任天堂:「Wii U」世界に先駆け米で発売
http://mainichi.jp/select/news/20121120k0000m020066000c.html
任天堂の新型据え置き型ゲーム機「Wii U(ウィーユー)」が、世界に先駆けて米国で発売された。ニューヨークの直営店「ニンテンドー・ワールド・ストア」では、18日(現地時間)の発売前に約1000人が並び、最初の購入者には米国任天堂のレジー・フィサメイ社長が直接Wii Uを手渡した。朝のうちに品切れの店が続出するなど出だしは好調で、業績回復の起爆剤として期待される。
Wii Uは、06年に発売し世界中で大ヒットした「Wii」の後継機。最大の特徴は6.2型のタッチパネル付きコントローラー「Wii Uゲームパッド」で、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で情報交換したり、テレビがなくてもゲームが楽しめる。
米国では年末商戦が感謝祭の今月22日から始まるため、同30日発売の欧豪、12月8日発売の日本より一足早く発売。12年度は世界で本体550万台、ソフト2400万本の販売目標を掲げる。日本での希望小売価格は保存容量が大きいプレミアムセットが3万1500円、ベーシックセットが2万6250円。
高価格で販売不振に陥り値下げに踏み切らざるを得なかった携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」を教訓に、岩田聡社長は「(Wii Uは)お客に受け入れてもらえる価格に設定した。販売目標は達成できる」と自信を見せる。ただ、ソニー・コンピュータエンタテインメントが、小型化して価格を2万円台に抑えた据え置き型ゲーム機「プレイステーション3」の新機種を10月に発売するなど、年末商戦は激しい競争が予想される。
任天堂は12年3月期、上場以来初の連結最終(当期)赤字に転落。13年3月期はWii Uの投入をてこに60億円の黒字転換を目指す。「本体とソフトを組み合わせて展開することが重要」(岩田社長)として、国内では本体と同時にソフト11本(他社製含む)を発売するが、有力ソフトを継続的に投入し、本体の普及を加速させることが業績回復には不可欠だ。