ケィさん

銀行時代の大先輩ケィさんが定年を迎える。
今週の金曜日に定年祝いをやると誘われた。

ケィさんは美人でとてもモテる人で、
彼氏もいっぱいいたけどずっと独身を通した。
本人曰く家庭に入るのが嫌だったらしい。
それはそれでカッコいい生き方だ。
そんなケィさんに私は何故か可愛がられた。
入社したての頃から飲みに連れていかれたり、
一緒にカルチャークラブに通ったり、
踊りに行ったり、歌いに行ったり、
海外旅行も一緒に行ったし、
ありとあらゆる遊びに連れ回されたなぁ(笑)
ただ仕事に関してはめっちゃ厳しい人で、
数え切れないほど泣かされたけど、
私の仕事に対してのスタンスを築けたのは、
ケィさんの厳しい指導あってこそだ。

交友関係も華やかな人だった。
バブルという時代もあったのだろうが、
金融関係はもちろん、
弁護士、ＪＡＬのパイロット、
競走馬の馬主、政治家の秘書などなど、
なんだかもの凄い人脈というか、
そんな人たちと平気で飲みに行っちゃう人で、
もうとても一般人じゃ入れないような銀座のクラブに、
普通に私も連れて行くのでぶっちゃけ迷惑だったが、
※当時の私はぶっ飛んだファッションで、
本当ならそんな場所に出入りできない人物だ。
今その事をケィさんに話すと、
ケィさんは私がそんな人たちに物怖じせず、
また変に媚びて取り入ろうとしないので、
彼らもとても面白がるので連れて行ったらしい

はいはい。
確かに私は飲むとやたらハイテンションで、
おやじ！私が捕まったら弁護頼むぞ！とか、
飛行機乗せろ～とか言ってましたぉ
あぁ若さゆえの傍若無人が恨めしい、
もう少し上品に振舞っていれば人生変わってただろうに

銀行の堅苦しさに耐えられず、
居酒屋業界に転職を決めた時、
泣いて怒ってたケィさんだったけど、
そこで交友が切れる訳でもなく、
私の勤める店にも何度も来てくれたし、
その後も思いだしたように飲みに誘ってくれ今に至ってる。
思えば長いつき合いだよね。
そんなケィさんが定年かぁ…なんだか実感湧かないね。
だってケィさん今でも若々しくて美人なんだよ。
まさしく妖怪って感じ(笑)
きっと定年退職してもケィさんは変わらずケィさんなんだろうな。

ケィさん！金曜日に会えるのが楽しみです