時折起こるデジャヴは私の感覚を麻痺させる。 頭の中でグルグルと記憶が駆けめぐり繰り返される。 1秒前に死んだ者は生き返らないが、私の中では生きていた……。 死から生へと転換するその瞬間。 悲劇が繰り返されることによる懊悩。 その反面、嬉しいことも繰り返される。 1秒という感覚は一瞬だが、認識するには十分な時間。 すべては私の中で起こっている出来事であり、世界が変わったわけではない。 何も変わらないこの世界。 しかし、私は変わり続けている。 私だけ違う空間で生きているような虚無感。 1秒前に打った文字を打っている今の感覚。 見えない何かに文字を消されて、また書き直す感覚。 そんなことがあり得るのだろうか……。 目の前の現実を理解できるほど私は強くはない。