風極の岬 えりも 法光寺住職の「善き人々に出逢う旅」

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寒あけの日~今年最後の寒修行でした

2021-02-02 17:03:12 | 日記
2月2日 節分(1897年以来、124年ぶりです)

毎年、行っている寒中の托鉢修行。本年最後の日は副住職と本町を。
風邪もひかず転びもせず、今年も最後まで務めることかないました。

例年の如く浄財を用意して、待ち構えて下さっている町民の皆さま。
今日も突風で衣があおられるような日でしたが「気を付けて」「頑張って」と、励ましの声に支えられて、無事歩くことができました。
(寺の前で戻る寸前、つるつる路面に足を滑らせ手をつく失態も~)副住職に笑われそう=何とか手をついて急いで立ち上がりました。
この日の浄財は、毎年えりも町の社会福祉協議会に寄付して、その活動に使っていただいております。

務めを終え、お寺の山門をくぐりますと、いつもホットします。
小学校に入学したころは、冬休みの何日か、師父(父であり師匠)
の後ろをついて歩かされました。
寒さで手がかじかんで、泣きそうな顔で戻ったことも多々あります。
この山門が見えると、ホットしたものでした。
その頃は篤信の健脚のお檀家様も数人、一緒に歩いて下さいました。
お寺には「山号」というものがついていて、拙寺のそれは『佛國山』といいます。「佛(仏)の教えを信じる人々が集う山(寺)」と、いう意味に解釈することもできます。

あのころ、共に健脚を誇っていた方々は、皆とっくに鬼籍に入られました。歩くこと、走ることが得意だった師父は、昨年まではとても元気でした。弟子が寒修行から帰ると、安どの顔を浮かべて、出迎えてくれました。もうその姿は見られません。(昨年7月6日急逝)
幾分の寂しさはありますが、歩いているとその面影が浮かび、先に逝かれた人々が、道を照らしてくれていると、思うのであります。



  喪の寺の山門照らす寒月光 俊也

雪を踏みしめ歩く=寒中托鉢の日々

2021-01-31 16:09:17 | 日記
 1月31日 大寒を過ぎてから歩き始めた、寒修行の托鉢。
29日、30日は除雪のため、お休みでした。

寒の入りから、節分まで行われる托鉢を「寒行托鉢」と呼びます。
若い時は、ほぼ毎日歩いていました。
近年は年始のお経で全檀家様を回ってから、歩いています。
マイペースの歩脚ですが、40年以上続けることが出来ています。
自身の健康と、仏さまのご加護のお蔭です。
かなり怪しい風体ですね。

本来は手っ甲に脚絆をつけ、わらじ履きに笠をかぶります。
しかし、この風極の地(本日は瞬間的に風速30メートル近く)
如法(本来の姿、形)で、歩くことは、とてもできません。
雪の下の氷で滑らないように、冬靴。頭はおこそ頭巾で包みます。
 本日は副住職と二人の行です。

一昨年まで、皆様に頂戴した浄財を基に、講演料等をプラスして、
カンボジアの教育支援(小学校、図書館建設)を、行ってきました。
しかし、コロナ渦中で、昨年はお話の仕事は一切キャンセル。
思うような資金も、捻出できなくなってきた状況です。
しかし、金額の大小ではなく、これまでご縁を頂戴してきた彼の国の
孤児院支援等は細々と続けることが可能と、思っています。

自己の幾ばくかの修行の結果が「遠い国の子供たちの教育にほんの少しでも助けになることが出来たら」という、願いを込めて歩きます。

午後から新浜という地区を往復10キロメートル。風に押され飛ばされそうにもなりました。夕刻帰ってきたら、風もなぎ、いつも見守ってくれる拙寺のお地蔵さまも夕焼けに微笑んでくれているようです。



雪との闘い=だいぶ疲れました

2021-01-30 16:50:24 | 日記
1月29日~30日 低気圧が北海道に接近。

久しぶりでまとまった雪が降りました。
29日 隣町の広尾町が47センチ。えりも町目黒が45センチの降雪。
えりも町と広尾町を結ぶ黄金道路も、大雪警報が発令され交通止めに。
最初は大したことないと思っていましたが、除雪をするたびにまた雪が。
たよりの副住職が不在のため、寺族(妻)と共に、終日汗をかきました。
夜が明けた30日は、幸い雪は止み、お日様も少し。
前日、あんなに苦労していたのに、頼んでいた除雪車が来てくださり、
 30分ほどで、境内も広く空きました~有難いことです!
でも、実は大変だったのはこれから

会館の屋上が大きく広く、無落雪のつくりになっているので、この雪を下に下す作業が必要です。
数年前排水口が氷り、解けた雪が下の調理室に溢れひどい目にあったことが~
そこで、私、副住職、寺族と3人。半日かけて、屋上の雪を下に落とします。
北国で暮らす厳しさを、久しぶりで体感しました。

ようやく終わった夕暮れ前。ほっとしたひと時です。
暖炉で暖まります。
いえ、本物ではありません。「エタノール暖炉」というオブジェ。
炎が素敵です。なんとなく三人でしばらくぼおっと眺めたことでした。


                                   
                                 

 ホテル浦河イン レストラン『ピアロード』でコーヒーブレイクのひと時を~

2021-01-28 14:27:01 | 日記
私の住むえりも町の二つ隣の町=浦河町
 軽種馬(サラブレッド)の産地として有名です。
 『少年と犬』で直木賞を受賞された馳星周さんが生まれた町。
  (馳さんは、私の母校、苫小牧東高校の後輩になります)
 本州からの移住者受け入れにも、力を入れている町です。

町中にあるホテル=浦河イン

ここのレストランに時々お寄りします。
 

明るく開放的な空間が広がる落ち着く場所です。
地元の食材を生かした海鮮料理~季節の魚(烏賊、鮭、雲丹等々)が美味。
また、ハンバーグやパスタも種類豊富です。

ここのもう一つの売りは、中央に置かれた巨大なスピーカー。
昔JAZZ喫全盛の時代良く、アルテックやJBLの音を競っていた頃、
 各店では、音作りに力を入れていましたが~
その名残のようなスピーカーが健在で、しっかりとした音色を出しています。


スピーカーの前に大きな石油ストーブが置かれているのも北海道ならでは~
レストランですので、バックグラウンド的な音楽しか聴けませんが、
 「一度フルのボリュームで聴いてみたいな」と、思ったりします。

この日は、書きかけの原稿がありましたので、一休みしながらコーヒーを。
手作りのベークド・チーズケーキ=手ごろな甘さで、エネルギー回復です。
地方にも落ち着く空間を持った店がたくさんあります。
(コロナ渦、ウイークエンドの昼下がり、貸し切り状態でしたが~)
がんばって欲しいと存じます。


新刊のご案内です=『コロナを越えて~慈しみの中に光を』(心力舎刊)

2021-01-26 14:05:20 | 日記
 お知らせいたします。

昨年半年かけて企画編集致しました本が、12月末に刊行されました。
拙僧と同様、全国を巡回する布教師の方々7名に執筆を依頼。
コロナ渦中の中で、人々に寄り添い、共に歩んでいく道を模索した内容です。
7人の諸師は悩みながら、日頃の実践を通じて、真摯な論考を寄せて下さいました。

仏さまの教える智慧と慈悲の心を、現代においてどのように伝えて行くか?
仏教の存在意義が問われる今、僧侶としての自らの在り方をまず振り返ること。
そして、まず身の回りの方々を大切にし、自他のいのちを尊ぶ生き方を実践する。
その慈しみの中から、真の安らかな生き方が開けてくるはずです。

僧侶は勿論、コロナ禍を生きる皆様にぜひ読んで頂きたいと存じます。
宜しくお願い致します。                責任編集 佐野俊也 拝

*ご注文はアマゾンで。
 また心力舎のHPから http://www.shinryokusha.co.jp/