年稼働)と、隔年で累計4400億円(当初5700億円計画)を注入。液晶パネル工場と合わせて9000億円近くを注ぎ、競合メーカーとの『倍々ゲーム』に正面から臨んできた。
家電メーカーの顔とも言うべき、薄型テレビへの巨額投資(果てしない物量戦)のすえにたどり着いた世界は、1兆円を売り上げてもまったく利益が出ない大赤字の泥沼の恐るべき蟻地獄である。
アメリカ軍のアフガン戦争の様な『終わりなき消耗戦』では誰一人勝てないが、最大家電企業のパナソニックもとうとう敗北して仕舞った模様である。
今回本社機能をシンガポールに移すなど敗退、縮小で対応しよとしたが、とうとうテレビ生産からの全面撤収を目指しているのです。

『TPP賛成派の意見を要約すれば』

TPP賛成派の中身ですが、アメリカ系投資銀行勤務でブログ『金融日記』の藤沢数希が実に判りやすく解説しているが、普通の神経なら怒りが必ず湧いて来る腹立たしい代物。
もっと露骨に『自由競争』を解説しているのが、米国カリフォルニア大学バークレー校に留学MBA(経営学修士)を取得したという日本人の会社社長の『お話』で羅列して見ると、

★日本人は、電気、機械、自動車などの輸出産業のおかげで食っていられる。
金を稼いでいるのは輸出産業であって、農林水産業も、国内向け小売業、飲食業、サービス業もみんな、輸出産業が食わせてやってるんだ。
★非正規雇用、派遣社員は、能力が無くて努力もしてこなかったんだから、政府や企業を批判する資格なんて無い。
失業も、リストラも、賃下げも、今の境遇は全部自己責任だ。
企業は、今まで賃金を払ってやってたんだから、企業に感謝こそすれ批判するなんて、恩をアダで返すようなもんだ。
★大企業を優遇して、金持ちをさらに金持ちにすることで、日本は豊かになる。
大企業や金持ちを批判するのは、怠け者の僻(ひが)みだ。
★労働者の賃金はどんどん下げて、株主配当を増やすべきだ。
なぜなら、経済のために貢献しているのは、いくらでも取替えがきく労働者ではなく、経済を主導する株主だから。
★お金持ちや大企業は、お金を増やすのが上手いのだから、お金は大企業とお金持ちに持たせるのが良いのだ。
貧乏人がお金を持っても、ロクなことに使わない。
自由主義社会なんだから、カネや豊かな生活を望むなら、貧乏人はもっと努力をしろ。
★日本には資源が無く、人的資源、および労働力以外に国際競争力は無い。
なので、国際競争力を維持するためには、労働者の賃金を上げてはいけない。
賃金を上げると、国際競争力が無くなり、中国やインド、その他賃金の安い新興国に負けて、日本がダメになる。
★収入格差を是正するために、日本国民は、もっと株式投資をするべきだ。
★能力が無いから、非正規雇用になったり、低賃金の仕事にしか就けないんだ。
それがイヤなら、資格や能力を身につけたり、人一倍の努力をしろ。
★企業は法律に則って運営し、利益を出し、税金も払ってるのだ。
だから、内部留保を使って(派遣切りに会った)元従業員のためになんかビタ一文援助してやる必要など無い。
クビになった従業員は、一文無しだろうと、真冬に住むところが無くなろうと、即刻、社員寮から出て行くべきだ。
また、そんな境遇は自己責任だから、税金で救ってやる必要もまったく無い。
(湧泉堂さんの2009.07.21記事から拝借 )
日本でドラッカーの経営学が流行らなくて、一般の普通の日本人にとっては幸せな話であり大正解ですよ。

『偽科学としてのドラッカー経営学』

コマーシャルを禁止して言葉狩りまで行うNHKが、突然君子豹変ベストセラーの便乗商法『もしドラ』を放映した理由ですが、世の中『萌え』ブーム。お堅いイメージのNHKも萌えたかっただけではとの解釈も出来る。
萌えと言えば、やはり東京都の秋葉原のメイド喫茶での『ご主人さま』を特筆するべきでしょう。
その昔に、大阪でノーパン喫茶なるものが流行り、これはもう絶対に自分の目で確認しておかずばなるまいと考えている内に何時の間にかブームは過ぎ去り、一回も見ずに終わって仕舞ったのです。実に惜しいことをした。
今後『惜しいことをした』と後悔しないように、この今大流行りのメイド喫茶には早目にいくべきなのでしょうか。
メイド喫茶に行かなくとも、本物のメイドを雇える階層なら、何時も何時も『ご主人様』と言って貰えるのです。
我々のような貧乏人が金持ちの真似事をするところに意味があるのでしょうか。
考え出すと面白いですね。
本物のメイドですが、これは世界の例外で、現在の日本国ではとんでもなく少なくて絶滅危惧種である。
ところが昔は日本でもメイド(女中)は普通の存在だったし、世界では今でも普通の存在なのです。
今の現代作家の小説世界の設定でメイドが出てくれば途端に嘘くさくなるか、何かのパロディなどのお笑いになる。
ところがこれが、明治大正時代が舞台なら中産階級以上なら必ず婆やや子守や女中などメイド(家庭内労働者)が登場する。
登場させないと逆に現実感が無くなるのですね。『我輩は猫である』には書生なる、今の世界では到底理解出来ない不思議な若い男の寄宿者まで存在していたのです。
昔は今よりも貧乏だったが、少し余裕のある豊かな家では家内労働者を必要の有る無しに係わらず雇い、擬似大家族として沢山の人員を養っていた。
精神的には今よりもずっと豊かだった可能性があるのですね。
ところが日本中が焼け野原で全員がとんでもなく貧しくなり、以前のような余分な人員を養う余裕が無くなり女中が自動消滅する。
今の日本人は敗戦以前よりもはるかに豊かになったが、もう他人を養うとの発想が無くなっていたので女中(メイド)が復活しないのでしょう。
欧米とは違い日本では金持ちほど無駄遣いしないので、大金持ちでも家庭内労働者を雇わない。
これでは欧米では少しはあるトリクルダウンなど起きる訳も無いので、余計に新自由主義の弊害が日本国では倍化して損害が大きいのです。
今とは大きく違い、階級制度が残っていた明治大正期には女性の職業は、ほぼ女工と女中しか世の中には無かったのですね。
私の母親がまだ若かった娘の頃、東京に女中奉公に出ていたが、大店に住み込んでいた時に関東大震災1923年(大正12年)に遭遇して恐ろしい目にあったそうですが、ある程度の金持ちなら必ず何人もの奉公人を抱えていた。
ところが今の日本では女中(メイド)などの家内労働者が粗いなくなって仕舞ったのですか、アメリカなど他の先進国では金持ちがメイドを雇うのは当然なのです。
一神教の欧米先進国と我が日本国では、価値観や制度が矢張り根本的に違っているのですが、ハロウインのようにアメリカで流行れば自動的に日本でも流行るものもある。
アメリカで大流行しても、とうとう日本では流行らなかったものが、フロイトやユングの精神分析学と、ドラッカーの経営学なのですよ。
何れも日本国では科学ではなくて偽科学に近い胡散臭い代物であると看做されている。
特にドラッカーの経営学の流行る素地が、そもそも日本国には全く無い。
日本とは正反対に米国ではMBA(経営学修士)の資格は司法試験に合格した弁護士資格以上の価値があるんですね。
ですから『もしドラ』が日本国で売れた理由は、多分『萌え』以外の要素は少なかった。
ドラッカーの言葉ですが、実はあれは当たり前ですがアメリカの経営学者のドラッカーがアメリカの経営者たちに向かって語った言葉である。
決して日本人の経営者が対象ではない。
そしてドラッカーですが大の日本びいきであり、彼の主張する理想の経営者とは、バブル前の昔の日本の理想の経営者像とぴったりと一致するのですよ。
ですからドラッカーは企業経営者に対して、『儲かったからといって、すぐに高級車に乗るようなことはやめろ。そういったことが微妙に企業の生産性を下げてゆく。』と言っているが、そんなことは一々ドラッカーに言われなくとも、日本人なら大昔から実践していた。
ですから日本人が聞いても何ら違和感を感じず、すんなり受け入れられるし、逆にアメリカ人経営者からは、今までに聞いたことが無い目新しい斬新な発想にも思えるとのドラッカーの名言集が出来上がる仕組みです。
経営学のドラッカーが偉いと思うのは、松下幸之助の無税国家が素晴らしいと思うのと同じで、単なる勘違いですね。
ドラッカーの経営学ですが、一神教の持つ不思議なヒエラルキーの発想を無視しては中身の判断を間違う。
中に含まれているキリスト教的な価値観を正しく分析できないと理解することは無理でしょう。
欧米であれ程は流行ったドラッカーの経営学が日本で流行るどころか、まったく無視されて偽科学扱いである事実は、このことが原因しています。
道徳とか価値観の基本となる宗教感の違いなのです。

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7 コメント

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Unknown (さそり座)
2011-11-07 15:35:23
いつもの,鋭いご指摘です。
阿修羅に引用させて頂きました。
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Unknown (湧泉堂)
2011-11-07 19:19:35
>昔は今よりも貧乏だったが、少し余裕のある豊かな家では家内労働者を必要の有る無しに係わらず雇い、擬似大家族として沢山の人員を養っていた。

私の知り合いの、80代の女性の話ですが。正確には、その方がお母様から聞かされた話。
女中というのは、戦後の家政婦さんとは違う。裕福な家庭は、親戚や知人の娘さんを預かって、礼儀作法、炊事洗濯掃除のやり方を教える。
つまり、花嫁修業というわけです。女中奉公をしたという箔を付けて嫁に出すのだそうです。

家事労働者を雇うというよりは、裕福な家庭の義務、社会奉仕、あるいは相互扶助のようなものでしょうか。

お母様は、「ああ、女中さんなんて面倒くさい。いなくなればさっぱりするのに」と、こぼしていたそうです。
親戚の娘さんに、礼儀作法、家事を教えて一人前にして送り出すということですから、面倒なんでしょう。

また、汚穢屋さん、煙突掃除屋さんなどが家に来ると、下へも置かないもてなしをしたそうです。
「ああいう職業の方がいてくれるから、私たちは生きていられるのよ」ということだそうです。

そして、ポチ袋にお金を入れて、出入りの業者、大工、植木屋、お店の店員さんなどに、ちょっとしたことで手渡していたそうです。

まあ、この方の話が世の中の全てではないでしょうが。
昔は、世の中は持ちつ持たれつ。困っている人がいれば、私が助ける主義。情けは人のためならず。

今の自己責任論というのは、『お前が困っているのは、お前の責任で、私の責任ではない』で、実は、『私の責任ではない論』『お前の責任論』ですね

釈迦に説法で申し訳ないですが、昔の日本人は、職業に貴賎無く、誇り高く互いに助け合い、尊重しあって生きていたようです。
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情けは人のためならずVSお前の責任論 (湧泉堂)
2011-11-07 20:08:28
宗純さん、すみません。またタイトルを入れ忘れました。
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正体が判らないTPP (宗純)
2011-11-08 16:47:27
さそり座さん、こんにちは。TPPですがこれだけ大騒ぎしているの日本政府や民主党内ではその実体が明らかでないのです。
何とも不思議な話で、余程とんでもない内容なのか、それともアメリカ命の前原政調会長の言うように『正体見れば枯れ尾花』のTPPお化けなのかの何れかですね。
前原は、『価値観を共有する日米』と言っているが、それは経済体制の話であり、儒教とか仏教的な発想の日本の人々の価値観は一神教のアメリカ人とは正反対ですよ。
宗教という視点が根本的に欠如しているから勘違いするのであり、日本に一番近いのは矢張り当たり前の結論である。地理的に一番近い場所にある中国や韓国なのですね。
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TPPを理解するのに役に立ちそうなドラッカーの経営学 (宗純)
2011-11-08 17:23:15
湧泉堂さん、コメント有難うございます。

政府が秘密にするTPPの中身ですが、案外NHKの『もしドラ』で有名になったドラッカーの経営学の鍵になるかもしれないですね。
少なくともアメリカではドラッカーの経営学修士MBAが企業経営の実権を握っているのです。この連中ですが煮ても焼いてもくえない悪党ですよ。
ドラッカーですがアメリカでは中国の儒教の祖の孔子みたいな役割を果たしているのでしょうか。
そもそも孔子ですが一般市民の道徳ではなくて帝王学で支配者の守るべき道徳律でありそれならドラッカーの経営学と発想が同じですね。

湧泉堂さんが、今回紹介の『知り合いの、80代の女性の話』の女中ですが、それは正確には奥女中とか座敷女中で世間一般のいわゆる女中とは一段格上の存在で、エリートの一部です。
当時の女工哀史の話にも言えるのですが、同じ時代の女中は矢張りきびしい搾取の対象なのです。
私の老母がまだ元気だったころに聞いた話ですが、東京での女中奉公は酷い扱いであったらしく昔の話が出る時はいつも『人間扱いしなかった』と怒っていた。
沢山の奉公人を抱えていたために、食費を節約する目的で使用人が『沢山食べないよう』主人はわざと暖かいご飯を冷めて不味くしてから出していたのです。
勿論そんな酷いことをするぐらいケチですから副食類も粗末を際めていたために脚気を発症して、もう少しで死ぬところだったのですよ。
今とは違い、当時の脚気は原因不明で癌以上に助からない、結核と同じ恐ろしい『死に病』だったのです。
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昔も今も (湧泉堂)
2011-11-08 19:00:22
>当時の女工哀史の話にも言えるのですが、同じ時代の女中は矢張りきびしい搾取の対象なのです。

なるほど。蟹工船、野麦峠、女工哀史でしたか。失念しておりました。過去をあまり美化するのも考え物ですね。
『昔は良かったが、今は間違っている』と、うっかり考えて失敗しました。
いかなる時代も、最下層の労働者は搾取されていたのでしょうか。搾取のされ具合もいろいろなんでしょうけど。
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先人の知恵と経験 (宗純)
2011-11-09 17:30:04
湧泉堂さん、コメント有難うございます。

第一次世界大戦や第二次世界大戦を経験した父母や祖父母の話を聞いていると、『良くぞ死なずに生残ったものだ』と感嘆するような壮絶な話や、間一髪の話が多いのです。
これ等の父母や祖父母が若かった時に一人でも死んでいたら、自分が今存在しないと考えたら、矢張りこれは奇跡に近い話ですよ。
ロシア革命に列強が介入した対ソ干渉戦争では日本軍は最大の4個師団を派遣してシベリア全土を占領したのですが、私の父も一兵士としてバイカル湖の近くまで遠征しています。
この時に耐え難いシベリアの寒気でも連日続く凄惨な集団暴力でもなくて、一番恐ろしかったのは飢餓だったのです。兵士には1日5・5合の米の配給があるはずなのですが、少しずつちょろまかしていくので最後のシベリアの前線の兵士は飢えに苦しんでいた。究極の官僚組織としての軍隊はその当時でも上から下まで満遍なく腐敗していたのです。

人生には悩みが多い。私の娘がまだ子供だった時の話ですが、『人は何の為に生きるの』と当時80歳を超えていた老母に聞いたのですが、母は孫娘に『食う為に生きているのじゃ』と答える。
余りの衝撃的な答えにを打撃を受けて、中学生だった娘はしばらく、立ち直れなかったらしいのですね。
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